2004年 仕様


残念ながら、2004年の車両の写真は1枚もない…。
ハンチングする、ストールする、かつトルクのないエンジンをどうにかするためだけに、必死になっていた時期だった。

原因は、スロットルポジションセンサーの位置とバルブタイミングのズレによるものだったが、TOOLBOXのコンプリートエンジンということもあり、そんな部分は疑ってはいなかった。
クルマを停止させる際、クラッチを切り、ブレーキを踏むとエンジンがストールする…。
何度、ショップに出してもなおることはなかった。
今にして思えば、当時、92腰下に86ヘッドに対して、1mmのガスケットによる軽いハイコンプ、264-264のカムを導入したエンジンは、ショップにとって初めてだったように思う。
自分自身、エンジンに対する知識は、ほとんど皆無に近かったものだから、完全にノーマルコンピュータを疑っていた。
だが、1時間程かりた、TOOLBOXの当時4万円程したコンピュータでも、症状は改善されなかった。

それでも、すべてが悪い方向に向かったワケではなかった。
エンジン制御について、自分で勉強したし、ECUセッティングについての知識が身についた。
あのエンジンが、スムーズに問題ないエンジンだったとしたら、後の方向には向かわなかったし、いろいろな間違いに気が付くこともなかったと思う。
そういう意味においては、少なからず良い面もあったといえるだろう。(高い授業料ではあったが…)


自然と集まってくるノーマルのECU(エンジン・コントロール・ユニット)
基本的には、この中のICのハンダを溶かし、ゲタをはかせて、チューニングROMをセットする。または、追加基盤をセットし、データ部分のROMをセットする。
ただし、この時代のワンチップマイコンタイプのICは、もう秋葉原に行っても入手できない。
要するにもう時代遅れの古いチップを使用しているのだ。
勘違いしてはならないのは、「ハードの面が、それだけ進化した」と、いうことで、データにあたるソフトウェア部分が古いというワケではない。
だから、追加基盤をセットし、データ部分だけ変更するようなチューンでも、ノーマルベースであれば、十分対応できる。
要は、データが優れていれば、それなりのパフォーマンスを発揮できるのだ。
テクトム社製の追加基盤をセットした、ノーマルのECU。
点火マップや燃調マップといったデータ部分だけを置き換えることができる。
ノーマルECUをバカにする人が多いが、メーカー(TOYOTA)が作るそれは、人の命を乗せて走る重要性をしっかりと認識されてつくられている。
途中でバグって止まることは、許されない。度重なるテストに膨大な時間を割いて、世に送り出されたECUなのだ。
ダイアグは使用できるし、エンジンとデータのマッチングによっては、しっかりと性能を発揮できる。
一番安心して乗れる仕様に収めることができる。


追加基盤タイプにセットされるROM。
まずは、燃調マップから手をいれた。
何パターンものデータをつくり、ROMに焼き込む。実走して、試す。
ダメなら、ROMイレーサー(紫外線を当ててデータを消去する装置)で、ROMのデータを消去し、他のデータで試す。
ROMイレーサーでのデータ削除にも、数時間の時間を要する。そのため、自然とROMの個数が増えてくる。ダメなら止められるところでクルマを止め、ROM交換して実走。
嫌になるくらい、TRY&ERRORを繰り返した。
ROMライター。(アドバンテスト社製 R4944A)
10万近くする専用装置だが、当時、インターネットニュースで、非常に安価にて譲ってもらった逸品。
売ってくれた人は、何にどう使えばよいのか、わからなかったようだった。

256byteのEPROMにデータを焼き込む程度であれば、秋葉原にある秋月電子商会でも、自作キットが売られている。
組み立ては簡単だが、実際にキチンと動作させるとなると、それなりの電子工作技術が必要。
付け焼き刃では、必ず失敗する。
ROMアクセスモニター。(GRED社製)
ROMデータのどこを参照しているか調べるハードウェア。
例えば、レブリミット回転数を保持しているアドレスがどこにあるのか調べる時などに使用する。
ROMアドレスチェンジャー。アクセスするアドレスをスイッチによって変更することにより、ROMを効率よく利用する。

追加基盤で、データ部分をROMに書き込んだとしても、256byteの全領域を使用するわけではない。
通常、複数のデータを試したり、街乗り用データとサーキット用データという風に分けたりする場合、ROMチェンジャーを使う場合が多い。
この、ROMチェンジャーの場合は、当然、複数のROMが必要になる。
だが、アドレスを切り替えられることができれば、1つのROMの中に複数のデータを保持し、必要に応じて変更することが可能となる。
燃調マップ、点火マップ、レブリミットのアドレスや値がわかっても、どうセッティングして良いのかわからない。
いろいろと試してみたが、カブってしまったり、なかなか上手くいかない。
コンピュータセッティングのノウハウは、それなりに奥深いものがある。
試しに、参考にしようと、G-ZONEのテクトム追加基盤タイプを購入してみた。
他にも追加基盤タイプのECUをヤフオクなどで、落札しデータを覗いてみてはいたが、点火マップはそのままで、燃調マップの極々一部のみを変更しているものばかりだった。
あまり参考にはならないし、改善もされないため、実際にユーザの立場となって、相談にのってもらうことにした。
ここのコンピュータは、点火マップから燃調にわたり、しっかりとチューニングされていた。
4000回転から、レブに設定した8500回転までの吹け上がりは、その後、導入したフリーダムコンピュータのつるしのデータよりはるかに優れていた。



仕様表

ボディ 年式 S61年 スプリンタートレノ GT-APEX 3Drハッチバック
スポーツパッケージ仕様
ロールバー キャロッセ7点式
フロントタワーバー CUSCO フロント用オーバルシャフトタイプ
エンジン&制御系 エンジン TOOLBOX コンプリートエンジン(東名エンジニアリング加工)
 ・AE92腰下 86ヘッド
 ・ヘッドポート研磨
 ・コンロッドフルフロー加工
 ・重量合わせ
 ・AE92 0.5mmオーバーサイズピストン
 ・クランク ダイナミックバランス
 ・フライホイール ダイナミックバランス
カム IN : 264
 戸田レーシングハイカム
EX : 264
 戸田レーシングハイカム
プラグコード ULTRA シリコンパワープラグコード
ECU ・CUSCO MFEコンピュータ
・テクトム社製 追加基盤タイプ 自作データ仕様
・G-ZONEコンピュータ
冷却系 ラジエター KOYO製 真鍮2層ラジエター
ラジエターホース シリコン製ラジエターホース
ファン 電動ファン
オイルクーラー アールズ製 13段コア
トラスト製 オイルエレメント移動キット
駆動系 ミッション ノーマル
デフ TRD 2way 機械式
吸気系 スロットル ・ワンスロットル(ノーマル)
・ARCエアーインテークチャンバー
・ARCエアーinダクションボックス
排気系 タコ足 フジツボ レガリスEX
マフラー TOOLBOX オリジナル 60φデフ上ステンマフラー(オーバルタイプ)
足まわり サスペンションキット F:TOOLBOXオリジナル車高調
  バネレート 8.0k
  クスコピロアッパー
R:TRDショート 8段オイルダンパー
  バネレート 3.5k
スタビライザー F:TRD
R:TRD
ホイール F:work 名称失念 6J-14 OFFSET ±0
カラー:ホワイト
F:work 名称失念 6J-14 OFFSET ±0
カラー:ホワイト
タイヤ F:YOKOHAMA M7R 185-60/R14
R:YOKOHAMA M7R 185-60/R14
ブレーキ系 ローター F:ロッキード製 ノーマルタイプローター
R:ロッキード製 ノーマルタイプローター
パッド F:D-SPEED G2ブレーキパッド
R:D-SPEED G2ブレーキパッド
エクステリア ライト レイブリック マルチリフレクター
フロントスポイラー 無し
バンパーステー オートガレージ ロフト アルミバンパーステー
ボンネット フットステップ製 カーボンボンネット(キャッチ付き)
リアスポイラー 無し
インテリア ステアリング ATC スプリント35φ
シフト C's クイックシフト
油温計 Greddy 汎用温度計
油圧計 Greddy 油圧計
水温計 Greddy 汎用温度計
シート 運転席:BRID BRIX
助手席:ノーマル
リアトレイ カロッツェリア オーディオボード
その他 ステアリング機構 GT-APEX標準 パワーステアリング
エアコン フルオートエアコン



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