世紀の大誤審?幸運のペイトリオッツがチャンピォンシップへ
オークランド・レイダーズ対ニューイングランド・ペイトリオッツ−AFCディビジョナルプレーオフ(19.01.2002)

 4thQ残り1分47秒でのあのプレーはファンブルだったのか? 1プレーで流れが変わった試合は,大雪の中でホームのペイトリオッツがサヨナラ勝ちしました。

 ワイルドカードでジェッツを破り,シーズン終盤の3連敗から立ち直ったAFC3位のレイダーズとワイルドカード免除,シーズン終盤6連勝で勢いに乗るAFC2位のペイトリオッツ。チームのメンバー構成もレイダーズはQBR.Gannon,WRJ.Riceを始めベテラン中心,対してペイトリオッツは2年目QBT.Bradyなど新しい顔が揃うという好対照の両チーム。チャンピォンシップに進むのはどちらでしょうか?
 ペイトリオッツのキックオフで試合開始。レイダーズは最初の攻撃,3rdDでWRT.Brownへのパスは1stD獲得ギリギリの位置へ。オフィシャルの判定はinchesで足りず。レイダーズはチャレンジしますが,判定は覆りません。
 対するペイトリオッツも1stQは最初の攻撃以外は3&アウトと振るいません。
 1stQ終盤からのレイダーズの攻撃。QBR.Gannonのパスの通りが良く,2ndQ,レッドゾーンに入り,最後は13ヤードパスTD(R.Gannon→J.Jett)で先制します。
 すぐさま追いつきたいペイトリオッツですが,QBT.BradyのパスはSJ.Harrisにインターセプトされ,前半はレイダーズがリードして折り返します。
前半終了:RAIDERS70PATS
 後半はレイダーズのキックオフから。後半最初の攻撃は両チームともオフェンスが調子良く,ペイトリオッツは23ヤードFG(A.Vinatieri)成功,レイダーズは38ヤードFG(S.Janikowski)成功で点を取り合います。
 直後のペイトリオッツの攻撃は3&アウトでしたが,レイダーズはまたもパス好調で攻め上がり,45ヤードFG(S.Janikowski)成功で突き放します。
3rdQ:RAIDERS133PATS
 4thQ,レイダーズはペイトリオッツ陣内へ攻め込めずパントとなり,ここからペイトリオッツの反撃が始まります。
 パスの通りよく前進すると,Brady→PattenのパスをPattenが弾いたところ,そこにいたTEJ.Wogginsがナイスキャッチするといった幸運も味方し,最後はBrady自らの6ヤードランTDを決めて追い上げます。
 しかしレイダーズも次のペイトリオッツの攻撃を止め,自分のオフェンスでペイトリオッツのタイムアウトを使い果たさせて逃げ切りを図ります。
 残り時間2分少々でペイトリオッツの攻撃となり,まずはランアフターキャッチで距離を稼ぎ,2ミニッツを迎えます。
 2ミニッツ後,問題のシーンが訪れます。ペイトリオッツのオフェンスコールはパス。Bradyがいったんパスの構えを取り腕を前に振りますが,ボールを放さずにもう1度手にしまい込もうとした(ように見えた)その時,サックが入りBradyの手からボールがこぼれ落ちます。リカバーはレイダーズ。一旦はファンブルロストのコールがなされました。しかし,ここでオフィシャルチャレンジが入り,レフェリーがリプレイを見ることに。
 …判定は覆ります。「ボールがBradyの手から離れた時,Bradyの右腕は前に動いていたのでパスインコンプリート」という判定となり,ペイトリオッツの攻撃権が継続します。
 ここからペイトリオッツのオフェンスが息を吹き返し,PattenへのパスでFGレンジに入ると,最後は45ヤードFG(A.Vinatieri)を成功させ,ついに同点。試合はOTに入ります。
4thQ:RAIDERS1313PATS
 OTはレイダーズのキックオフから。ペイトリオッツはスクリーンパスやTEへのパスを多用してレッドゾーン,ゴール前に迫ります。ランプレーでフィールドセンターを確保し,最後は23ヤードFG(A.Vinatieri)を決めてペイトリオッツがサヨナラ勝ちしました。
試合終了:RAIDERS1316PATS

 前半から3rdQまでは完全にレイダーズペースでしたが,残り1分47秒でのあのプレーが,勢いを完全に逆転させてしまいました。
 果たしてあのプレーはファンブルか? それともパスインコンプリートか? 疑問は残りますが,試合後,レフェリーが出したジャッジについてのコメント
「QB(をはじめとするpasser)がパスの体勢にある状態で手からボールがこぼれ落ちた時,腕が前に動いていれば,本当にパスしようとしていたかどうかに関わらずパスインコンプリートとみなすこととする」
…これをどう見ますか?

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