存在認識・オィリュトミー入門
レッスン No.22 詩をオィリュトミーする
このオィリュトミーは、14歳以上の方のためのものです。
皿 まどみちお せんねんまんねんより
詩のオィリュトミーでは、詩の一行、一行をそれぞれ一つのフォルムで取っていきます。
「皿」 右へ向かう直線、O上(母音 両手で頭の上に円を造る)、
「とり落としたとき」 左回りの後ろの円、関係(超子音 左手を前に伸ばし、右手を上に伸ばす)、
「皿は 割れた」 斜め右後ろへ向かう直線、Oi(二重母音 左手を頭の上で半円、右手を斜め上に伸ばす)、
「まだ床に とどかないうちに」 斜め左後ろから斜め左前へのターン、U`(二重母音 左手を前に伸ばし、右手を上に伸ばす)、
「わたしの中で」 左へ向かう直線、Oi(二重母音 左手を頭の上で半円、右手を斜め上に伸ばす)、
「私がはっとした瞬間に」 後ろへ向かう直線、D(子音 右手で右肩を中心に右回りの円を描く)。
まず、詩を、声を出して読みます。
つぎに、声を出して詩を読みながら、自由歩行で、足のフォルムを取る練習をします。
つぎに、声を出して詩を読みながら、言語オィリュトミーの練習をします。
さらに、声を出して詩を読みながら、足のフォルムと言語オィリュトミーを合わせます。
右回りの後ろの円は、自分の他者意識の中で起こった他者の意志を現します。
後ろへ向かう直線は、他者の感情が聞こえたことを表します。Oi、U`、は、私に聞こえた、強調された他者の感情を現します。
他者が誤解したのです。(他者と喧嘩したのです。)
すると、他者の怒っている感情や、苦しみや、悲しみや、自分の怒りや、苦しみや、悲しみが、強調されて自分の意識に昇ります。
すると、他者が自分から離れようとしていると思いこんでしまうのです。― 自分の他者意識の中で、自分から離れようとしているという他者の意志を造りだしてしまうのです。
「皿は 床にとどいて」 右回りの円、存(超子音 左手を上から右手を下から指先を合わせる)、「もう一度 割れたとき」 前へ進む直線、
「夕やけのように はにかんだ」 斜め左後ろから斜め右上へのターン、H(子音 両手を臍の下から斜め上まで広げる)、Oi(二重母音 左手を頭の上で半円、右手を斜め上に伸ばす)、
「わたしの中で 割れた皿との」 右回りで後ろへ進む螺旋、U`(二重母音 左手を前に伸ばし、右手を上に伸ばす)、
「「割れ」 の違いを?」 後ろへ向かう直線、L(子音 上、前、下、手前、上と外へ向かう渦巻きを描く)
まず、詩を、声を出して読みます。
つぎに、声を出して詩を読みながら、自由歩行で、足のフォルムを取る練習をします。
つぎに、声を出して詩を読みながら、言語オィリュトミーの練習をします。
さらに、声を出して詩を読みながら、足のフォルムと言語オィリュトミーを合わせます。
「皿は 床にとどいて」の、右回りの円は、いさかいの客観的事実を指します。
「「割れ」 の違いを?」の、後ろへ向かう直線は、他者に現実に起こった感情を現します。Oi、H、U`、は、他者の心の中で起こっている、さまざまな感情と、他者の意識の中に起こる決めつけの思考を表します。
他者の意識の中にもまた、自分と他者の気持ちへの、決めつけの思考が起こっているのです。
「いや」 前へ向かう直線、P(子音 両手を性器の前から頭の上間で引っ張る)、「割れた破片の それぞれが」 斜め左後ろへ向かう直線、F(子音 両手で臍から前を払う)、
「なお割れつづけての いつかの果てに」 右回りで後ろへ進む螺旋、J(子音 右手を右下から左上まで移動させる)、
「はるかに 辿りつくはずの」 左へ向かう直線、O`(二重母音 右手を上から左手をしたから指先を合わせる)、
「ふるさとへ」 右回りの後ろの円、関係(超子音 左手を前に伸ばし、右手を上に伸ばす)、
「はや思いを馳せてしまったのを」 斜め右後ろへ向かう直線、U`(二重母音 左手を前に伸ばし、右手を上に伸ばす)。
まず、詩を、声を出して読みます。
つぎに、声を出して詩を読みながら、自由歩行で、足のフォルムを取る練習をします。
つぎに、声を出して詩を読みながら、言語オィリュトミーの練習をします。
さらに、声を出して詩を読みながら、足のフォルムと言語オィリュトミーを合わせます。
「ふるさとへ」の、右回りの後ろの円は、他者の他者意識の中で起こった自分の意志を現します。
P、F、J、O`、は、自分と他者の生きる現実的世界での、さまざまなトラブルを表します。
U`は、自分の記憶がさまざまなトラブルを現実化してしまうことを表します。
自分が他者との関係をもうお終いだと思い、他者も自分と他者の関係をもうお終いだと思うと、「他者と自分の誤解は現実化し、もう解けなくなってしまう」ことを、詩とオィリュトミーは示しています。
しかし、自分が、 「他者との関係をもうお終いだと思」わないかぎり、他者との関係は維持されるのです。
たとえ、他者が自分を憎しみ続けていたとしても………
主が主の子どもたちとの関係をもうお終いだと思わなかったからこそ、「ハルマゲドン」・地球崩壊は来なかったのです。
最後に、もう一度この詩を最初から最後まで通してオィリュトミーしてみましょう。
1999年9月14日