存在認識目次へ戻る

共感と代行

リューマチを治す為に4

行為障害

右の絵の上にカーソルをかざしますと音楽がながれます。

右 支える愛 1996年 クレヨン

1.

N君(年長)を連れてご両親が私の店に立ち寄ったのは8月はじめであった。
「ちばおじさんとあそぼう」をちょうど終えて帰ってきたら、彼らの車が店の前にいたのである。
「よかったね、今店をあけるところだよ」
ご両親とN君と妹のMちゃんは、まあるいテーブルの上のおもちゃで遊び、絵本を何冊か読み聞かせしていた。
N君は壁の棚に並べられている新しいおもちゃに触りたがり、まあるいテーブルに持ってこようとしたがった。
「まあるいテーブルであそぼうね。棚のおもちゃを触ると、おじさんがどこにあるのかわからなくなっちゃうからね。」
何度も声をかけ、両親も注意を払っているのだが、何度もこの行為は繰り返された。
また、新しいおもちゃを持ってこようとするときは、私の方と両親の方を見てから行うのである。
私は、N君とMちゃんに私がつくったつながりフェルトをおみやげにあげようとした。
すると、Mちゃんはにやにやとしてうけとったが、N君は「いらない!!」と即座に言って別な遊びを始めた。

その日は私は忙しく、N君の両親はそのまま帰っていったのだが、翌日母親から電話がかかってきた。
「昨日はどうもありがとうございました。
兄の方の様子はどうでしたでしょうか。 」
「そうか……(あなたは)おかしいと感じていたんだ。おいしゃさんからなにかいわれたのかい?」
「おみとおしなんだろうと思ってたものですから……」
医者の診断では前頭葉に緊張があり、小脳に変形が見られたという。母親はN君を自閉症だと思っていた。
「脳内微細障害には、前頭葉に起こる鬱病性のADHDと、視床に起こる自閉症・感情障害性のLDと、脳梁におこる癲癇性のものと、小脳・脳梁におこる脳性麻痺性のものがあってね、N君の場合は前頭葉に起こる鬱病性のADHDで自閉症ではないよ。
ADHDであれば就学前に見つかれば100%治すことは可能だね。ただし、親のしっかりした子育てがあればの話だけれどね。」
私は、メールでマッサージの仕方と効果のあるわらべうたと絵本のリストを送った。

9月始めと9月末に私の店で治療が行われた。
9月始めの所見では、
小脳の拝むによる、前頭葉のADHD。
鎖骨、第3肋骨、第4肋骨の変形。 腸骨の未発達。
前頭葉に脳性麻痺がある。 脳梁に弱いてんかんがある。
腸骨の未発達から知覚障害を起こし若干の知恵遅れがみられる。
脳梁の非ずによる論理で小脳の意識が前頭葉に逆に伝えられることがある。
と書いてある。
私は妹のMちゃんに焦点を当てて「にわとりのおかあさん」と「さんびきのくま」のパネルシアターをした。
すると、はじめちらっちらっとパネルをのぞいたいたN君は、「さんびきのくま」のときにはお父さんのひざに乗って集中してお話を聞けるようになっていた。
そのあと、N君をあそばせながら肩や背中を触り、だんだん私が触っていても気にしなくなったので、最後は私のひざに抱っこしてフォルム治療を行った。

9月末にはお父さんと一緒に二人だけで来店した。
今回は丸いテーブルの上の汽車のセットで集中して風景を造っていた。
「ずいぶん長く一つの遊びをしているじゃないですか。」
「おかげさまで少しは待てるようになったようです。幼稚園の先生にも少し落ち着いてきたといわれたようで ……」
N君はホームをがっちりとトンネルで覆い、さらにトンネルを延ばしていった。(トンネルへのこだわりがあるのか、それともトンネルのくらやみへのこだわりがあるのか?)
この回も私は、N君をあそばせながらゆっくり肩や背中を触り、私が触っていても気にしなくなったので、最後は私のひざに抱っこしてフォルム治療を行った。

10月中旬に千葉に行く機会があったので、帰りに東京のN君の家庭に伺った。
私はパン屋さんにより、調理パンをお土産に持っていった。
N君Mちゃんお母さんと私でパンを分けた。
N君はソーセージパンを食べた。Mちゃんはあんぱんを開いてみたがいらないという。
N君はそのアンパンの半分をもらって食べ始めたが、あんこを指につけるとにたりとし、タッタッと歩いていったかと思うと、押入れのうえの敷居に塗りつけた。
「N君そんなことをしちゃあいけないよ」
私はあんをふき取った。
母親は彼をいすに戻したが、N君は、何度もにたりとしあんを写真立てに塗りつけたり、タペストリに塗りつけたり、繰り返すのだった。

パンを食べ終わると、こどもたちは押入れに上り、押入れの布団を下ろし始めた。
「こどもたちのしたいようにさせておこうよ。」
「毎日こんな状態で……」
「大変だね……。あなたは子どもに怒りをぶつけていないからえらいよ。
この状態でこどもたちをしかっても効果はないからね。」
私はこどもたちを押入れと布団であそばせたまま、母親の右足の人差し指と脊椎と肋骨の治療を行った。
「腕を横に引っ張ってもらったときに人差し指の付け根が急に楽になりました。」
「そうだね、足指の関節にはその人の鬱病の歴史がリューマチとなって蓄積していてね、それが肉体的にはリューマチを起こしたり、外反母趾やむくみをおこすんだけれども、精神的には、手から入る思考意識で胸椎と肋骨肩甲骨鎖骨の意識を作り出し、大脳の意識を占拠するんだな。
リューマチは肉体的には大人の病気に思われるけれど、子どもたちの心の状態をよく観察していると、赤ちゃんのときから心のリューマチは起こっているんだよ。
怯えが激しく夜泣きするとか、いこじにおもえるとか、命令しているように思えるとか、……
今日のN君を見ていても、あんを塗りつけても彼の本体は決して喜んではいないのが良く分かるよね。いたずらの前に必ずにたりとするんだけれども気味の悪い笑みだ。彼が本当にうれしいときはもっと晴れやから笑みになるよね。
Mちゃんのテンションが高いときも何かを誰かに押し付けているように見えるよね。
これも本物のMちゃんではない。」
N君は、「ここはきたないおへやです。」といって、いすや家具類をその部屋に持ってきて散らかした。
私と母親は彼のするままにさせておいた。

Mちゃんが布団の上で遊び始めた。
「これはおふねでーす。」
「そう……、 おふねはぎっちらこ、おふねはぎっちらこ」
「エンジンをいれまーす。そこのボタンをおして」「はい、はい」
「ここはおみせやさんでーす」
「なんのおみせやさんですか?らいすかれーはたべれますか?」
「くまのおにんぎょうとうさぎのおにんぎょうをうっています」
「では、くまのおにんぎょうをください、かわいいね」
Mちゃんは、レジスターの形をてでなぞり金額を打ち込み、おつりを私にくれた。
「ありがとうございました」私は丁寧に挨拶をした。

私は母親に話した。
「お人形はちゃんと人格を持たせて扱わないとね。
だから、僕らがこどもたちの相手をするときには、お人形もその他のすべてのおもちゃも人格をもたせて大切に扱うんだ。
お人形をたくさん持っているから、お人形が好きだから、そのこがお人形に人格を持たせて大切に扱っているとは限らないことは分かるね。
お人形を物として扱っているということは、出会っている他のこどもたちも大人も、物として扱っていることを現している。現象としては、 出会っている他のこどもたちや大人たちの意識や体に命令しているように見えるね。
前頭葉性のADHDの因子を持つ子にはよく見られる現象なんだよ。
Mちゃんに命令されている状態はお母さんは大変だよね。
Nくんにしても、Mちゃんにしても、こどもたちの遊びに僕らが乗っていくことが大切だな。
こどもたちを尊敬しているとね、そのこの本当の喜びが分かる。本当に喜んでいるときの遊びに乗っかると遊びが広がるんだ。
親が根気強くこれを行うほかないね。
僕は、整体で子どもや大人の基本的なゆがみを速いスピードで治してあげることはできるけど、日常の手当てと、子どもたちの意識を育てる仕事は家庭で心をこめて行われないとね。
そのためには、絵本とわらべうたと絵画が重要になってくるんだ。 」

お布団が散らかっているお部屋で夕食を一緒にいただき、N君の音階によるリューマチの治療を行い、郡山への帰路についた。

2.リューマチ性の行為障害

行為障害とは、特定の行為を体の部位の意識が繰り返す障害を意味している。

前生までの鬱病の悪(〜が在って欲しいと思う気持ち)が、足指に蓄積されると、各足指の悪が手骨の思考意識で胸椎を形成し、胸椎の指令で大脳の思考意識が頚椎または腰椎を形成し、 頚椎または腰椎に行為障害が起こる。すると、長音階とペンタトンに歪みが起こり、他者の感情への誤解が起こる。

治療法は、胸椎、腰椎、仙骨、股関節・腸骨、頚椎、肋骨、頭骨、のフォルム治療の後に、
各足指の関節を曲がりやすい方向に少し圧力をかけ、肋骨のフォルム治療を行う。

寂しさの行為 第1頚椎 長音階・ ファ たたく、ひっかく、押し付ける
わびしさの行為 第2頚椎 長音階・ ミ かむ、髪の毛を引っ張る、つめを噛む M.S
絶望の行為 第3頚椎 長音階・ レ 自傷行為、自分を傷つける N.S.B
怒りの行為 第4頚椎 長音階・ド 人の嫌がることをする、生物を殺す N.S.B
苦しみの行為 第5頚椎 長音階・シ ける N.S.B
悲しみの行為 第6頚椎 長音階・ラ 怒る S.B
恐怖の行為 第7頚椎 長音階・ソ なぐる、髪の毛を引っ張る、
共感の行為 第1腰椎 ペンタトン・レ 思考を繰り返す M.N.S.B
諦めの行為 第2腰椎 ペンタトン・シ どうせ〜なんだから、なげやり  
自閉症の行為 第3腰椎 ペンタトン・ラ 社会から閉じこもる、自殺、孤高
憂いの行為 第4腰椎 ペンタトン・ソ 防御と攻撃
痛風の行為 第5腰椎 ペンタトン・ミ 他者や自分の思考した倫理を社会に行為させようとする N.S.B

S  さかきばらせいと事件の少年
B  バスジャック事件の少年

音楽

バッハ 平均化率クラヴィア曲集U
フーガ9ホ長調

2001年10月20日

千葉義行

ページ先頭へ戻る