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絵画療法における絵を描く姿勢の指導法

 床や畳に正座してから、四つ這いになって描きます。
 こうして描きますと、頭と脊椎が自分の描く点に平行して移動します。
 これにより、位置・座標を定めることができ、画用紙の中に、自分の均衡感覚で、自分の秩序感を表現できるようになるのです。

人間における前後、左右、上下の位置の感覚
人間が3次元空間を動いている時には、腸骨で前後及び左右の空間への移動を感覚しています。
そして、胸椎と腰椎が上下の空間への移動を感覚しているのです。
この前後、左右、上下の空間意識が、大脳視覚野で再構成されますと、人間の通常の意識が起こります。

写真のように、床や畳に正座してから、四つ這いになって描きますと、自分の描こうとする対象の、左右の生命の動きと上下の生命の動きを、手と脊椎と腸骨と頭でなぞりながら描くこととなり、人間の体と意識が対象の生命と一致してきます。
対象の前後の生命の動きは、空間や後ろにあるものを先に薄く描き、手前にあるものを後から濃く上から描くことで表現します。

前後、左右、上下の空間意識が、大脳視覚野でうまく組み立てられませんと、意識の基準空間が曖昧になり、概念を重ねたり(同じ概念で違う意味や内容や方向を表してしまう。:たとえば食器を洗う布巾と床を拭く雑巾の区別がつかない)、語彙を失ったり(特定の語彙が自分と関係がないと思う。:たとえば、A先生とは相性がよいがB先生とは相性が悪い。初めて出会うことやものには、怯えたり恐怖を感じたりする。)がおこり、知恵遅れが起こってくるのです。

 

付録

空間意識を確立するための他の方法

体を動かす(踊り)。
上下の空間  たかいたかいをする。おおきくなれ、ちいさくなれ、の遊びをする。
左右の空間  手をつないで右に歩いたり左に歩いたりする。「ひらいたひらいた」や「ゆうびんやさんえっさっさ」など。
前後の空間  手をつないで前に歩いたり後ろに歩いたりする。「はないちもんめ」や「いっぴきちゅう」など。

骨格を直す(整体
腸骨の歪みを直す。(幼児のためのマッサージ参照)

胸椎、腰椎の歪みを直す。(静的フォルム治療入門参照)

2003年9月13日

千葉義行

音楽
林光  ピアノのための48のうたより 追いかけてくる影法師の歌

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