名古屋港の化石


 1970年代に名古屋港の海底を浚渫した土砂による埋め立て工事が盛んに行われた。その浚渫土の中に化石が大量に発見されている。この浚渫土は、完新統南陽層にに由来すると考えられ、約6,000〜5,500年前の縄文海進があった時代の堆積物と推定されている。
 産出した化石は、カニを中心にした甲殻類、貝類、ウニ、魚類、植物などである。特に甲殻類は豊富で57種が確認されている。(梅基、柄沢 1998)
 また、化石はノジュール中に含まれることから、比較的早期にノジュールが形成されたことを示している。これは化石化のメカニズムを探る(タフォノミー)上で、大変貴重な資料だと言える。

参考文献:
東海化石研究会(1977)、愛知県の化石 第一集 −名古屋港の浚渫造成地帯より採取された動物群−。東海化石研究会
梅基昌之・柄沢宏明(1998)、愛知県の完新統南陽層産十脚甲殻類化石。化石の友、No45,10-19.東海化石研究会



甲殻類

149 718 721 720 723
719


棘皮動物

146



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