◆ Making Report ◆

CLAIRE & the tree "BORZOI"
of "BREAK-AGE"
【2】アナログ彩色

漫画のイラストはいつもコピックで着色しています。淡色→濃色へと重ねていく基本はどんな画材でも変わりません。
着色前に光がどの方向から当たっているかを決めますが、ここでは背景に合わせ、光源を画面右上に設定。

1. 肌を塗ります

まずは人物の基本となる肌の色から。
ハイライトの白を残しながら、いちばん淡い色を塗ります。ここで使用したのはR00。

2. 陰影を入れます

段階的に濃い色を入れ、立体感や陰影を出します。
コピックは濃い色を淡い色のペン先でぼかすこともできます。

使用したのは
R00
R11
R20

クレアちゃんは色白なのでR系を使いますが、他の男の子キャラにはE系を使っています。

3. 髪を塗ります

クレアちゃんのウィッグはロゼワイン色が定番。
筆先のハネを生かしてハイライトを出しながら、赤紫系の淡い色(V12)を塗ります。

4. 髪の陰影を入れます

さらに濃い赤紫で陰影を入れ、塗り残したハイライトを強調します。

5. 目を塗ります

まず明るいグレーなど(ここではC1)で白目の上下に陰影を入れてから、瞳の色を塗ります。淡い色から順番に。

6. 瞳の細部を塗る

瞳の虹彩は、光源に近い方(ここでは右上)を暗く、メインハイライトの対極(ここでは左下)を明るく塗ると、角膜の透明感が出るようです。

オレンジ系の赤毛に映える緑の目は、赤紫とも相性よし。
ついでにイヤリングも同じ色で。

7. ストッキングを塗ります

次に衣装ですが、一番淡い色のものから塗ってます。まずは真っ白なストッキングから。

真っ白い布の陰影には、いつもC系かBV系を使っています。
今回はドレスにC系を使うので、素材の違いを出すためにBV31で影を入れ、漂白したような白さを出しました。更に濃い影はBV20, BV23で。

8. ドレスを塗ります

ドレスはエナメルっぽい銀色にしよう。
ということで、
まずは明るいグレー(C1)でハイライトを大きく残しながら、影になる部分を大まかに塗ります。
C2, C3で身体や布ひだの奥行きを出し、立体感をつけますが、この段階では銀色の光沢感は出ていません。

9. ドレスの光沢を出します

ハイライトとシャドウの境界線に、少し濃いグレー(C4, C5)で線をスッと引きますと、あらふしぎ。ドレスがつるりぬるりと光った感じに見えてきました。見えてきたったら見えてきたのです。

10. メイクする

衣装を付けたらメイク。
目の回りにRV系ピンクをぼかし、ルージュを引きます。
今回のメイクは、いつも女の子たちに施している程度の濃さにしました。

11. 黒を入れる

モチーフや面積に関わらず、黒は一番さいごに入れています。

主線のセピアに合わせて、チャコールっぽく見えるW系の濃色を使いました。トリミングレースも部分的に塗りつぶして黒さを出しています。

アナログ原稿できあがり

アナログでの着色が終わりました。
色のはみ出しなどはデジタルで修正しますので、このまま手を入れずにおきます。

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