またも接戦,終了間際のFGでペイトリオッツ2度目の制覇!
カロライナ・パンサーズ対ニューイングランド・ペイトリオッツ−第38回スーパーボウル(01.02.2004)
Vinatieriに始まりVinatieriに終わる,最後はやはりVinatieriのFG
第38回スーパーボウルは,NFCサウス優勝のパンサーズとAFCイースト優勝のペイトリオッツの対戦。今レギュラーシーズンでの対戦はありませんでした。
両チームともチャンピォンシップではリーグ随一のQBにインターセプトの嵐を浴びせて快勝しました。3点差以内で7勝と接戦に強い「シンデレラチーム」パンサーズと,リーグ最少失点で勝ち上がった「2年前のシンデレラ」ペイトリオッツ。
メディアでは少ない得点での接戦が予想されています。私は接戦ならパンサーズ,大量得点ならペイトリオッツと予想しますが,果たしてどうなるでしょうか?
ビジター扱いのパンサーズが裏(テイル)をコール,コイントスに勝ってレシーブを選択。
1stQ:ペイトリオッツのキックオフで試合開始。パンサーズはRBS.Davisのランプレイを使って攻め上がりますが,3&アウト。
対するペイトリオッツは最初の攻撃シリーズがいきなり相手陣から。QBT.Bradyが短いパスを上手く使ってレッドゾーンに入りますが,最後は31ヤードFG失敗(wide right)。その後はゆっくりとしたオフェンスを展開します。
パンサーズは攻撃開始地点が悪く,思い切ったプレイができない中,ランプレイが出ず,QBJ.Delhommeもプレッシャーを受けてなかなかオフェンスが進めません。反則でようやく1stDをもらいますが,それも活かせないままに1stQは終了します。
1stQ終了:Panthers0−0Patriots(1stQ終了時両チーム無得点は12年ぶり)
2ndQ:ペイトリオッツのパントが伸びず,パンサーズがようやく良い位置での攻撃権を得ますが,全く進めません。
ペイトリオッツはランプレイとショートパスが良く噛み合い,オフェンスがそれなりに進みます。
パンサーズディフェンスも3rdD&inchesから,ランプレイ2回をほとんど進ませない(1stDは更新)等健闘しますが,中盤ペイトリオッツオフェンスはレッドゾーンに入ります。しかし,最後は36ヤードFG失敗(blocked by S.Burton),また得点できません。
直後のパンサーズの攻撃は,3rdDでQBJ.Delhommeがファンブルロスト(M.Vrabel-R.Seymour)!ペイトリオッツが敵陣レッドゾーンからの攻撃権を得,これを5ヤードパスTD(T.Brady→D.Branch−Vinatieri kick)に結びつけて先制します。
これで目が覚めたのか,パンサーズもすかさず反撃します。QBJ.Delhommeのパスが通るようになり,長めのパス中心に組み立て,2分も経たないうちに39ヤードパスTD(J.Delhomme→S.Smith−Kasay kick),同点に追い付きます。
追い付かれたペイトリオッツも攻撃のリズムを早めます。T.Bradyのロングパス一発であっという間にレッドゾーンに入ると,5ヤードパスTD(T.Brady→D.Givens−Vinatieri kick),突き放します。
その後のキックオフで良い位置を得たパンサーズも残り18秒から50ヤードFG(J.Kasay)を返し,前半を終了します。
2ndQ終了:Panthers10−14Patriots
3rdQ:パンサーズのキックオフで開始。
ランプレイ主体のパンサーズはなかなか進めず,時間ばかりが経ってゆきます。
ペイトリオッツもオフェンスがビッグプレイを作り出すには至りませんが,着実にゴール前に迫り,3rdQを終了します。
3rdQ終了:Panthers10−14Patriots
4thQ:ペイトリオッツはパンサーズの反則で1stD&Goal(2y)を得,2ヤードランTD(A.Smith−Vinatieri kick),リードを広げます。
追い付きたいパンサーズはJ.Delhommeのパスで攻め上がり,最後は33ヤードランTD(D.Foster−2P conversion failed),5点差とします。
ペイトリオッツも得点を取りに行くオフェンスで応戦します。T.Bradyのパスを中心に攻め上がり,A.Smithのランでゴール前へ行きますが,T.BradyのパスがR.Howardにインターセプト!得点できません。
直後の攻撃で、パンサーズはペイトリオッツのディフェンスに苦しみますが,J.Delhommeがスクランブルに出ると見せかけてM.Muhammadにロングパス,これが通ってこのまま85ヤードパスTD(J.Delhomme→M.Muhammad−2P conversion failed),パンサーズが初めてリードを奪います。(85ヤードパスTDはスーパーボウル記録)
追いつめられたペイトリオッツはBradyのパスを中心に組み立て,D.Givensのキャッチ2回でゴール前へ,最後は1ヤードパスTD(T.Brady→M.Vrabel−K.Faulk 2P conversion),再びリードを奪います。
パンサーズも2ミニッツを挟んで反撃します。J.Delhommeのパスを中心に攻め上がり,R.Proehlのキャッチでレッドゾーンへ。最後は12ヤードパスTD(J.Delhomme→R.Proehl−Kasay kick)を決め,同点に追い付きます。しかし,直後のキックオフはダイレクトでアウトオブバウンズに出てしまい,ペイトリオッツは残り1分08秒で自陣40ヤードからの攻撃権を得ます。
ここからパンサーズ陣24ヤードまで攻め込み,残り9秒から41ヤードFG(A.Vinatieri)成功。残り4秒からのキックオフリターンも届かず,ペイトリオッツが2年ぶり2度目のスーパーボウル制覇を成し遂げました。
試合終了:Panthers29−32Patriots
大量得点の接戦となった試合でしたが,実際にはペイトリオッツの試合でした。ペイトリオッツがどの様に時間を使い,どの様にヤードを稼ぎ,どの様に得点するかを演出していたように思われます。ただ,多少の計算違いが接戦となる要因だったようです。MVPこそQBT.Bradyと決まりましたが,今回もチーム一丸となった結果であると思います。
パンサーズは序盤ランプレイを完全に封じ込まれたのが痛く,途中からパス中心に組み立て直し,QBJ.Delhommeが3TDパスを決めましたが,及びませんでした。