絣図案調整
織物設計
原料絹糸
緯 糸
経 糸
地 糸
糊 付 け
地 糸
糊 付 け
こうしてできる
本場奄美大島紬
本場奄美大島紬は、気の遠くなるような数々の
工程を経て、出来上がるまで半年から一年以上
かかります。
人々は自然の恵みを受けながら、わが子をいと
おしむように大島紬を育んできたのです。
世界に類をみない絣織りの至宝と神秘的な染織の美学
絣糸の整形
地経糸の整形
糊張後の糸
絣締め加工糸
地糸の糸繰り
図案 大島紬の図案はすべて、種別、糸の密度などに合わせ、織物設計をした上で方眼紙の上に描かれています。大島紬はまずこの図案製作からはじめられます。
織り 大島紬は高機を用い、すべて手織りです。およそ7センチほど織っては、縦糸をゆるめ1本1本たんねんに針で絣を合わせます。針を操る指先が手品師のように動き、不鮮明だった模様がみるみるくっきり浮き出してきます。
検査 織り上げられた大島紬は、すべて本場奄美大島紬協同組合の検査場に持ち込まれます。ここではこの道数十年のベテラン検査員が長さ・織り幅・絣不揃い・色むら・織り癖・量目不足など、20項目に及ぶ厳重なチェックを行い、合否を決定しています。合格品には1反ごとに地球印の商標と品質表示表を貼り、本場奄美大島紬であることを証明しています。
泥染め
テーチ木染め 大島紬の生命とも言うべき泥染めにはその前提としてテーチ木染が必要です。まずテーチ木(和名・車輪梅)の幹と根を小さく割り、大きな釜で約14時間煮じ、その汁でおよそ数十回も繰り返して染めるうちテーチ木のタンニン酸によって、糸は次第に赤褐色に変わっていきます。
泥染め テーチ木の液汁で20回ほど繰り返して染められて地糸や絣むしろは、泥田で3-4回泥染を行うことにより、テーチ木のタンニン酸と泥の鉄分とが化合して、糸はやわらかくこなされ、決して科学染料では合成し得ない独特な渋い黒の色調に染め上がるのです。
テーチ木染め
糊貼り 「締め機」で絣をくくるためには、必要な本数を揃え糊で固めておかなければなりません。絣は縦糸も横糸も反数によって糸の本数を揃えイギス・フノリなどをつけ、日光で十分乾燥させます。製品つくりのための最初の大切な工程です。
準備加工 一口に「加工」と言われる工程は、締めや染色を除く、機織のための準備工程を言い、細分化すると28工程にものぼる作業工程があります。主なものは、整形・糸繰り・糊付け・糊張・部分脱色・刷り込み染色・絣むしろほどき・綾ひろい(柄合わせ)等です。
締め機 大島紬の特徴は、精巧な絣の美にあるが、その秘密はこの締め織り技術にあると言ってよい。他の産地が、糸くくりや、板締めを用いているのに対して、奄美ではこの締め機を用いています。縦糸の綿糸で、図案に合わせながら絹糸を強く締めないと、きれいな絣は出来ない。だから締め機は男の仕事なのです。