知って得する税知識

◎パートW


平成15年度税制改正について)
◎項目をクリックしてください。
<@ 法 人 税>
◎研究費の総額の一定割合を控除
◎設備投資減税
 ・IT関連設備等(ソフトウェアを含む)の取得をした場合
 ・研究開発用設備、投資について
◎中小企業・ベンチャー企業支援
 ・同族会社の留保金課税について
 ・交際費課税についいて
 ・少額の減価償却資産について
 ・エンジェル税制について
<A 相続税・贈与税>
◎税率の引下げ
◎相続時精算課税制度が創設
 ・【チェッククポイント】この制度の注意点、間違いやすい点
◎住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例
◎住宅ローン控除の再適用
◎自社株特例と小規模宅地特例の併用
◎相続税の2割加算対象者の追加
<B 消 費 税>
◎免税点制度
◎簡易課税制度
◎申告納付回数
◎総額表示の義務付け
C 個人所得税
◎配偶者特別控除制度の廃止
D 土地税制
E 証券税制
F 酒・たばこ増税
G 自動車のグリーン化税制の見直し

<@ 法 人 税>

◎研究費の総額の一定割合を控除できるようになりました。
大企業 研究費の総額の8〜10%と3年間は2%上乗せ
中小企業と産学官の共同研究 研究費の総額の一律12%と3年間は3%上乗せ

平成15年1月1日以降開始する事業年度から適用
◎設備投資減税
IT関連設備等(ソフトウェアを含む)の取得をした場合 50%の特別償却または10%の税額控除制度を選択適用できる制度を創設
研究開発用設備、投資について 50%の特別償却制度を創設

平成15年1月1日から平成18年3月31日までに取得したものに適用されます。

◎中小企業・ベンチャー企業支援
・中小企業では、先に述べた研究開発税の上乗せに加えて自己資本比率が、50%以下の中小法人の同族会社留保金課税の適用を3年間停止されました。
・交際費課税については1億円以下の中小法人について400万円までの損金算入割合が90%と緩やかになりました。
・少額の減価償却資産については、30万円未満までの即時損金算入が可能になりました。
・エンジェル税制について
これまでの損失の繰越控除に加えて投資する段階でその投資金額を同じ年の他の株式投資の利益から引くことができる制度が創設されました。

<A 相続税・贈与税>

◎相続税・贈与税の税率の引下げ
・最高税率は70%から50%に引下げられ、税率の刻み数も6段階に簡素化されました。(図表1・2を参照)
改正後の相続税の速算表(図表1)
基礎控除後の課税価額 税 率 控除額
 1,000万円以下の金額 10%
 3,000万円以下  〃 15% 50万円 
 5,000万円以下  〃 20% 200万円 
   1  億円以下  〃 30% 700万円 
   3  億円以下  〃 40% 1,700万円 
   3  億円超   〃 50% 4,700万円 
改正後の贈与税の速算表(図表2)
基礎控除後の課税価額 税 率 控除額
  200万円以下の金額 10%
  300万円以下  〃 15% 10万円 
  400万円以下  〃 20% 25万円 
  600万円以下  〃 30% 65万円 
 1,000万円以下  〃 40% 125万円 
 1,000万円超    〃 50% 225万円 
◎相続時精算課税制度が創設
・1年に1回2,500万円ではなくて、選択してから相続が発生するまでの間にトータルで2,500万円です。
2,500万円を超えたら超えた部分だけ20%の税率がかかってきます。いずれにしても最後は精算されますから、相続財産が相続税の基礎控除以下の方は税負担なしで贈与が可能になるのです。
下記の(図表3)(注 @)のところをご覧下さい。
・この制度はあくまで選択制です。
今までの贈与税の制度もそのまま残りますのでどちらの制度を選ぶかは贈与を受ける人の選択になります。
そして、相続の関係が将来発生する人は、お父さんからの贈与、お母さんからの贈与それぞれについて選択できます。
・兄弟姉妹一人ひとりが別々に選択の判断ができます。
ただし選択してこの道を選んだら、相続までこの制度に乗っかっていただかなければなりません。
相続時精算課税制度(図表3)
通常(注 @) 住宅取得資金
下記の(注 A)
 贈 与 者 65歳以上の親 親の年齢制限なし
 受 贈 者  20歳以上の子 同 左
 非課税枠 最高2,500万円 最高3,500万円
【チェックポイント】この制度の注意点、間違いやすい点をまとめると下の表のようになります。
@ この制度をいったん受けると、通常の贈与(110万円が非課税になる贈与)
の適用は受けられなくなります(併用は不可)ので、適用を受けるときは十分検討してください。
A この制度は、各々の受贈者が、贈与者である父母ごとに、選択できます。したがって、例えば、父からの贈与は相続時精算課税制度による贈与を選択し、はHからの贈与は、通常の贈与を選択するといったことができますので、一番よい方法を検討してください。
B 義理の父母からの贈与には適用がありませんので注意してください。
C 生前贈与は、一度きりではなく、複数年にわたって利用できますが、適用を受けるには贈与税の申告が必要になります。お忘れないように。
D 年齢は、満年齢ではなく、贈与をする俊の1月1日で判定しますので注意が必要です。
E 子どもが親より左記になくなっている場合は、その孫も対象者になります。
F 相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与したときの価額となります。したがって、評価額が下がるものに適用するのは得策ではありません。
◎住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例
・住宅を取得する場合に限って、非課税枠が3,500万円まで拡大されています。
・贈与者の年齢要件65歳以上という制限がなくなりました。
この特例は住宅建設推進の見地から3年間の時限措置となっています。
(平成15年1月1日から平成17年12月31日まで)
上記(図表3)(注 A)をご覧下さい。
◎住宅ローンの再適用
・住宅ローン控除の適用中に家族全員でやむなく転勤等をし、その後再びその住宅に再入居した場合、住宅ローン控除の再適用が可能となりました。
◎自社株特例と小規模宅地特例の併用
・特定同族会社株式等の評価額の10%減額特例と小規模宅地等の評価減の特例について、一部併用が可能となりました。
◎相続税の2割加算対象者の追加
・被相続人の養子となった孫が相続税の2割加算の対象者に追加されました。

<B 消 費 税>
消費税の改正
項  目 改 正 内 容 適用時期
事業者免税点制度
(適用上限の引下げ)
基準期間の課税売上高1,000万円(現行3,000万円)以下に免税点を引下げ 平成16.4.1以後に開始する課税期間
簡易課税制度
(適用上限の引下げ)
基準期間の課税売上高5,000万円(現行2億円)以下→「簡易課税制度」(売上高から納付する消費税額を計算する方法の選択可 平成16.4.1以後に開始する課税期間
申告納付制度等 (1)直前の課税期間の年税額が4,800万円(地方消費税込6,000万円)を超える事業者→毎月中間申告納付(現行3月ごと)
(2)1月ごとの課税期間の特例を新設(現行3月ごと)
平成16.4.1以後に開始する課税期間
総額表示を義務付け 取引価格の表示について商品や役務に係る消費税の額を含めた総額を明らかにすることを義務付け 平成16.4.1から

<C 個人所得税>
◎配偶者特別控除制度が廃止されました。
・専業主婦世帯の税負担を軽くする配偶者特別控除が原則廃止されます。この改正は平成16年分以後の所得税及び平成17年度分以後の個人住民税について適用されます。

D 土地税制>下記の表に見やすくまとめています。
◎登録免許税の引下げ
・不動産の売買・贈与等の登記に対する登録免許税が引き下げられました。
◎不動産取得税の引下げ
・不動産取得税の標準税率が一律3%とされました。
◎特別土地保有税課税停止
・不動産の流通を促進するため特別土地保有税の新たな課税がなくなりました。
登録免許税の引き下げ
登記の種類 本則課税 特例課税(注)
 売    買 2%  1% 
 遺贈・贈与 2%  1% 
 相    続 0.4%  0.2% 
 所有権の保存  0.4%  0.2% 
(注) 平成15年4月1日〜平成18年3月31日

E 証券税制
◎配当と株式譲渡益の税率を預貯金の利子並に20%になりました。さらに、配当と株式譲渡益に対しては、5年間、10%の軽減税率になっています。
◎適用時期は、株式譲渡益税は遡及して1月から10%でスタートします。
株式の配当は、4月1日以後支払われる配当から10%になります。
投資信託の改正は、平成16年1月1日からです。
◎取得原価が不明のいわゆるタンス株の特定口座への受入措置として、今後2年間、すべての株式について、実際の取得価額と平成13年10月1日の終値の80%との選択制とする簡便法を設けました。取得原価がわかっている人でも、有利なほうを選ぶことができます。

<F 酒・たばこ増税>
◎平成15年5月より、発泡酒(350ml缶)、ワイン(720ml瓶)にかかる酒税が各10円ずつ増税されます。
◎平成15年7月より、たばこ1本につき0.82円の増税です。
G 自動車のグリーン化税制の見直し
◎取得後一定期間経過したディーゼル車・ガソリン車等について、自動車税が10%引き上げられます。
※出典:納税協会ニュース、納税月報より抜粋
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