福井県大野市の東方に位置する旧和泉村地区には、上穴馬層群というシルル系〜デボン系の地層が点在している。このうち上伊勢付近は下部デボン系の地層が分布し、石灰岩からサンゴ、層孔虫、腕足類、三葉虫などが産出している。
ここの石灰岩は灰色〜黒色で、ハンマーで叩くと油くさい臭いがする。これは有機物が非常に多く含まれていることを意味する。また、サンゴや腕足類の殻などは欠けたものが少なく、ハチノスサンゴ類には非常に大きな群体を形成しているものがあることなどから、上伊勢の石灰岩は礁湖的な静水環境のもとで形成されたと考えられている。
※現在大野市での化石採集には、大野市教育委員会の許可が必要となっている。
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