オィリュトミー・動的フォルム治療入門NO3
1.母音と子音を感じよう
母音
@ A上 自然に立ち、体を少し後ろに倒し、Aの音声を聴きます。
A O中 自然に立ち、体を少し前に倒し、Oの音声を聴きます。
子音
@ G 自然に立ち、両手を交差した形から斜め上にゆっくり開きます。
A T 自然に立ち、へその前の空間を上からトンと指先でたたきます。
2.後ろの空間を感じてみよう
3.左の空間を感じてみよう
4.後ろの右回りを感じてみよう
5.前に左回りの空間、後ろに右回りの空間を感じてみよう 8の字:レムニスカート
@ 自然体で立ち、言葉を聴きながら、自分の正面を変えずに、前に左回りの円、後ろに右回りの円を描きます。8の字を描くことになります。
A このとき、どんな感覚がありますか?
B 両手で音声を付けて、自分の正面を変えずに、前に左回りの円、後ろに右回りの円を描きます。
Tは、へその前の空間を上からトンと指先でたたきます。
E上閉は、両手を斜め上に開いた形から、頭の上で交差させます。
Gは、両手を交差した形から斜め上にゆっくり開きます。
このとき、どんな感覚がありますか?
1.で、母音と子音の違いをよく味わってください。
母音は、自分の感情として内側から響いてきますが、子音は、自分の外の世界を感覚したときに外側から響き、客観的に感じられます。
Gは、自分の外界が開く音(ギーという扉の開く音や、Godという響きをイメージしてみて下さい。)を表しています。
Tは、自分の外界が自分の意識を訪問するときの音(トントントンとドアをノックする音をイメージしてみて下さい)を表しています。
Aは、自分を外界に投げ出したときに響く音です。お母さんやふるさとに抱かれている感情を表しています。
Oは、自分が外界を抱くときに響く音です。自分がお母さんとして子どもや自分の周囲の人々を黙って支えているときの感情を表しています。
2.で、右の空間を体験したときよりも深く懐かしい感じが起こればOKです。
後ろの空間には、他者が響きます。選んだわらべうたのテキストは親が子どもに歌ってあげるもので、特に子どもが親の存在に頼って安心である気持が響くものを選んであります。
「ココハトウチャン」と「オフネハギッチラコ」は、安心して後ろへ動けると思いますが、「ねむれねむれ」では、怖い・恐怖・怯えの感情が聞こえてくる人もいるものと思います。
子どもや周囲の人々に自分の感情を受け入れてもらえなかったという経験がありますと、他者の感情に怯えがおこり、「ねむれねむれ」では、怖い・恐怖・怯えの感情が聞こえてしまいます。何日か時間を置いて何回かオイリュトミーを行いますと、怯えの感情が消えていきますのでトライしてみて下さい。
3.で、しっかりした楽しさを感じられればOKです。
左の空間には、他者の集合(人類)が響いており、左へ動くことによって認識が起きてきます。
4.で、言語を付けることによって、自分の中の怯えの感情がなくなることを体験できればOKです。
前の空間は目で見える物質的な世界を現していますから怖くないのですが、後ろの空間は自分自身の意識を現してきますので、見えないことからおこる怯えや恐怖が起こります。
後ろの空間に言葉が響きますと、意識が整理され秩序が起こりますので、怯えや恐怖がなくなるのです。
5.で、前の空間と後ろの空間の差を感覚してください。
前の空間は楽しく感じられ、後ろの空間は自分の体が締まるように感じられればOKです。
前の空間は外界を現し、後ろの空間は自分の意識を現します。前の空間で左回りであったものは後ろの空間では右回りとなり対応しあいます。
前の空間は「おそと」であり、後ろの空間は「おうち」であるとも言えます。
「おそと」では、お友達や自然との出会いがあり自分の肉体が躍動します。「おうち」では、「おそと」での経験を思い返し整理しまとめ、眠ります。
すると、「経験」が体に記憶され、体が育ち新しい意識が準備されます。
前の空間は楽しく感じられ、後ろの空間は自分の体が締まるように感じられるのは、このような理由があるからです。
2005年9月14日 千葉義行