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木のおもちゃ   no.1

治療教育とおもちゃ

 おもちゃは、手で取り、舌で舐め、耳で聴き、目で遊び、匂いでやすらぐ、ためにあります。

 おもちゃの目的とは、主に触覚を育てることにあるのです。

触覚

 触覚とは、温度(あたたかい、冷たい)、凹凸、固さ(固い、やわらかい)、湿度(湿っている、乾いている)、の4つの感覚からできています。

 触覚は、人間にとって唯一の現実的な感覚です。
 聴覚は,物質波の振動によって起こる、意識の像であり、
視覚は、光の振動によって起こる、意識の像であり、
臭覚は、触覚の中の固さから起こる、意識の像であり、
味覚は、触覚の中の凹凸から起こる、意識の像です。
 このように、触覚だけが、人間と物質を結ぶ唯一の現実的な感覚なのです。

 赤ちゃんは、この世に生まれてくるとき、触覚を頼りに、自分の体を形成します。

 母親の胎内にいるときは、固さと湿度で体を形成します。
 骨や肉や神経や内分泌系や内臓を固さで形成し、
 自分の皮膚だけを乾いていると感じ、自分の体と母親の胎を湿っていると感じています。
 そして、胎内から出ますと、はじめて、自分の皮膚の外側を乾いていると感じ、皮膚の内側を湿っていると感じるようになるのです。

 母親の胎内で体を形成しているときに、自分の皮膚を乾いていると感じられませんと、ダウン症、血友病、色盲といった遺伝子障害や免疫不全症候群が起こります。
 この世に誕生した後に体の外の世界の感覚が始まるのですが、ダウン症や血友病や色盲や免疫不全症候群では、体の外側の感覚と体の内側の感覚が重なったり(色盲)、合一したり(ダウン症、血友病、エイズ)し、ごちゃまぜに意識されてしまう状態(老衰)が起こるのです。
 母親の胎内で体を形成しているときに、自分の皮膚を乾いていると充分に感じられませんと、知恵遅れ・知覚障害が起こったり、アトピーが起こります。
 知覚障害やアトピーでは、体の外側の感覚と体の内側の感覚が失われたり(アレルギー、アトピー)、区別されたり(知覚障害)、といった状態(アルツハイマー)が起こるのです。

 この世に誕生した直後には、湿度、温度、凹凸の順番で触覚が開き始めます。

 まず、これまで皮膚のみが乾いているという感覚であったのが、外界が開け、外界が乾いていると感覚するようになります。
 次に、物質を暖かいと感じ、光を冷たく感じます。
 次に、形を凸で感じ、内容を凹で感じるようになります。

 外界の乾いている感覚に痛みを感じますと、自閉症が起こり、感覚をシャットアウトしようとします。
 外界の乾いている感覚に苦しみを感じますと、他者の感覚を壊そうとし、かむ、けむる、なぐる、怒るの行為障害を起こします。
 光を冷たく感じることに緊張しますと、鬱病がおこります。他者の光・認識を思考であると感じ拒否してしまうようになるからです。
 物質を暖かく感じられませんと、脳性麻痺が起こります。他者の物質・記憶を自分の意志で造りだそうとしてしまうからです。
 形を凸で感じることに緊張しアレルギーを起こしますと、分裂病が起きます。他者に感覚を送り込もうとしてループができるからです。
 形を凹で感じることに緊張しアレルギーを起こしますと、神経症が起きます。他者の感覚を感覚しようとして努力が起きるからです。

触覚の治療とおもちゃ

 外界の乾いている感覚に痛みを感じている場合には、聴覚が荒れ、記憶が感情の一部を閉じます。
 これが、自閉症、LD、SD、の主な原因になります。
 すると、自分や他者の特定の感情が響きますと、自分の意志に緊張が起こり、感情の繰り返しを起こしたり(なぜなのの繰り返し、SD)、感覚の方向性の欠如をおこしたり(高いところや周辺部へのこだわり、中心へのこだわり、順序へのこだわり、LD)、認識において意味で概念をかぶせる老衰をおこしたり、感情の緊張によって意識を破壊したり(自閉症)してしまうのです。

 おもちゃから、自閉症、LD、SD、の治療をするには、聴覚の荒れを慰めるという手段があります。

アウリスシロフォンペンタトニック            シロフォン付き玉の塔            トレインカースロープ

 子どもに、鉄琴をたたかせてみますと、軽く小さく澄んだ音色でたたける子どもと、打棒を押しつけるようにたたく子どもと、殴りつけるようにたたく子どもがいます。
 打棒を押しつけるようにたたく子どもは、脳性麻痺を起こしているのであり、殴りつけるようにたたく子どもは、自閉症、SD、LDをおこしているのです。

 殴りつけるようにたたく子どもの母親は、だいたい、「うちの子どもは、音のでるものが好きで」といいがちなのですが、子どもが苦しみながら音を出していることが聴こえていない場合が多いのです。
 「苦しみながら音を出すということは、音を出すことによってさらに自分を苦しめる、自傷行為を行っているのです。
 この子どもたちは、保母が近づくと逃げてしまい、身をゆだねることがなかなかできません。

 品質の良い鉄琴で、子どもの内面からの音階であるペンタトニックの音階でできており、子どもの発声の周波数にあっているもの、をあたえ、「そっとたたくといい音が出るよ」と繰り返しいい音を響かせていると、聴覚の荒れが慰められて、自閉症、SD、LDの症状が改善されてきます。

 シロフォン付き玉の塔で子どもを遊ばせますと、玉がころがってきてシロフォンの上で「ソファミレド」となったとたんに笑います。
 シロフォン付き玉の塔には、「意外なことが起こりそれがゆかいである」というおもしろさがあるのです。
 この「意外性のおもしろさ」は、現実に対する意志の緊張を解きほぐします。
 これを繰り返しますと、意志の緊張が癒され、聴覚の荒れが慰められてくるのです。

 

 物質を暖かく感じられませんと、視覚が怒り、意志が他者の感覚を強制的に動かそうとし、脳性麻痺や、LD、の症状を起こします。
 すると、自分の意志が起こると、他者の感覚への聴覚が閉じ、自分の認識で現象界を意識しようとしてしまうのです。
 ですから、脳性麻痺として肉体的に麻痺が起こるだけでなく、遠くから他者に命令したり、他者に身を任せられないという現象が起こるのです。

 この子どもたちは、体が固く、保母に対して身をゆだねることがなかなかできません。 また、鉄琴をたたかせてみますと、打棒で押さえつけるために、いい音がでてきません。

 品質の良い鉄琴で、子どもの内面からの音階であるペンタトニックの音階でできており、子どもの発声の周波数にあっているもの、をあたえ、「おててをブラブラしてから、たたくといい音が出るよ」と、筋肉の緊張をほぐしながら、繰り返しいい音を響かせていると、視覚の怒りが慰められて、脳性麻痺、LDの症状が改善されてきます。

 トレインカースロープで子どもを遊ばせていますと、このトレインの落ちるリズムが、子どもの現象界を意識しようとするリズムに一致するために、視覚の緊張が慰められ、癒され、脳性麻痺、LD、の症状が改善してくるのです。

 この場合、ベック社の標準のトレインカースロープのリズムが一番効果があります。 今、大きくてゆったりと玉が落ちてくるものが多く出回っていますが、これらのものを使いますと、自我意識が強くなり過ぎ、脳性麻痺の状態は昂進してしまいます。

 

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