掛川層群は鮮新世中期から後期に堆積した地層で、東は榛原郡榛原町・相良町西部から西の磐田郡豊岡町南部に渡る、東西35Km、南北最大幅20Kmの広い範囲に分布する。このうち、掛川市付近には標準的な地層が見られ、下位より、大日砂層、天王砂層、細谷層、南郷層、土方層に区分されている。
化石は、大日砂層と天王砂層に多く、これらの貝化石の組成を調べると、約50%が現世種で、絶滅種のうち半数が現世種にきわめて近い祖先型となっている。また、現在の熱帯に生息する貝類に近縁な貝類が混ざることから、鮮新世当時から黒潮の影響が強かったことを示し、また現在よりも海水温が高かったと考えられている。
この地域は、地層が連続的に見られるため、キサゴの類では、スウチキサゴ(Suchium suchiense)、サブスウチキサゴ(S. subsuchiense)、ナガヌマキサゴ(S. naganumanum)を経て、現在のダンベイキサゴ(S. giganteum)へと進化する様子が観察できる。
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