谷下の化石


 浜名湖北部の山地には、秩父帯の中・古生層が分布し、その中には石灰岩の小岩体が挟まれている。この石灰岩には洞窟や裂か(裂け目)が発達しており、そこを埋めた堆積物から多くの第四紀の脊椎動物が見つかっている。特に谷下の石灰岩採石場からは、ワニ、シカ、カワウソ、クマなど豊富な脊椎動物化石が見つかったことで有名である。ここの堆積物の年代は、ワニが見つかっていることなどから、現在より温暖な気候であったと推測されるため、三方原台地に分布する佐浜泥層と同じ、ミンデル−リス間氷期(約30〜40万年前)と考えられている。また、サワガニや魚骨(コイ科)の密集層などが見られることから、谷下の堆積物の一部は淡水域に堆積したものであると考えられる。
 また、三ヶ日町只木からは多くの獣骨化石と共に、更新世人類化石(三ヶ日人)も見つかっている。

哺乳類

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