隙を衝いた黒烏軍団が今季初勝利
デンバー・ブロンコス対ボルティモア・レイブンズ−第4週マンデーナイトゲーム(30.09.2002)

 気の緩み? つまらないミスでブロンコスに土

 昨年開幕2連勝スタートながら8勝8敗でプレーオフ進出ならなかったブロンコス,今シーズンは開幕3連勝,連勝を伸ばしたい所です。レイブンズは昨年は苦しみながらも10勝6敗でプレーオフ進出,ディビジョナルでスティーラーズに敗れたものの,底力を見せつけました。今シーズンは開幕2連敗(前週はOPEN)と調子が上がりませんが,ここらで巻き返しを図りたい所です。
 ちなみに,両チームは昨年も第3週に対戦があり,レイブンズが勝っています。ブロンコスはこの敗戦で連勝を止められ,昨年はそれ以降連勝がありませんでした。その恨みを晴らせるでしょうか?
 BSのオープニングはブロンコスからレイブンズへ,そして今年またブロンコスに戻ったTES.Sharpeでした。彼の活躍がこの勝負のカギを握ります。
 レイブンズのキックオフで試合開始。ブロンコスは前半QBB.Grieseのパスの調子もそこそこ,ランもそこそこでヤードを稼ぐものの,なかなかFGレンジまで届きません。唯一のチャンスはレイブンズ陣43ヤードからの攻撃。しかしこれも進めず,反則で1stDをもらうもののそれでも駄目,結局は39ヤードFG(J.Elam)で先制します。
 一方のレイブンズ,2試合で7点というオフェンスが1stQは抑え込まれ,2回連続の3&アウト。しかし,ブロンコス陣46ヤードからの攻撃では,戻ってきたRBJ.Lewisにボールを預けてランでの突破を図り,最後は23ヤードパスTD(C.Redman→T.Heap−M.Stover kick)で逆転します。
 ここからブロンコスのリズムが狂い始めます。まずはオフェンスが反則で自滅して3&アウト。ところがE.Reedにパントブロックを受け,ボールを明け渡したのは自陣18ヤード! レイブンズも反則でお付き合いしますが,こちらは辻褄合わせに成功,最後は2ヤードランTD(J.Lewis−M.Stover kick)で突き放します。
 オフェンスのリズムが狂うとディフェンスのリズムも狂います。ブロンコスは要のCBD.O'Nealが,パスインターフェアの判定に怒って審判に詰め寄り,資格没収となってしまいます。この後反則でどんどん下がったブロンコス,23ヤードFG(M.Stover)をプレゼントしてさらにリードを広げられます。
 ブロンコスのミスはまだまだ続きます。B.GrieseからのパスをRBM.Andersonがお手玉。それをLBR.Lewisにインターセプト,レイブンズにまたチャンスを与えてしまいます。
 レイブンズは,ここでQBC.RedmanとTET.Heapの息がピッタリ,33ヤードパスと2ヤードパス(TD)(C.Redman→T.Heap−M.Stover kick)の2play(いずれもオフィシャルチャレンジ→判定変わらず)であっさり加点します。
 ブロンコスも前半終了間際,レイブンズ陣に攻め入り,残り1秒でKJ.Elamが57ヤードFGを狙いますが,あさっての方向へ。しかし,これをエンドゾーン内でキャッチしたCBC.McAlisterがエンドゾーン内で止まると見せかけて一気にリターン。油断していたブロンコスのプレーヤーを一気に抜き去ります。McAlisterが走る,ブロッカーも走る,そしてヘッドコーチも走る(…ってこれは意味無い)。そのまま108ヤードリターンTD(C.McAlister−M.Stover kick)のNFL新記録(リターンTDヤード)で2ndQ31点目を上げて前半を終了します。
前半終了:BRONCOS331RAVENS
 後半はレイブンズのキックオフから。レイブンズは41ヤードFG(M.Stover)を追加して逃げの体勢に入ります。
 しかし,ここからブロンコスの反撃が始まります。まずは1ヤードランTD(C.Portis−J.Elam kick),そして2ヤードパスTD(B.Griese→P.Hape−conversion failed)で18点差とします。
 レイブンズはここでQBC.Redmanがファンブルロスト!(T.Poole−B.Berry) 反撃ムードを手助け。
 ところがここでQBB.Grieseが踏ん張れません。前進はするものの,レイブンズ陣深くまで進むとパスの精度が落ち,まずはE.Reedにインターセプト。ディフェンスは直後の攻撃を3&アウトに抑え反撃ムードを継続させますが,またレイブンズ陣深くでエンドゾーンを狙ったパスがCBG.Baxterにインターセプト! 得点できません。
 しかしレイブンズは余裕を持ちながらも試合を面白くしてくれます。J.Lewisのランで時間消費を狙っていましたが,そのJ.Lewisがファンブルロスト!(K.Pittman−J.Mobley)
 B.Grieseは3度目の正直。ショートパスと反則で着実に前進。最後は自ら1ヤードランTD(B.Griese−J.Elam kick)を決めて11点差,望みを繋ぎます。
 ブロンコスディフェンスは,レイブンズオフェンスが100%で攻めている訳ではないにしても,後半立ち直り,ここでも3&アウトとし,反撃を待ちます。
 B.Grieseもあわやサックというプレーでは根性でボールを前に捨てて後退を阻止し,FGのお膳立てをしますが,ここでKJ.Elamが44ヤードFGを失敗。これでThe end.
試合終了:BRONCOS2334RAVENS
 2ndQ以外を見ていると,完全にブロンコスの勝ち。ところが,ブロンコスのミスが集中した2ndQの31失点が全て
 ブロンコスオフェンスは,注目のTES.Sharpeが9キャッチ75ヤードと貢献したものの,ランが出ないとここまでモロくなるものなのか,と言うくらいに崩壊しました。QBB.Grieseの精神面にも課題が残っています。
 レイブンズは,ブロンコスのミスに助けられて勝ったものの,相変わらず反則が多い。オフェンスでは3&アウトが多く,いざというときの攻撃力に課題が残ります。鉄壁を誇るディフェンスも23失点,スペシャルチームがリターンを止めきれないとは言え,オフェンス力と比較すれば,ちょっと点取られすぎです。
 どうあれ,ブロンコスは今期初黒星,レイブンズは今期初白星。これが今後にどう影響するのでしょうか?

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