Bucs,イーグルスにリベンジを果たし初のスーパーへ!
TBバッカニアーズ対フィラデルフィア・イーグルス−NFCカンファレンスチャンピォンシップ(19.01.2003)

 氷点下のベテランズスタジアム最終戦はイーグルスに苦い結末

 NFCのカンファレンスチャンピォンシップはシード順位1位と2位の対戦となりました。シード2位のBucsはディビジョナルプレイオフで49ersにTDを許さず31−6と快勝。勢いに乗ってフィラデルフィアに乗り込みました。一方のイーグルスも,ディビジョナルプレイオフではQBD.McNabbが復帰し,勢いに乗るファルコンズにTDを許さず20−6と撃墜,準備万端です。
 この両チームは3年連続のプレイオフ対戦,レギュラーシーズンを合わせるとここ3年で5度目の対戦となります。過去4度は全てイーグルスが勝っています(21vs3,17@13,31vs9,20vs10)。今回はイーグルスホームのベテランズスタジアム,しかも気温は華氏26度(−3℃),イーグルスにとっては願ってもない環境の中でベテランズスタジアム最終戦を飾りたいところです。Bucsも第17週華氏38度下でベアーズ相手に勝っており,「寒冷地に弱いチーム」を何とか返上したいところですが,どうなるでしょうか?
 Bucsのキックオフで試合開始。イーグルスはいきなりKRB.Mitchellが70ヤードリターンで魅せます。直後の攻撃で20ヤードランTD(D.Staley−Akers kick),1分もしないうちにイーグルスが先制します。
 Bucsは弱点のオフェンスが注目されました。3回で10ヤード何とか進む際どいオフェンスながらも前進し,最後は"Automatica"KM.Gramaticaが48ヤードFG(M.Gramatica),すぐに反撃します。
 イーグルスは続くキックオフでKRB.Mitchellがまた43ヤードのリターン,Bucs陣に迫りますが,オフェンスが何と3&アウト,勢いに乗り切れません。
 BucsもRBA.Steckerのランで1stDを取りますが,直後のQBB.JohnsonのパスがCBB.Taylorにインターセプト!
 しかしイーグルスはここで1stDを1回取るもののパント,Bucs陣4ヤードに押し込みますが,得点できません。
 Bucsは苦しい地点からの攻撃ですが,FBM.Alstottのランで窮地を脱し,Bucsがタイムアウトを取った後にビッグプレーが出ます。B.JohnsonからWRJ.Juleviciousへのショートパスが通ると,フリーになったJuleviuciousが猛ダッシュ! ブロックもよく一気にゴール前へ,71ヤードパスとなります。
 ここからBucsはランで押し込みます。最後はTEの位置に普段はDTのW.Sappを入れる念の入れようで1ヤードランTD(M.Alstott−Gramatica kick),逆転します。
 イーグルスはRBD.Staleyのランが出ず苦しみます。頼みのMcNabbのパスも精度が悪く,スクランブルも思うようにできず,苦しい攻撃が続きます。
 それでもディフェンスの踏ん張りが効いて浅い地点からの攻撃が可能で,30ヤードFG(D.Akers)を決め,同点とします。
 直後のキックオフをタッチバックにしたBucs(放送では“弱気”と言われましたが),B.Johnsonのパスが精度良く,ここまでキャッチのなかったWRK.Johnsonへのパスが通り始めて前進,最後は9ヤードパスTD(B.Johnson→K.Johnson−Gramatica kick),Bucsがリードを奪います。
 イーグルスも反撃します。D.McNabbのミドルパスが通り始めるとみるみるBucsゴール前に迫ります。ところが,D.McNabbがボールをはたき落とされファンブルロスト!(S.Rice−S.Rice) 得点できないままBucsリードで前半を終了します。
前半終了:BUCCANEERS1710EAGLES
 後半はイーグルスのキックオフから。
 Bucs3&アウトの後,イーグルスは1stDを1回取りますが,D.McNabbがまたもボールをはたかれファンブルロスト!(R.Barber−E.Wyms) 流れをつかめません。
 この後,両チームともディフェンスが良く3&アウトが続きます。
 この均衡を破ったのはイーグルスですが,結局はパント。しかも,PRR.Barberのキャッチを妨害する反則で罰退,Bucsは自陣48ヤードからの攻撃となります。
 ここでBucsはQBB.Johnsonへのプレッシャーがかからないときにパスをしっかりと決めゴール前へ。3rdDでのM.Alstottのランは防がれますが,27ヤードFG(M.Gramatica),10点差とします。
 反撃したいイーグルス,ディフェンスがBucsオフェンスをよく止めているのですが,如何せんオフェンスがリズムに乗れず,得点できません。
 Bucsはランを多用し時間消費に走りますが,ディフェンスも踏ん張り4分の消費に止まります。
 早く追い付きたいイーグルスは,ノーハドルからMcNabbのミドルパスが通り始め,一気にゴール前へ迫ります。
 ところが,ここでMcNabbに3度目の悪夢,WRA.FreemanへのパスがCBR.Barberにインターセプト! Barberはそのままリターン,エンドゾーンに駆け込み92ヤードリターンTD(R.Barber−Gramatica kick),17点差とします。
 イーグルスはこの後も得点を目指してMcNabbがパスを投げますが,Bucsディフェンスに抑え込まれ,結局時間切れ。Bucsが逃げ切りました。
試合終了:BUCCANEERS2710EAGLES
 序盤イーグルスに傾いた流れを,BucsがすぐFGを返したことでうまく引き戻しました。
 イーグルスはレッドゾーンに攻め込んだ後の2ターンオーバーが響き,結局後半は得点なしに終わりました。QBD.McNabbが3ターンオーバー全てに絡んでしまい,オフェンスが流れをつかみきれなかったことにも敗因があるようです。
 イーグルスはこれで2年連続チャンピォンシップで敗北となってしまいました。ここ1番での強さが疑問視されないうちにスーパーボウルに進出したいものです。
 一方のBucsはディフェンスがレギュラーシーズン1位の面目躍如。特にCBR.Barberがトドメの92ヤードインターセプトリターンTDを決めるなど,随所でファインプレイを見せました。ラインもよくMcNabbにプレッシャーをかけ,McNabbのリズムを崩すことに成功したようです。オフェンスも,W7での対戦時に6サックを浴びたQBB.Johnsonが被サック0,トータル308ヤード,攻撃時間も30分53秒ととイーグルスの312ヤード、29分7秒に対して互角に渡り合いました。
 ただ,Bucsは,PT.Tupaが6ヤードパントを蹴ってしまうなど7回で平均36.3ヤード,キックオフリターン、パントリターン合わせて10回で136ヤード返されるなど,FG以外のスペシャルチームに不安が残ります。
 これでBucsは氷点下での試合で初勝利,プレーオフロードで初勝利と記録ずくめで初のスーパーボウル進出を決めました。同年設立のライバルシーホークスよりも早くスーパーボウル進出を決めたのは自慢になるでしょうか?

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