存在認識・オィリュトミー入門
レッスン No.40 詩をオィリュトミーする
このオィリュトミーは、14歳以上の方のためのものです。
冬の旅 岸田衿子 いそがなくてもいいんだよより
まず、詩を、声を出して読みます。
つぎに、声を出して詩を読みながら、自由歩行で、足のフォルムを取る練習をします。
つぎに、声を出して詩を読みながら、言語オィリュトミーの練習をします。
さらに、声を出して詩を読みながら、足のフォルムと言語オィリュトミーを合わせます。
冬の旅 右へ向かう直線 O`
右手を上から半円、左手を下から半円、指先を合わせる霜柱ふんで 前へ向かう直線 関係
左手は前に伸ばし、右手は上に伸ばすわたしはでかける 斜め右前から斜め左前へのターン O下
両手で下に円を造る山羊の乳は 斜め左後ろへ向かう直線 Oi
左手は頭の上に半円、右手は斜め上に伸ばすまだあたたかいかしら 左回りで前へ向かう螺旋 F
両手で臍の上から外に向かって払う分教場の窓から 斜め左後ろへ向かう直線 存
左手は上から半円、右手は下から半円、指先を合わせるオルガンの音はきこえるかしら 左回りで右へ向かう螺旋 Oi
左手は頭の上に半円、右手は斜め上に伸ばす森へわけいる足あとは 斜め右前へ向かう直線 Oi
左手は頭の上に半円、右手は斜め左下に伸ばすどこで消えてしまったろうか 斜め左前から斜め左後ろへのターン 存
左手は上から半円、右手は下から半円、指先を合わせるローソクをけして 左へ向かう直線 口
右手を後ろ、左手を前にそれぞれ半円を造り、口を挟むわたしはでかける 斜め左後ろから斜め右前へのターン O下
両手で下に円を造る野兎の巣に 斜め右後ろへ向かう直線 U`
左手は前に伸ばし、右手は上に伸ばす野兎はねむっているかしら 右回りの後ろの円 J
右手を斜め右下から斜め左上まで移動させる凩のすぎた空で 前へ向かう直線 H
両手を性器の位置から斜め上まで広げるシリウスはまだもえているかしら 斜め左後ろから斜め右後ろへのターン T
両手で臍の前を下に突き刺す感じあの町の冷えた煙突は 右へ向かう直線 存
左手は上から半円、右手は下から半円、指先を合わせる鐘の音をのみこんだだろうか 左回りの前の円 W
両手を前に伸ばし波を造る斜め左後ろへ向かう直線は、自分の他者の意識構造への判断を現します。
斜め右後ろへ向かう直線は、自分の世間の意識構造への判断を現します。
前へ向かう直線は、自分の他者の苦しみと侘びしさへの聴覚を現します。
右回りの後ろの円は、主の語る話し言葉を現します。
左回りの前の円は、自分の話し言葉を現します。
右へ向かう直線は、自分の思考と序列を現します。O`は、自分の他者を囲い込む触覚を現し、
関係は、自分の他者への歪んだ愛を現し、
O下、存、U`、J右、T、Wは、他者の世間の常識への歪んだあこがれを現し、
F、Oi、Oe、口、、Hは、人類の思考の意識を現します。
1999年10月10日