鋼鉄の壁復活!サラブレッドはクラッシュアウト!
インディアナポリス・コルツ対ピッツバーグ・スティーラーズ−第7週マンデーナイトゲーム(21.10.2002)

 Jamesをピシャリ,ライン戦を制したスティーラーズ快勝!

 AFC同士の対戦。結構注目できる対戦なのですが,今年の成績からすると,注目度も少し低くなってしまいます。コルツはドルフィンズに敗れたものの,4勝1敗と好調なスタート。特に,前週レイブンズを僅差で破ったのは大きいでしょう。一方のスティーラーズ,ブラウンズ、ベンガルズと言った同地区のカモには勝っているものの,有力チーム相手に良い所なく負け星先行。Maddox効果が現れるのはもう少し先なのでしょうか?
 この試合,コルツが2試合目,スティーラーズは3試合目のBS放送,スティーラーズの調子が上向いているのは見ていて分かるのですが,果たして今回は?
 スティーラーズのキックオフで試合開始。コルツはRBE.Jamesがディフェンスラインを1度はこじ開けますがその後上手くいかず,パントになります。ここでスティーラーズが見せます。パント距離NFLNO.1PH.SmithのパントをLBJ.Porterがディフレクト!(ボールはスクリメージラインを越えたのでブロックとはみなされず)
 スティーラーズは敵陣41ヤードからの攻撃権を得,QBT.Maddoxが良いパスコントロールで前進。RBJ.Bettisのランも確実にヤードを稼ぎ,最後は17ヤードパスTD(T.Maddox→H.Ward−Peterson kick),あっさり先制します。
 すぐに反撃したいコルツはQBP.Manningのミドルパスに活路を見出しにかかりますが,反則に足を引っ張られパント。
 スティーラーズはこの攻撃でもMaddoxのパスが良好,WRA.Randle-Elのリバースランなど攻撃も多彩に,反則の助けもあってレッドゾーンに入り,ここからはBettis劇場。ラン3連発で3ヤードランTD(J.Bettis−Peterson kick),あっと言う間の2TD,試合の主導権を握ります。
 コルツもJamesの出ないランとManningの決まらないパスを何とか駆使して前進,48ヤードFGのチャンスを得ますが,このスタジアムで48ヤードは危険極まりなく,"神様"KM.Vanderjagtでも全くあさっての方向へ。
 スティーラーズは,Maddoxのパスで反撃し,コルツディフェンスを翻弄してあっと言う間にレッドゾーンへ。Bettisの5ヤードランTD(J.Bettis−Peterson kick),3攻撃機会連続TDで勢いに乗ります。
 コルツはここでManningのパス中心に切り替え,投げ分けに活路を見出し前進。41ヤードFG(M.Vanderjagt)に繋げて反撃ののろしを上げます。
 スティーラーズは時間をつぶす手もありましたが,ここは攻撃を選択。Maddoxのパスで前進を図りますが,何とMaddoxのパスがM.Petersonにインターセプト! Petersonはスティーラーズ陣37ヤードまでリターンし,コルツが一転チャンスを得ます。
 コルツはManningのパス1本で前進,反則でFGレンジギリギリのところでのオフェンス。ディフェンスラインのプレッシャーが激しく,時間に追われながらのManningの無理投げはゴール前には飛んでいったもののB.Alexanderにインターセプト! そのまま前半を終了します。
前半終了:COLTS321STEELERS
 後半はコルツのキックオフから。後半に入ってすぐスティーラーズに事件が発生します。好調のRBJ.Bettisが膝を負傷し退場。代わりにA.Zereoueが入りますが,3&アウト。
 このチャンスにコルツ,相変わらずJamesのランは抑え込まれますが,Manningのパスが良くなり,通り始めます。最後は1発41ヤードパスTD(P.Manning→M.Pollard−Vanderjagt kick),追い上げ開始です。
 続くスティーラーズの攻撃は3&アウト。コルツは次の攻撃でもWRM.Harrisonの片手キャッチなどでManningのパスをサポート,流れがコルツに傾きかけた…かに思われました。
 しかし,好事魔多し。ディフェンスラインのやや厳しいプレッシャーを受けて投げたボールは(おそらくディフェンスラインの影になってManningには見えていなかったであろう)M.Loganにインターセプト! Loganはコルツ陣19ヤードまでリターンします。
 このチャンス,スティーラーズは確実に14ヤードパスTD(T.Maddox→H.Ward−Peterson kick),突き放します。
 スティーラーズは4thQに入り,Zereoue、C.Fuamatu-Ma'Afalaのランで大きく稼ぎ,レッドゾーンへ。Wardのキャッチでゴール前に迫り,4thD&Goal(2ヤード)でギャンブルに出ますが,ここはコルツディフェンスが踏ん張り,得点させません。
 コルツはゴール前の窮地をJamesのランで脱すると,Shotgunからパスを多用して前進。4thDギャンブルも成功し,さあこれからという時,ManningのパスをPollardが上方に弾き,B.Alexanderにインターセプト! またもターンオーバーです。
 スティーラーズはこの後48ヤードFGを失敗しますが,コルツには反撃の時間が残っていませんでした。最後の意地でオフェンスをしますが,時間切れでThe end.
試合終了:COLTS1028STEELERS
 コルツはパス獲得304ヤードと荒稼ぎ。しかし要所のインターセプトが響き,得点は1TD10点止まり。Vanderjagtが1本FGを失敗するも,結果には何の影響もなし。
 Manningは48本中32本成功で304ヤード,後半パス中心の組み立てを強いられたことからするとまあまあでしょうか。Jamesは20キャリー62ヤードと抑え込まれました。Jamesのランが出ないときのManningパスオフェンスのもろさが露呈した1戦でした。ただ,Jamesの居なかった昨年の成績を見れば納得でしょうか。
 スティーラーズはMaddox効果が徐々に出て来たようです。元々WR陣のパスキャッチ能力は高いので,パスコントロールの良いMaddoxは丁度良いQBと言えるかも知れません。Bettis、Zereoue、Fuamatu-Ma'AfalaのRB衆も良いランを随所で見せ,Maddoxをサポート。ディフェンスも3ターンオーバーとパントブロック1つと理想的なディフェンスを披露し,コルツを粉砕しました。
 スティーラーズが完全復活に確かな一歩を踏み出しました。

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