ロシア編連作「ふたりの戦場」覚え書き
◆第一回「再会 -紅の少女-」
基地周辺に出現した月匣に急行した「メイガスブレード」のウィザード達は、自我を獲得し見捨てられた自動兵とBKを駆る
少女が侵魔に襲われている光景を目撃する。
彼女の名はヒルダ。特定の組織に所属はしておらず、自身が被検体にされていた研究所(?)から脱走してきたという。
変態もとい侵魔を撃退したものの、紅いBKはこれまでの酷使が祟り擱座。その衝撃で少女は気絶してしまった。
BKを搬送する為のトレーラーに便乗してきたレイジは、彼女の事を知っているようなのだが・・・?
・インターミッション中に判明した情報
念の為現地でヒルダに埋め込まれている「ウィザーズ・ブレイン」をオフラインにし、GPSを無力化した上で搬送。
BKインナーは着用時間が限界に近かった為、服を着替えさせた際にバイオセンサーの大半が機能停止していることが判明。
紅いBKは右足部分の関節が金属疲労で完全に断裂しており、右足部分をそっくり交換しない限り稼働は難しいとの事。
各部分の装甲にもかなり傷やへこみが目立ち、相当酷使されていた事はジャッジするまでもなく気付く。
「アガートラム・システム」以外の箒オプションは搭載されていないが、自動兵がパイロットとして搭乗出来るよう操縦席の片方が
改修されている事から、ウィザードと自動兵をBKパイロットとして運用するための実験機体であった可能性が高い。
廃棄戦闘兵達は各パーツやボディの損壊が著しくこれ以上の戦闘には耐えられそうにないが、脳殻を機械タイプの人造人間の
ボディに移植する事は可能である事が判明。
◆第二回「過去 -地図から消えた国-」
中央基地近郊の町に仮設拠点を設置、そこでヒルダと廃棄自動兵達を保護する事に。
ヒルダの承認を得た上で精密検査を行った結果、彼女はクローンウィザードでありながら、クローン元である本人の意識が
乗り移って活動している非常に希有なケースである事が判明。
その後、ヒルダとレイジから彼らがかつて所属していた反政府ゲリラ「姿無き群狼」と、彼らの故郷「アリザニア」に関する話を
聞き出す事に。しかし、本物のヒルダの身体は既にクローンプラントに改造されてしまっているという。
現在抱えている問題を克服する為にも、本人の身体が捕らわれているクローンプラントに関する情報を集める事となった。
◆第三回「戦場 -Триглав-」
クローンプラントの所在について手掛かりを探しつつ任務をこなす中、露軍とル連軍の小競り合いの鎮圧に出撃したウィザード達。
しかし、現地に到着すると所属不明の蒼いBKと、ヒルダが搭乗していたものと同型の紅いBKにより両陣営は既に壊滅していた。
彼らは「研究所」で試験運用されているクローンウィザードであり、耐久稼働実験の被検体としての任務を与えられているという。
引き続きウィザード達と交戦となり、これを撃破。「研究所」の手掛かりを得るべく搭乗者のウィザーズ・ブレインを精査するため
彼らの遺体を基地に持ち帰った際、レイジの言により蒼いBKのパイロットは彼の実父のクローンである事が判明する。
金プラ移行後
◆第1回
前回回収したクローンウィザード2名の「ウィザーズブレイン」内からデータサルベージを試みる。ヒルダのクローンの方は撃破時に
初期化されてしまっていたが、レイジの父らしき人物のクローンの方は初期化が中断されていたおかげで、残されていたデータの回収に
成功する。その内容はこれまでに収集された膨大な戦闘データ、を特定の端末に転送するプログラム、そしてBKWトリグラフの運用
マニュアルであった。
戦闘データの転送ログと、ヒルダが搭乗していたBKの稼働ログを照合すれば「研究所」の所在が明らかになるのでは、という事で
一度、ヒルダのBKを回収に向かう事に。
一方、そのヒルダの様子を確認した後第一基地に帰還したレイジは流石に塞ぎ込んでいたが、そんな折に彼を保護した「公務員」が
基地に来るという知らせが入るのであった。
◆第二回
ヒルダが搭乗していたBKを回収するべく、彼女達が滞在する街に向かったウィザード達であったが、道中で街周辺を監視している
対W装備のドローンを発見。バードストライクを装った式神の一撃によりこれを排除する。
その後BKを修繕・回収し終え、監視を付けるという条件の上で連れ帰る許可を得たヒルダ達を伴い帰還しようとしていた矢先、
天空に紅い月と共に謎のBK部隊の奇襲を受ける。
◆第三回
所属不明のBKゴーストとその取り巻き達を退ける事に成功。しかし、奇襲を察知出来なかったレイジに一体何が起きたのか…?
◆第4回
中央第一基地に帰還する道中、レイジは仲間達にこの先の不安や、役に立てなかった事にショックを受けたなど心情を吐露する。
帰還後、既に到着していた透との対話となる。自動兵達の新しいボディについては日本の企業に発注したものが搬入済みとの事。
◆第5回
透との会話を通じて、レイジ達の故郷がかつて憂世騎士団の温床であった事、そしてその残党がル民連の過激派と結託して何かを
画策しているらしいという情報を得た一行は、これまでに集めてきた各種データから研究所の正確な座標を割り出す事に成功する。
ヒルダの身体については透のツテで本職の死神の協力を得られる事となった。
◆第6回
死神の到着を待つ間研究所についての情報収集を続けた結果、研究所内の大まかな戦力やセキュリティに関する情報を得る。
◆第7回
透の要請により日本から死神こと霊歌が中央第一基地に来訪。彼からもたらされた「アケロンの黒い水」により、ヒルダはこれ以上
身体の崩壊が進まない安定した状態となった。
◆第8回
各種準備を終え、研究所に向けて出発。道中大きなトラブルも無く、BKを駐機させるに適した森の中から研究所のある廃工場周辺を
調査し、潜入に適した警備の手薄な場所を発見する。
関連NPC
レイジ=大神
「メイガスブレード」隊員。ドラゴン小隊所属。コールサイン「ドラゴン3」。
現在は地図から消失した独裁国家「アリザニア」出身。
幼少時に戦禍で両親を失い、反政府ゲリラ組織「姿無き群狼」に拾われ少年兵として育てられた過去を持つ。
ヒルダが死んだと聞かされてから精神的に不安定な状態のまま参加した作戦で日本から人道支援という名目で派遣されていた
国土防衛隊と交戦し、捕縛された後に日系人であると判明。そのまま日本に連れ帰られる事となり、戦場を離れた。
ヒルダ=カルヤライネン(Hilda Karjalainen) ◆
基地近郊に発生した月匣で、変態侵魔に襲われていた少女。
何らかの実験の為に研究所と思しき場所に捕らわれていたが、同じく実験材料として監禁されていた廃棄自動兵達と共に
研究所から脱走し、その後は放浪しながら侵魔を狩って魔石等を得る事で糊口を凌いでいた。
かつてレイジと同じ反政府ゲリラ組織「姿無き群狼」に所属していた過去を持ち、戦災孤児となったレイジを保護したのも彼女。
彼にとっては姉のような存在であった。
実はクローンウィザードなのだが、本人の意識が乗り移って活動している非常に希少なケース。研究所に捕らわれていたのも
そこに起因している模様。しかし既に稼働限界を迎えており、現在保有しているプラーナを使い切った時点で今の肉体は崩壊
してしまう模様。
「本人」は件の政府施設襲撃作戦の折に内通者の仕掛けた罠により政府軍に捕縛され、憂世騎士団に引き渡された末に
クローンプラントに「加工」されてしまっており、既に人間としての原型を留めていないという。
中央第一基地近郊の町に逗留・静養中であったが、監視を付けるという条件付きで中央第一基地に身柄を移送される事に。
廃棄戦闘兵たち
何らかの理由で自我を獲得し、所有者から欠陥品として見捨てられた自動兵。
実験材料にするべくとある研究所に集められていたが、ヒルダと共に脱走した。
碌にメンテナンスも受けられず、度重なる侵魔との戦闘によってかなり機体にガタがきており、能力はカタログスペックより
遥かに低い。また、タイプ毎の固有能力は自我を獲得した際に失われてしまったらしい。固有パーツもBKの修繕に流用する
などしたため、現在は所持していない。
その代わりにジャンク品のディスプレイが実装されており、そこに文章や顔文字を出力する事で簡単なコミュニケーションが
可能となっている。
精神年齢は7歳前後。いずれもヒルダに懐いており、彼女を害しようとすると懸命に抵抗する。
石動 透
政府施設襲撃作戦で捕虜となったレイジの身元引き受け人となり、日本に連れ帰った国土防衛隊隊員。階級は士長。
防衛隊から「ブレイザブリク」へ出向中に諸般の事情で更に中央第一基地に出向していた事があり、一同とは面識有り。
ヒルダが捕らえられているクローンプラントに関する情報収集に協力してくれるとの事。
何らかの用事で中央第一基地を訪れるらしいが・・・?
狗頭 霊歌
透の要請によりヒルダの保護の為に招聘された本職の死神。表向きは民俗学を専攻している大学生らしい。
「"憤怒"(Wrath)」
BKウォーリア「トリグラフ(白兵戦型)」に搭乗していたクローンウィザード。クラスは人狼/闘士。
自身の所有者である「研究所」の技術者達に対する態度は辛辣だが、与えられた任務には忠実であった。
後に、既に故人となっているレイジの実父のクローンである事が判明。
関連用語
「姿無き群狼」
かつて存在していた独裁国家「アリザニア」で活動していた反政府ゲリラ組織。
本来は国際社会から孤立していく一方の強硬政策に反発する学生運動団体であったが、政府軍の対応が過激になるにつれ
武装組織へと変貌していった。そのため、上層部の年齢が他の反政府勢力と比較して非常に若いのが特徴。
戦闘要員の過半数は元戦災孤児の少年兵達で、レイジやヒルダのようなウィザードも少数だが所属していた。
しかし、政府及びその背後にいる憂世騎士団の内通者の暗躍によってウィザードの構成員の大半が捕縛あるいは戦死。
それ以降は内戦が終結するまで政府軍の倉庫襲撃などの小規模な活動を散発的に行うのが精一杯の状態となっていた。
内戦が終結した後、生存していた少年兵達の大多数は新政府軍に投降。戦災孤児支援団体の保護の下で一般的な教育を
受けられるようになったが、その多くは現在も精神的外傷に悩まされている。
当然ながら、戦場から離れて生きる事が出来ない者も少なからず存在しており、PMC等に所属し今日も何処かの戦場で
戦い続けている。
生存していたウィザードの中には終わり無き戦いを求め「影の国」に渡った剛の者もいたようだが、これは余禄。
「アリザニア」
レイジの生まれ故郷。「常冬の国」の異名を取る、東欧有数の厳寒地帯に存在「していた」国。
かつては平和な国であったが、ある時から大統領が国際社会を敵に回すような強硬政策をとり始め、周辺国家から孤立。
経済制裁や反政府勢力との抗争により国土は荒れ、特権階級を除く多くの国民は困窮する事となった。
しかし、ロシア編開始から半年ほど前に当時の大統領が急死。その直後に政府軍の一部による軍事クーデターが勃発。
後継者が決まらないまま政権は瓦解、国土はかつて友好関係にあった隣国「キルギスタン」に吸収され、地図から消滅した。
「研究所」
ヒルダが捕らわれていた研究所。クローンウィザードと自動兵を用いてBKを運用する研究を行っていたようだが・・・?
BKウォーリア「トリグラフ」
「研究所」が深刻化の一途を辿るウィザード戦力不足解消策の一つとして、クローンウィザードと自動兵、更にAIによる
ブルームナイトの運用というコンセプトの下、搭乗席の片方を自動兵が搭乗・操縦出来るよう改修した機体。
トリグラフというのはスラヴ神話に搭乗する三頭の軍神。