学年研修仮説(中学年)
学習指導案「一つの花」
学習指導案「白いぼうし」
授業実践
中学年ブロック 学年研修仮説
1. 基本方針
(1) 課題 3年「『事柄の中心を考えて文章を書く』児童の育成」
4年「『事柄の中心点が明確になる書き方を考えて書く』児童の育成」
(2) 学年研修仮説
物語の表現指導において、以下のような手だてを工夫すれば、中心のはっきりした文章を書くことができる児童を育てる
こ とができるであろう。
@ 書く活動を増やす
教科書に傍線を引く、視写、行間への書き込み、自分の考えをノートやワークシートに書く作業を多く取り入れ、書く活動に
慣れさせる。
A 話し合い活動を設ける
教材や課題、他人の意見に対する自分の考えを述べさせたり、他人の意見を聞いたりすることにより、自分の考えをはっき
りさせる。
(3) 仮説設定の経緯
@児童の実態より
中学年の指導計画にそって、学年最初の単元では物語教材で学習指導を行った。登場人物の心情とその変化を想像
して読み、感想をまとめるのがねらいである。感想の中には、人物の心情にふれるものや、主題に関わるものは少なく、文章に出てくる言葉のおもしろさや、部分的なとらえ方で書いている児童が多い。
また、1学期、学校行事(遠足)を題材に作文指導を行った。個人差はあるが、時間を追って事柄を順序よく書いたり、行事の初めから終わりまでの流れを書こうという姿勢が見られる。しかし、違う事柄を段落を考えずに一緒に書いたり、新しい事柄が出てきても改行しなかったりしていることから、段落意識が欠けている児童が多い。
A中学年の指導事項より
授業研究と並行して、「表現」領域における指導事項の研修を行った。中学年では、表現しようとすることの要点や中心点を意識させ、どのようにまとめたらよいかを考えさせることが大切である。特に、文字表現における重点として、
3年では「事柄ごとの区切りや中心を考えてから」また、4年では「事柄の中心点が明確になる書き方を考えて」文章を書くことが、「内容構成」の指導事項として挙げられ、しっかりと指導を行うことが大事だと考えた。
以上のような経緯により、学年研修仮説を設定し検証していくことにした。
2 指導計画 (主な表現活動及び指導事項)
(1) 3年の指導計画
○物語文『つり橋わたれ』 (6月下旬)
・読んだ感想や主人公への気持ちを、手紙の形で書く。
○物語文『三年とうげ』 (9月)
・音読を中心に行い、単元を通してワークシートに書く活動を取り入れる。
○作 文『空気でっぽう』 (11月)
・理科の学習から題材を選び、体験的な活動の中で、よく観察して作文に書く。
・作品を読み合い、良かったところや工夫したところなどを意見交換して文章を推敲するのに役立てる。
○物語文『ちいちゃんのかげおくり』 (12月) … 研究教材
・一次感想を基に課題を見つけそれを調べ解決し、場面ごとにワークシートにまとめ、学習の記録としてつづる。
・登場人物について思ったことや考えたことなどを話し合う。話し合いの仕方を援助する。
◎日常における表現活動
*日常生活の出来事(主に休みの様子)を日記に書く。
*短学活の時間に、自分の考えを発表する。
(2) 4年の指導計画
○物語文『白いぼうし』 (6月下旬)
・グループで会話文や地の文を役割を決めて音読する。
・登場人物の一人になって、他の登場人物にあてた手紙の形式で感想文を書く。
○物語文『アナトール、工場へ行く』 (9月)
・登場人物の心情を表す語句・文に傍線を引き、感想・意見などを書き込む。
・「もし〜なら」という仮定をもとに想像力を働かせ、単作文を書く。
○説明文『雪国は今ー』 (10月上旬)
作 文『くらべて考え、くらべて表す』
・各段落ごとに重要な語句・文に傍線を付け、要点をまとめる。グループや全体の場で要点を話し合い、確かめ合う。
・物事を対比的観点からとらえ、段落を意識して文章を書く。
○物語文『一つの花』 (10月下旬) … 研究教材
・視写や書き込みを通して読み深め、場面ごとに自分の考えをワークシートにまとめ、表現の記録集としてつづる。
○作 文『調べたことを書く』 (11月)
・発表会を開き、作品の良い所、工夫している所を見つけ、意見を交流する。
◎日常における表現活動
*短学活の「今日のニュース」のコーナーで、自分の感想を交えて新聞記事を発表する。
*グループ日記を継続して行う。
○ 授業研究会のまとめ
授業説明
・初発の感想では、児童はゆみ子に同情し「かわいそう」と感想を持つものが多く見られた。読みの視点が、両親のゆみ子に対する愛情に向くように学習活動を組み立ててきた。
・両親の気持ちに気付き、自分の考えを書きながら読み深め、1単位時間の最後に、自分の考えをワークシートにをまとめる形に、授業を展開してきた。
・初めに学習課題の発問から入り、次に課題により深く迫る「心情発問」を行った。
・一人読み→グループの話し合い→全体の話し合いの学習形態に変化を持たせて、読む深められるようにしてきた。
・今日の授業は、低位児にとって展開の速さについてこられず、しかも内容的にも難しかったのではないか。
・動作化は難しかった。日頃からもっと取り入れた方がよい。
・児童は、父親の心情について心のこもった読み取りをして、自分の考えを素直にワークシートに書き込んでいた。
研究協議
・導入の課題に対する予想に時間を取ってしまった。(15分)それ以降、書き込み、動作化、話し合い、ワークシートの発表は、スムーズに展開された。
・音読したどの子にも声を掛け励ましていた。
・話し合いの時、各班に助言をしながら机間巡視を行っていた。
・一人読み→グループの話し合い→全体の話し合いの学習形態に変化は、「支援」となる。
・ワークシートの活用について。ワークシートに教師の評価が入り、指導と評価が一体化していた。児童は回数を重ねることにより書くことに自信が持てるだろう。
・高位児について。グループの話し合いでは、リーダー格になり、下位児に対して優しい言葉掛けをしていた。動作化では、はずかしながらも行い、授業の雰囲気が和らいだ。
・中位児について。友達から聞いたことをメモしていた。自分の意見を友達と話し合えていた。挙手して発表しようとしていた。
・低位児について。教師の指示をよく聞き、読み取りができていた。グループの話し合いで、中心となり「〜の番だよ」と指示していた。全体の話し合いになると発表に弱気だった。ワークシートに書き込むのに時間がかかった。
・Q: 話し合いの手だては? A: 班のリーダー格の子に対して、無理に1つの意見にまとめる必要はないことを強調してきた。焦点となっている意見に対して、どんどん思ったことを発表させるようにした。
平成7年11月7日(火)第3校時
4年A組 指導者 山村 英二
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授業仮説 |
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物語文の表現指導において、以下のような手だてを施すことによって、自分の考えをはっきり持つことのできる児童を育てることができるであろう。
@ 視写、書き込み、吹き出しの書く活動を通して、人物の心情や場面の情景を読み取らせ、自分の考え
をまとめる機会を設ける。
A 話し合いの際に、課題に対する自分の考えを述べたり他人の考えと自分のとを比べながら聞いたりす
ることで、一人一人の考えを確かなものにさせる。
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T 単元名 場面をくらべて (物語) 「一つの花」
U 単元の考察
(1) 児童の実態 (男子17名、女子17名、計34名)
2学期の始めの単元では、物語教材で学習指導を行った。「作品のおもしろさを(物語)『アナトール、工場へ行く』」が、それである。この教材は、主人公が動物で擬人化されていることや、軽快なテンポで物語が展開され、ストーリーがとらえやすい作品である。一次読みで、作品のおもしろさに気付き、それに触れた初発の感想を書くことができたのは、本学級の約3分の1の児童(12名)であった。この単元では、主な学習活動として音読を行った。家庭学習に1週間続けて音読の課題を出すと、学級の半数のもの(15名)が音読の練習を一週間続けて行うことができた。また、会話を中心に、役割読みをしたところ楽しそうに音読していた。だが、発声や発音の仕方が不十分である。人物の気持ちや場面の様子を工夫して音読することができる児童が少ない。
書き込み、吹き出し、視写、主人公の気持ちを考えて単作文を書かせるなど、書く活動を多く取り入れた。短時間で書ける子や決められた時間内で書けない子がいて、考えをまとめて書くスピードに個人差がある。
さらに、まとめの学習で登場人物にあてた手紙の形式で感想文を書かせた。すると、学習課題について自分の考えを明確にして感想を書けたものは、9人(約3割)であった。中心点のはっきりした文章を書けない児童が多い。また、初発の感想をふくらませた感想を書けたのは17人、初発の感想とあまり変わらないのは15人であった。
このように、自分の考えを深めはっきりした文章に書くことのできる児童は少ない。逆に、自分の考えを書いたり発表したりする以前に、考えを持てなかったりまとめられなかったりする子が授業中よく見られる。
戦争を題材にした作品(本)についてのアンケート調査をした。結果は次の通りである。(回答者33名)
@今までに戦争に関係する本を読んだことがあるか。
・はい 30名 ・いいえ 3名
A(@で答えた者に対し)その題名は何か。
・ちいちゃんのかげおくり 26名 ・はだしのゲン 5名
・一つの花 3名 ・おとなになれなかった弟たちに…3名
・猫は生きている 3名 ・うしろの正面だあれ 2名
・ひろしまの火、ほたるの墓、キムの十字架 各1名
B Aの本を読んで、主人公に対して、どう思ったか。(「ちいちゃんのかげおくり」の回答が多かったの
で「ちいちゃん」に対して思ったことをまとめた)
・かわいそう 21名 ・最後に家族に会えてよかった 2名
・家族と離れ離れになっていやだ 1名
C 学年の朝の読み聞かせで「はだしのゲン」(紙芝居)を2度行っているが、主人公の「ゲン」対してどう思うか。
・家族が死んでしまってかわいそう10名 ・一人で生きていてすごい 7名
・みんなのために働いてえらい 5名 ・勇気がある 4名
・めげない 正義感がある 各1名 |
アンケートの結果を見ると、3年生の物語教材として「ちいちゃんのかげおくり」を学習しているためか、名前をあげるものが多かった。児童はちいちゃんに同情して「かわいそう」と思っているが、ちいちゃんの生きる姿や純粋な気持ちにはふれた感想を持っていない。一方、「はだしのゲン」では、ゲンの生き方に感心している感想が見られる。
すでに「一つの花」の指導に入り、第一次感想を書かせたところ、児童は、わからない言葉として以下のものをあげた。
防空頭巾、軍歌、兵隊、配給、戦争、プラットホーム
(2) 教材観
本単元の目標は、「人物の気持ちや変化の移り変わりを想像しながら読み、感想をまとめることができるようにする」であり、3年の「人物の性格や場面の情景を想像しながら読む」を受け、5年の「人物の気持ちや場面の情景の叙述や描写を味わいながら読む」へと発展するものである。また、子供は前単元の「アナトール、工場へ行く」で「ストーリーの展開にそって登場人物の行動や気持ちを想像しながら読む」ことを学習してきている。この経験を生かして、場面の対比や、場面の様子や人物の気持ちの変化を丹念に読むことで、自分の感想をさらに深めまとめることができるようにすることがねらいである。
本単元では、戦争児童文学を教材として扱う。児童にとっても、また教師にとっても魅力あり、さらに内容、言語表現の両面から見ても、人間形成に役立つ高い価値を持つ作品である。それは、「一つだけちょうだい。」という、ゆみ子の言葉を通して、人間の幸せを奪う戦争の残酷さから、平和の尊さ・両親の深い愛情・明るくたくましく生きる美しさに感動を覚えるからである。
この物語は、年齢的に子供たちと同じくらいのゆみ子の赤ちゃんの頃が中心となっている作品である。そこをしっかり押さえれば子供の興味を引くはずである。子供たちは戦争経験がないため、本教材に対しては、「難しい・わからないことが多い」という受けとめ方が大半である。「配給」「防空頭巾」「軍歌」などは、特に聞き慣れない言葉である。でも、子供たちは、テレビやアニメーションで見る戦争物から、ある程度のことはイメージができるためこれらの語句が理解できれば、物語の展開もとらえられ、親子の生きる姿を通して、平和の尊さや戦争の悲惨に気付くはずである。
戦争の背景を理解できない子供たちの中には、「かわいそう」という一言で感想を表す子供が多い。食べる物も満足にないゆみ子の境遇を思い、自分をゆみ子に置き換えてみじめだという感想に結び付くのだと思う。しかし、時代背景をふまえれば、子供たちはゆみ子の行動にも納得いくはずである。「一つだけちょうだい。」というゆみ子の言葉を通して、両親のゆみ子に対する深い愛情に気付かせていくことが大切である。
難語句を除けば、淡々とした語り口調の文章は、子供たちにとってはさほど抵抗はない。表現の細部にまで目を向けることで、より豊かな読み取りができるには、最適な教材である。さらに、互いに話し合うことにより、一人一人の考え・感じ方・思いに違いがあることに気付かせ、人物の気持ちや場面の様子について深く読み取らせていけると思う。そのために、対比的表現、比喩表現、倒置法、文末表現を子供たちに気付かせていきたい。
(3) 指導方針
授業の展開に当たっては、両親の行動、様子、会話に着目して、両親のゆみ子に対する思いを読み取り、感想をもつことを中心課題とする。父親がゆみ子を高い高いする場面や駅での父親との別れの場面を大切に扱い、書く活動や音読を取り入れて両親の心情や行動、情景のイメージをふくらませるようにしたい。そして一人一人の読みが、主題に迫るような読みに深まっていくように学習活動を組み立てていきたい。
○児童の初発の感想をもとに、目標と照らし合わせる中で、課題を児童とともにつくっていくようにする。
○事前に戦時中の体験談を聞き取り調査し、戦争という間接的な体験をさせておく。
○事前に父母から自分の赤ちゃんのころの様子を聞き取らせ、ゆみ子の様子と比べることで、ゆみ子の生きた時代状況が
特異なものであったことに気付かせる。
○児童が課題について自分の考えを自信を持って発表できるように、それをノートなどに書き出しまとめてから発表させるようにする。
○数人での意見交換やグループでの話し合いを行い、個人の考えを出し合わせ認めさせるとともに、多様な読みがあることに気付かせるようにする。
◎一人一人の読みを深めるために、一人読み→グループでの話し合い→全体での話し合い の学習形態を取っていく。
◎読み取ったことをまとめる学習として、登場人物の視点から(母親から父親へ宛てた)手紙を書く形式で感想文をまとめさせ自分の読みの深まりを確かめさせる。
○音読発表会を開き、場面の様子や登場人物の気持ちが表れるように工夫した音読に取り組ませる。
○会話の表現は人物の心情や人柄を具体的に示しているので、その心情を表せるように工夫して音読させ、さらに自分の読み取りが深められるようにする。
◎場面の様子や人物の気持ちを読み取るときに、その手がかりとなる語句・中心文にサイドラインを引いたり、部分的に視写したり、想像したことを書きこんだり、吹き出しに書いたりさせ、書く活動を多く取り入れる。
◎書く活動と組み合わせて動作化や音読を取り入れて、イメージをふくらませるようにする。
○重要語句については(特に戦時中の生活の状況を表すもの)、写真や実物を提示し、イメージをとらえやすいようにする。
○今西祐行のこの他の作品を読み聞かせ、読書への関心を高めるようにする。
(4) 校内研修との関連
本校の研修テーマは「主体的に学ぶ児童の育成を目指して表現力を育てる指導法の工夫」である。中心的に指導する教科として国語科を選び、説明文、作文教材の指導と関連を図りながら、研究教材として物語文を取り上げた。サブテーマを受けて、中学年ブロックは研究課題を「初発の感想をもとに自分の考え方、感じ方の成長を、文章構成を考えて、中心のはっきりした文章に書くこと」に設定した。1学期から研修方法や教材に対する取り組みについて意見交換をして研修を積んできた。
私なりに中学年の研修課題を解釈してみる。まず、「文章構成を考えて」については段落意識を持たせる必要がある。「中心のはっきりした文章を書く」については、中心点を明確にするために、どのような組立てにするかを十分に考えさせなければならない。これは、取材の指導と関連を図る同時に、「一番書きたいことは何か」をはっきりと意識させ思考力を高めることも大切である。また、「自分の考え方、感じ方の成長」を意識させるには、読解指導と関連させ、自分の読みを深められなければ始まらない。以上のように、この中学年の課題に迫るには、説明文、作文教材の指導と関連させながら、取材・選材、内容の構成、文章の構成技能、叙述、推敲など、いくつかの段階を追って指導する必要がある。
すでに述べたように本学級の実態を見ると、自分の考えを深めはっきりした文章に書くことのできる児童は少ない。逆に、自分の考えを書いたり発表したりする以前に、考えを持てなかったりまとめられなかったりする子が多く見られる。一部の児童の発表で授業が展開していることに大いに問題があると思われる。そこで、今回の授業実践では、表現力の基礎となる「自分の考えをはっきり持つこと」を育てることに視点を置きたい。学習指導要領の言葉に置き換えると、主題意識を養うことである。表現指導の初期の段階である。授業仮説にあげたように、「書く活動を多く取り入れること」と「話し合い」の2つの手だてを加えることにより、自分の考えを持てる児童を育成していきたいと思う。
このようにして、本校の校内研修のテーマである「表現力を育てる指導法の工夫」に迫っていきたい。
(4) 教材の系統
単 元 名 目 標
3年「ちいちゃんのかげおくり」・場面の移り変わりを押さえながら、会話文に気をつけて読み、情景や心情を想像する。
↓
4年「白いぼうし」 ・場面の情景を豊かに、鮮明に思い描くとともに、人物の心を的確に読み取る。
↓
「アナトール、工場へ行く」・登場人物の行動や気持ちを想像しながら読み、物語を読む楽しさを体験する。
↓
「一つの花」 ・登場人物の行動や気持ちと場面の状況とを結び付けながら読み取り自分の感想をまとめる。
↓
「ごんぎつね」 ・生き生きとした表現を通して、登場人物の様子や気持ちを思い描く。
↓
5年「おみやげ」 ・2つの作品を読み比べてSFのおもしろさを知ると共に、共通するテーマについて自分なりの
「宇宙人の宿題」 考えを持つ。
↓
6年「石うすの歌」 ・表現の意味を考えながら、人物の気持ちや場面の様子をとらえ、主題にせまる。
V 目 標
○自らの読みのめあてをもちながら主体的に作品を読み、自分の考えをノートにまとめたり発表したりすることができる。
(関心・意欲・態度)
◎自分の感想をさらに深め、考えを明確にして感想文にまとめることができる。(表現)
○自分の考えをはっきり持つことができる。(表現)
○登場人物の気持ちや行動と場面の様子を結びつけて読み、子供の成長を願う親の思いを読み取ることができる。(理解)
○場面の様子や登場人物の気持ちを的確に表している語句や効果的な表現に気付き、その働きを考えることができる。
(言語)
W 評価基準・指導計画 省略
X 本時の学習
1 ねらい ゆみ子に一輪のコスモスを手渡し、去っていく父親の気持ちや願いを読み取ることができる。
2 準備・資料 (教師)課題のカード、挿し絵、ワークシート
(児童)教科書、ノート
3 展 開
学習活動 |
時間 |
学習への支援 |
評価項目 |
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・本時の学習課題を確認する。
・課題に対して予想を立てる。
・第4場面を音読する。
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8
分
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・一人一人にノートを見させ思い出させる。
・課題に対して予想を持たせ、見通しを持って取り組ませる。
・父親の気持ちが強く表れている文や語句に線を引かせながら読ませる。
*「…一つだけのお花、大事にするんだよう。」 |
・課題を発表できたか。
・予想をノートに書けたか。
・大切な言葉に線を引けたか。
・しっかり音読できたか。
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| *何も言わずに、… |
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| *一つの花を見つめながら |
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・一輪のコスモスに込められた父親の気持ちや願いを読み取って書く。
・自分の考えをもとに、父親の気持ちや願いを話し合う。
*グループでの話し合い
*全体での話し合い
・話し合ったことをもとに、父親の気持ちや願いをまとめる。
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34
分
|
・父親の言葉や行動を示す語句を手がかりに自分の力で読み取らせ、自分の考えをまとめさせる。
・線を引いた箇所に書き込みをさせる。
・ダッシュの続きも書かせる。
・動作化させたり挿し絵を提示したりして、場面の状況をつかませる。
・座席表の☆印の児童を中心に書き込みが進むように、言葉掛けをしたり、考えを認め励ましたり支援する。時には黙って見守る姿勢を取る。
・グループでの話し合いによって自分の考え深めさせ、全体の話し合いで読みを確かにさせる。
・話し合いの視点
*「大事にする」というのは、どういう意味があるか。
*「一つだけ」と言ったのは何を伝えたかったのか。
・まとめることで、自分の読みを深めさせる。
・ワークシートに書かせる。
*「ゆみ。一つだけのお花を大事にするというのはね、…」
・読みが深まった者を意図的に指名し発表させる。 |
・自分の考えをまとめ書き込みができたか。
・自分の考えをはっきり発表できたか。
・自分の考えと他の人の考えを比べながら聞けたか。
・話し合いに参加できたか。
・自分の読みが深められたか。
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・父親の願いを考えて音読する。
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3
分
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・場面の状況を想像させながら音読させる。
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・気持ちを込めて音読できたか。
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平成7年7月3日(月) 第3校時
4年A組 指導者 山村 英二
T 単元名 様子や気持ちに気をつけて (物語)「白いぼうし」
U 単元の考察
(1) 児童の実態
4年生最初の単元の「ガオーッ」では、登場人物が動物ということやユーモアのある内容であったことから、本学級の児童は興味を持って読み進め、おもしろいと感想を持ったものがほとんどであった。この単元では、音読を中心に学習活動を展開していった。すると、3分の2の児童が音読の練習を一週間続けて行ったり、グループで役割読みをしたところ楽しく活動していた。しかし、しっかりとした発声やはっきりした発音など基本的な部分が不十分であった。さらに、読んだ内容を相手によく伝わるように工夫して音読するについては、読解力と関連してくるが、「気持ちをこめて読む」ことができる児童が少なかった。また、文章を読み取る力をみると、この物語のおもしろさである登場人物、2人の気持ちの変化を、その手がかりとなる語句や文に傍線を引きながら読み進めたが、それに不慣れであり、そのおもしろさを感想文に書く子は少なかった。
読書についてアンケートを取ってみた。結果は次の通りである。
@本を読むのが好きか。・はい66% ・ふつう33% ・いいえ0%
A1週間に何日ぐらい本を読むか。(家や学校などで)
・毎日読む39% ・3,4 日ぐらい39% ・1,2日ぐらい22% ・読まない0%
B最近読んでよかった本を読むきっかけは何か。(児童数33名)
・題がおもしろそうだったから 10名 ・家の人に勧められたから 6名
・絵が気に入ったから 3名 ・友達に勧められた、本をもらった 各2名
児童は、一週間に何日かは読書していて、本を選ぶのに題名や挿し絵を重視している。読書の傾向は、男子は動植物に関する本や図鑑、女子はシリーズものの物語や名作、または絵本をよく読み、どちらも長編の物語を読む子は少ない。
(2) 教材観
この教材「白いぼうし」は、ファンタスティックな作品であり、一人一人の子どもを空想の世界に導き、遊ばせるという魅力のある教材である。これまで何編か物語を読んできたが、この単元で、特に、幻想的な物語を取り上げ読み進めることは、子どものイメージ豊かな読みを育てるのに有効である。また、物語がファンタジーであることによって、子どもの、純粋な、素直で豊かな想像を保障し、子どもは想像的に考えるおもしろさを感じることができるのではないかと考える。
物語の内容をみると、夢のような世界を生きさせつつ、「松井さん」の素朴でやさしく温かな人柄が描かれている。表現方法をみると、一言でいって「さわやかさ」(季節感や色彩感)の中の美しいイメージを抱かせる表現である。その要素として、
巧みな構成、簡潔でむだがない表現、色彩を表す言葉、擬態語、書き出しと結びの響き合わせ等あげられる。
この単元では、場面の情景の美しさ、表現の美しさや登場人物の心情を想像して、「イメージ豊かな読みができる力」を育てることをねらいとしている。そのねらいにを目指すには、この「白いぼうし」は、価値のある教材である。
(3) 指導方針
○児童の初発の感想をもとに、目標と照らし合わせる中で、課題を児童とともにつくっていくようにする。
○課題の提示の仕方を工夫して、児童が主体的に読み進めていけるようにする。
○あまんきみこの他の作品を読み聞かせ、読書への関心を高めるようにする。
○児童が課題について自分の考えを自信を持って発表できるように、それをノートなどに書き出してまとめてから、発表させ
るようにする。
○課題の内容はなるべく大まかなものにし、想像をふくらませ多様な考えが引き出せるようにする。
○意見が出ない場合、数人での意見交換やグループでの話し合いを行い、個人の考えを出し合わせ、認めていくようにする。
○読み取ったことをまとめる学習として、松井さんに手紙(感想)を書き、自分の読みの深まりを確かめさせる。
○音読発表会を開き、場面の様子や登場人物の気持ちが表れるように工夫した音読に取り組ませる。
○会話の表現は人物の心情や人柄を具体的に示しているので、会話の部分を役割読みなどさせ、その心情を表せるように工夫して音読させ、さらに自分の読み取りが深められるようにする。
○場面の様子や人物の気持ちを読み取るときに、その手がかりとなる語句・中心文にサイドラインを引いたり、それを使って絵に表したり、動作化や音読を取り入れたりして、イメージをふくらませるようにする。
物語の学習指導になると、教師主導の授業形態になりやすく、教師の読みを押しつけてしまうことがある。ここでは、理詰めの指導をさけ、子どもが豊かに想像することを中心に指導を進めていきたい。そして、児童が自由に想像したり読み取ったりしたことを自分の言葉でノートなどにまとめ、自分の考えを発表する力を育てたい。また、4年生になって2つめの物語教材であることや、音読の力をのばしたいこともあり、音読の練習を多く設定することにした。想像したり読み取ったりしたことをもとにしながら効果的な音読を工夫したり、逆に音読しながら考えたりする活動を多くしたいと思う。
これらの指導を通して、本校の校内研修のテーマである「児童の表現力を育てる指導」に迫っていきたい。
(4) 教材の系統
単元名 目 標
3年「つり橋わたれ」 ・主人公の気持ちの変化を、他の登場人物と関連付けて読み取る。
↓
4年「白いぼうし」 ・場面の情景を豊かに、鮮明に思い描くとともに、人物の心を的確に読み取る。
↓
「アナトール、工場へ行く」・登場人物の行動や気持ちを想像しながら読み、物語の楽しさを体験する。
↓
「一つの花」 ・登場人物の行動や気持ちと場面の状況とを結び付けながら読み取り自分の感想をまとめる。
↓
「ごんぎつね」 ・生き生きとした表現を通して、登場人物の様子や気持ちを思い描く。
↓
5年「さよならの学校」 ・主人公の気持ちの移り変わりを場面の変化とともに読み味わい作品の主題について考える。
V 目 標
○自らの読みのめあてを持ちながら主体的に作品を読み進め、自分の考えをまとめ、発表することができる。
○場面の様子や人物の人柄、物語全体の雰囲気が表れるように工夫して音読することができる。
○場面の様子や人物の気持ちを、的確に、想像豊かに読み取ることができる。
○場面の様子や人物の気持ちを的確に表している言葉、効果的な表現などに気付くことができる。
W 評価基準・指導計画 省略
X 本時の学習
1 ねらい 登場人物の様子の違いを読み取るとともに、女の子との会話から、女の子の正体に気付いていない松井さん の姿を想像する。
2 準備・資料 課題のカード、会話文のカード
3 展 開
| 学習活動 |
時間 |
学習への支援 |
評価項目 |
| ・本時の学習課題を知る。 ・課題に対して予想をだす。
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10
分 |
・課題のカードを示して確かめさせる。
・課題に対し予想を持たせ、見通しを持ちながら取り組ませる。 |
・課題を発表できたか。
・予想を立てられたか。 |
・課題に対しての予想を追求し、読み深める。
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30
分
|
・会話や行動を表す言葉を手がかりに人物の様子や気持ちを読み取らせる。
「登場人物の様子や気持ちがわかる文や言葉を見つけ、線を引きましょう。」
・二人で分担読みさせ、対応の様子をつかませる。
・話し合いをして人物の様子をつかんでいくようにする。
・男の子とお母さんの様子を想像させ、蝶が大事な獲物であることをつかませる。
・女の子の様子から女の子の正体を想像させ、蝶であることをつかませる。 ・松井さんの様子から、女の子の正体に気付かず、お客として扱っていることおさえる。 |
・手がかりの言葉に線を引けたか。
・人物の様子や会話が表れるように音読できたか。
・自分の考えを発表できたか。
・元気な男の子を想像できたか。
・手がかりの言葉から蝶を想像できたか。
・礼儀正しい松井んを想像できたか。
|
| ・課題解決する。どんな読み方をしたかまとめる。 |
5
分
|
・予想に戻り、問題の解決方法を振り返らせる。 |
・読み方がわかったか
。
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