善師野の化石


  犬山市善師野付近は、新生代新第三紀中新世前期(約1900万年前)の地層、可児層群中村累層が分布している。この地層からは、日吉植物群(TANAI 1961)と呼ばれる冷温下に生息した植物化石が豊富に産出し、秋田県阿仁合炭田から産出した化石植物群、阿仁合型植物群(TANAI 1961)と対比されている。
 主な産出化石は、ハンノキ、ハルニレ、ウリノキ、カエデなどの落葉広葉樹などの他に、ハス、サンショウモなどの水生植物も見つかっている。
 善師野では、メタセコイアが多産し、何層かの密集層が確認されている。又、礫を含む凝灰質砂岩からは珪化が進んだ珪化木が大量に見つかっている。
 なお、善師野付近の化石産地は、住宅地造成のため産地のほとんどが失われた。わずかに残っている熊野神社裏の露頭は、保護のため採集が禁止されているということである。


珪化木

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植物

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