05年韓国民主労総 全国労働者大会に参加してきました。 事務局・鶴田
   

 11・6日米韓労働者集会を開催した動労千葉が募集した訪韓団に、婦民全国協も広島・関西と事務局から参加。 11月12日「前夜祭」1万人、13日の本大会5万人以上という歴史的・感動的な場面に立ち会うことができました。
 婦民全国協としては、昨年事務局の川添さんが派遣団の一人として参加させてもらったのに続いて2回目です。今回は動労千葉の現場労働者や、全国の労働運動の若い活動家を中心に、学生や、ヨッシーとじゅごんの家の仲間、沖縄・辺野古から新基地建設反対の先頭に立つ富田晋くん、関西の国賀よしじ泉佐野市議ら、総勢90人にのぼる訪韓団となりました。
 これは、11月6日の日米韓労働者集会の成功、たたかう労働運動・民衆運動の交流の深まりを受けて、民主労総ソウル地域本部の積極的な招待があったからできたことです。
 *そもそも、日本の運動といってもそう簡単に韓国の運動から信頼を得ているわけではありません。それがここ数年の動労千葉との交流の中で変化してきました。
 11月6日にも来日され、今回も私たちを歓待してくれた民主労総ソウル地域本部長のコジョンファンさんは、「動労千葉は日本で孤立しているから他の労組と交流したほうがいい」という内外の圧力に対して「この間の交流で動労千葉との交流の正しさを確信した。動労千葉が日本で孤立しているとすれば、動労千葉を孤立させている日本の労働運動とは何か」と問うています。
    

【今年の大会は】
 民主労総結成10周年を記念して開催されました。特に重視されたのは、チョンテイル精神の継承です。そもそも11月13日とはチョンテイルさんが1970年労働運動の中で焚身決起した日を継承するということで開催されています。
 *東大門の平和市場の零細工場で働くチョンテイルさんは、1970年11月13日、幼い被服工の少女たちが低賃金劣悪な労働条件で働かされていることに怒りをもって労働運動に立ち上がりました。「人間らしい生活を」「勤労基準法を守れ!」と訴え労働条件改善要求を行ったが一向に聞き入れられず、この日意を決して抗議のデモに参加しましたが、強制解散されたため我が身にガソリンをかけ火をはなって抗議自殺しました。
 このたたかい以来、清渓被服労組が結成され、以後韓国の民主労組運動が胎動します。95年民主労総結成以来毎年開催されている労働者大会の基本精神は「チョンテイル烈士精神継承」です。
 今年の大会の厳しさは、戦争へむかう内外情勢の厳しさと、それによる労働運動弾圧、運動状況の苦闘にありました。10月20日には民主労総中央執行部が主席副委員長の収賄事件をめぐった責任をとって総辞職するという厳しい運動状況の中での大会。現場労働者の危機感が腐敗した執行部を総辞職に追い込み、非常対策委員会が設置されるという緊迫した中で開催されました。コジョンファンさんは、その非常対策委員会の委員です。
 厳しい状況の中で、非正規職の労働者の苦闘を正規職の労働者が共有し、民主労総の旗の下で団結する闘いが押し進められ、11月末から12月にかけてゼネストが準備されています。このチョンテイルさんほか、民主労総の多くの烈士たちの精神を受け継ぐことを誓い、非正規職保護立法の実現にむけたたたかいに全力でとりくむことを宣言していました。さらに新自由主義粉砕、APEC阻止、ブッシュ訪韓反対を訴えていました。

   

▲前夜祭
 その規模といったら、なんとすごい!国会議事堂の近く、ソウル市を流れる漢江(ハンガン)の河川敷にある運動公園にステージが二つ。集会企画と文化祭的企画が同時に進行しています。そこに約1万人の参加者。周囲にはたくさんのテントが張られ、全国各地から参加した人たちはそこに泊まるのだそうです。さまざまな運動・グループが机を出し、パンフレットやチラシ・CDをおいたりして訴える。屋台もたくさん出て、寒い夜空の下でもおいしそうなにおいと活気にあふれています。
 「前夜祭」では動労千葉とともに訪韓団全員が登壇し、田中康宏委員長が挨拶。 全員で一生懸命「律動」をやりました。 まさか登壇できるなんて!そして田中委員長の挨拶「日本でも、民営化・非正規雇用化が進み厳しい労働者の現実がある。これとたたかう労働運動を必ず作り出す」に、どーっと拍手がわいて、鳥肌が立つほど感激でした。
 地下鉄の清掃の女性労働者たちは非正規職の労働者の典型のような職種です。この方たちは、女性連盟の人たちだそうです。彼女たちの訴えがこの日最高の拍手だったような気がします。「ふつうのオモニ(おかあさん)」が労働者として立ち上がっていくまでのことを話し、歌謡曲の替え歌にして歌います。「女性が立ち上がるのはすばらしい!女たちが立ち上がると世の中がきれいになる」 どっと笑いと涙と拍手がわきます。なんてあったかい!
 移民労働者の発言とパフォーマンス、「障害者」の発言と多岐にわたります。
 世宗文化会館労組の「レ・ミゼラブル」からの大合唱は、「ここはオペラ会場かミュージカルか?」と錯覚するほどすばらしい本格派。舞台いっぱいにひろがる律動・演劇も、迫力満点。言葉はわからなくても熱く伝わってくるものがあります!
チョンテイル烈士のおかあさんーイソソンさんの挨拶は「本当にみなさんと会いたかった」と語りだし、「民主労総がこの10年間の間にさまざまな問題をかかえて間違った道を進んでいるのか?と記者やたくさんの人が聞いてくるが、もう少し見ていればわかる。確信をもってすすみましょう」とすべての労働者を励ましていました。
 20本を越える映像・映画、焚身決起した労働者のたたかいを演劇にしたもの、発言・歌・踊り・・・午後7時から11時をすぎて夜中まで続く活力あるたたかいに敬服しました。会場の左手には、この10年間にたたかいの中で亡くなった労働者の遺影があり、そこに参加者は黙祷を捧げます。私たち訪韓団も参加者一同でお焼香をしました。
 とにかく真っ暗なラグビー場での夜の集会ですから、寒い!屋外集会はトイレが問題ですが、ここも簡易トイレに長蛇の列。これはどこも同じです。でもこの長い列に並んでいる間に国際交流!
 「寒いねどこから来たの?」「日本から来ました」「えーっ?じゃプサンまでいく?」
「いえ残念ながらプサンまではいかないんだけど・・・」などなんと、ほんのちょっとの朝鮮語と・片言の英語・大部分の身振り手振りで会話成立。そして「星々の火」のパンフとその英訳を渡すと、「わーうれしい!トイレが済んだら私についてきて!あげたいものがあるから」と言って、反ブッシュのバッジをくれました。
 バギーに2歳位の女の子を乗せたおかあさんにも声かけて写真をとったり。
ピョンテクの米軍基地反対のグループがチラシを配り、パネルを展示しているところでも、キャンプ座間への米軍第一軍団司令部移駐反対バッジを見せて「ノーベース!ノー・ウオー!」と言ってみると「座間」に反応されて、なんとピョンテクのバッジをもらうことが出来ました! すごい図々しさ。でも気持ちは通じるものですね。
 真っ暗闇の中で、11・6に参加してくれた律動の3人の若者たちと再会!感激ひとしおです。 
 *日本からは他にもさまざまな団体が参加しているようでした。JR総連の青年部もたくさん参加しており、昨年はどこかのステージで律動をやったそうですが、後に民主労総の中で、その参加をめぐって大論争になったそうです。つまり、日本の国鉄分割民営化の際に、資本に対して労組として他の労組を裏切り、率先協力していたJR総連は民主労総にふさわしいのか?ということのようです。なるほど、そういう論議が真剣に交わされる中で、今回の動労千葉訪韓団の登壇があったのか・・・と考えました。

   

   

▲大会当日・前段集会
 当日は前段集会がソウル市内の4カ所で開催されるということでした。私たちはソウル市庁舎近くの公園で午後1時から開かれた非正規雇用労働者が中心の集会に参加しました。
 この会場にホテルから向かう間にも感激することが。地図に載っていないこの公園を探すのが一苦労。ウロウロ・きょろきょろしていると、声をかけてくれた男性が居て、教えてもらいました。それだけでもありがたいのに、一緒についてきてくれて、ちょっと遠回りしてしまったとどこからともなく紙コップのコーヒーを買ってきてくれたのです。まあ!なんと。 はて、私たちは外国から来た人にこんなに親切にしているでしょうか?この方は教師の組合に入っているらしかったですが。その辺の会話も引き続き片言英語・朝鮮語でやってました。
 前段集会でも非正規職場のたたかいの厳しさが訴えられていました。またここで動労千葉が昨日に引き続き紹介され、ヨッシーとじゅごんの家の仲間の演奏も行われ、やんやの歓声でした。
 

  

▲本大会へ
 集会が2時半くらいまで。団結を固め、ここから一斉に移動。
 本大会は、ソウル中心部の光化門前の6車線の道路を封鎖して行われます。その届け出というのはないらしい。公営放送も労組があり、その放送の中で、集会が行われることもそれとなくきちんと知らされるとのこと。
 長いトレーラーが道を封鎖するとステージがつくられ、クレーン車でスピーカーが吊される。このステージから数百bが解放区になります。
 すでにたくさんのひとたちが集まり始めている会場へきびきびと移動。それが自然にデモになっている。集会場につくと、「歓迎!動労千葉訪韓団 労働者はひとつ」とかかれたボードで迎えられ、導かれ、道がさあーっとあいてなんと先頭へ。午後3時過ぎに、会場が定まるとトレーラーがゆっくりとその役割を終えて出ていきます。参加労組・団体が紹介され、全国の団体の200本を越す旗が走って入場。音楽・発言・ゼネスト宣言・・・午後5時半すぎまで続きました。
 下半期闘争は、労働運動弾圧を韓国政府・資本に対して要求する日米政府と財界の圧力で大変な厳しさの中で行われようとしています。どれほどの怒りがあることか。だからこそ、APECに対しての怒りも大きくなるのです。
 集会は最高潮に達し、全員がワーっと歓声をあげて幕を閉じました。するとどうでしょう、あっという間に各団体ごとに各方面に一斉に解散。あっという間にいなくなりました。集会終了間際に配られたゴミ袋に手際よくゴミが集められたかと思うと、誰もいなくなった道路では清掃労働者の清掃車があっという間に道路を掃除してしまいました。
 集会の設置から解散、清掃までも全部見事なまでのありよう。社会を実際に動かしているのは労働者なんだもの。資本家には何一つ生産できるわけじゃなし、街ひとつ掃除することもできはしない。地下鉄清掃労組の女性たちが言ったとおりなんだと思いました。夕暮れの真っ赤な空がだんだん薄暗くなってくる間に機動隊の部隊が走り去りました。一回り外側には武装した機動隊がいたわけです。
 60年や70年を経験した方たちもたくさんいると思いますが、今回同行した若い人たちは、日本でのそんな経験をもちません。ものすごいショックだったようです。そしてあの5万人という規模の行動を30歳代、40歳代の人たちが中心にになっている。すごいことだと思いました。
 しかし、彼らの願いはなんだろう。日本で同じくたたかう労働者民衆が出てくることではないでしょうか。それに応えていくことが本当に求められると思いました。

   

【おまけ】 *安いパック旅行では
 免税店にいくのがセットになっていて驚きました。ガイドさんがホテルに到着する前に連れて行ってくれます。ガイドさんたちもノルマがあるでしょうが、私たちは決していい客ではないですね。ブランドものは買わないし、高いものは全然手を出さないし。でも、どうも観光ではなく、集会参加で、戦争に反対しているし、戦争責任の問題と真剣にむきあっているのがわかったらしく、すごく驚いていました。ガイド歴12年で、こんな日本人旅行者ははじめてだったそうです。ちなみに韓国の学校でならった通りに歴史を語ったら、日本人客に「おまえなんて生意気な!」とすごく怒られた経験をもっているので、気をつけて話すようになったと語ってくれました。恥ずかしくて、穴があったら入りたいほどでした。

 

韓国民主労総大会とソウル地域本部訪問 11月14日、韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)は、史上最大規模の7万人が集まる労働者大会を開催しました。11月7日の労働者集会に参加された民主労総のソウル地域本部から呼びかけがあり、11・7代表団として、動労千葉(広沢さん)、反戦共同事務局の菊池さん、杉並の結柴誠一区議、広島百万署名事務局の谷口さん、関西の交流センターの蔭山さんとともに婦民事務局(川添)も急遽ソウルに行きました。呼びかけてくださったソウル地域本部、動労千葉のみなさんに心より感謝し、報告させていただきます。
 ソウルの人口は約1000万人、韓国全土の人口の約20%が集まっている大都市です。国会や政府庁舎、大使館、大銀行や企業が集まるこの街の各所で、たたかいがまきおこっています。
 ソウルに近い仁川(インチョン)空港に着いたのが、11月12日の午後8時過ぎ、それからバスで漢江を渡りソウル市内に向かいました。とても道路が広く大きな街、ハングルで書かれた看板がすごくきれいでした。
 民主労総ソウル本部のキムチャンソプさん、ムンムンジュさん、チョヒョンスさんと合流、さっそく韓国のビールで乾杯! 持っていった新聞「婦人民主クラブ」や『星々の火』とその英訳文をお渡しし、婦民のことも紹介することができました。

  
民主労総ソウル本部のみなさん(左)と  労働者大会のポスター  動労千葉からのメッセージを渡す

チョンテイル烈士の焼身決起から34年

 13日朝、私たちの泊まっていたブラウンホテルにキムチャンソプさんたちが迎えに来てくれました。ホテルの食堂でコムタンの朝ご飯を食べてから、今日の行動の打ち合わせをしてバスで出発しました。
 それからチョンテイルさんの決起があった平和市場に行きました。この日はちょうどチョンテイルさんが「勤労基準法を遵守せよ!」と焼身決起してから34年目、みんなで記念のプレートがあったその場所で黙祷を捧げました。
 それから、ソウル本部の女性連盟の事務所にいくことができましたので、あいさつをして新聞や『星々の火』をお渡ししました。応対してくださった副委員長のイスンドクさんは地下鉄の清掃労働者ということでした。
 続いて、すぐ近くのソウル本部のあるビルへ向かいました。ここで動労千葉の広沢さんからコジョンファン委員長に田中委員長からのメッセージが渡されました。委員長の部屋にはチョンテイルさんの写真がかかげられています。民主労総大会を呼びかけるポスターやゼネストへむけたゼッケンをいただきました。事務所内には機動隊の楯やヘルメットがありました。「戦利品」だそうで、捜索令状があっても力関係でガサに入ることができないので、こんなものがあっても大丈夫なんだそうです。すごいですね。 
  

平和市場の様子(上左)   チョンテイル氏のプレートがあったところ(上中)   女性連盟の事務所で(上右)
国会前の籠城闘争テント(下左)  国家保安法に抗議して断食闘争中の青年(下中) 民衆大会参加の農民を乗せたバス、WTO反対と窓に貼っている(下右)

  

その後、ミョンドン(明洞)聖堂の移住労働者による籠城闘争現場やヨイド(汝矣島)の国会前の籠城闘争現場を案内していただきました。どこの籠城も「合法」ではありません。ミョンドン聖堂の前にも、国会のテントのすぐ脇にもたくさんの機動隊が構えています。「労働者のたたかいの力によってできている。こちらが少しでも弱いところを見せたら襲いかかられる」とキムチャンソプさんはおっしゃっていました。

  
ミョンドン聖堂前の移住労働者による籠城闘争(左と中)   屋台の出勤?の様子(右)

 それからキョンボックン(景福宮)やアンティークな土産物で有名なインサドン(仁寺洞)へ。韓国の伝統茶の店で一服したり、ちょっと観光コースも案内していただきました(^o^)。
  なつめ茶(テチュチャ)と土産物やのお面

 全国民衆大会へ

 午後6時、ソウル市庁舎前の全国民衆大会へ。農民、貧民(露天商や日雇い労働者)、学生など2万人が集まりました。
「民衆大会の十大要求案を大統領府と米大使館に伝えるために行進する参加者を警察が遮ったことから、激烈な投石戦と体当たりがはじまり、警察はこん棒と盾で隊伍を暴力的に鎮圧した…」というところに私たちは到着しました。
★以下は、全国民衆大会の十大要求です。
@国家保安法廃止、Aイラク派兵延長反対、Bコメ開放反対、食糧自給率法制化など農業回生対策用意、C非正規労働法改悪反対、労働基本法保障、D公務員、教師労働基本権完全保障、E生計型露天商取り締まり中断、強制撤去中断、永久賃貸住宅保障など貧民生存権保障、F日韓FTA反対、スクリーンクォーター死守、韓米BIT反対など世界化政策中断、G教育、医療、公共サービス市場開放反対、公共性保障、H屈辱的龍山基地交渉無效化、平沢米軍基地拡張移転反対、I過去清算、言論改革、テロ防止法財政反対、集示法改正など民主主義実現

写真(上左)全国民衆大会        労働者大会前夜祭の様子(右の二枚)

 全泰一烈士精神継承2004労働者大会前夜祭

 その後東国大学のグラウンドで行われた「前夜集会」に行きました。大学の入り口からたくさんのテントが設置され、食べ物や飲み物を売っています。長期の闘争をかまえる労組が財政活動の一環として店を出すのだそうです。たたかいを紹介するビデオや本、バッジの販売などもありました。テントの居酒屋に腰を下ろしていると、署名集めの人や物販の人がまわってきます。民主労総のマークつき歯ブラシを買いました。料理はチヂミとかオデン(韓国語でもオデンなんです。魚の練り物のいっぱい入ったスープ)とか、小皿にとりわけるって習慣はないんですね。オデンもスプーンが人数分きて、みんな一つのお皿から食べる。なんかすごく仲良くなったような気がします。
 さて、集会の方です。グラウンドをうめて1万5千人が集まりました。農楽あり、「律動」あり、ロックあり、今風のダンスパフォーマンスもあり、「指名手配」がでている公務員労組幹部の発言あり! 韓日FTA阻止日本遠征闘争団の報告、チョンテイルさんのお母さんで「労働運動の母」と呼ばれるイソソンさんも全泰壹(チョンテイル)労働賞のプレゼンテーターとして登壇されました。キムチャンソプさんは、イソソンオモニの「生きて動いている労働者のみなさん」という呼びかけが胸にひびくといっておられました。民主労働党の議員団も多数参加していました。ノムヒョン批判のユニークなショートビデオが上映されたりと、夜の2時過ぎまで集会は続きました。
 『段炳浩(タンビョンホ)民主労働党議員は、「私と民主労働党の議員が非正規法案を必ず防ぐ」と決然とした意志を見せた。しかし「私たちの力だけでは不足だ。議会の外から強力な衝撃をくれ。私もまた組合員としてゼネスト投票で神聖な一票を行使した」と強力なゼネスト闘争を要求しました。』(『』内はレイバーネットホームページ(http://www.labornetjp.org/)より転載)

   

 「チョンテイル烈士精神継承2004全国労働者大会」

 チョンテイル烈士精神継承2004全国労働者大会は、ソウル駅から約2キロ、光化門に近い鍾路(チョンノ)の道路を占拠して行われました。広い道路が約500メートルに渡り、全国から結集した労働者であふれかえりました。もちろん「集会許可」をとっているわけではありません。
 色とりどりの労組の旗、スローガンを書いたはちまきやゼッケンを身につけ集まる労働者たち。道路に設置された演壇、巨大なスクリーン、大きなスピーカーを建設労働者がクレーンでつりあげ支えています。

  
参鶏湯でブランチ             労働者が道路をうめて開催された民主労総大会

 本集会の前には、金属労組や建設労組などの独自集会が各所で行われていました。全国保育労働組合準備委員会(保育労組(準))の結成大会もあったそうです。
 午後3時に本集会がスタート。歌や「律動」もはさみながら各労組からの発言、民主労働党からのアピール等が6時まで続きました。
 全国公務員労組は幹部への指名手配が出され、スト投票の投票箱を警察が押収するという弾圧の中、3000人が参加しました。キムヨンギル委員長は翌15日からのスト突入を宣言、万雷の拍手で迎えられました。そして全体で、11月26日からの全国的規模のゼネストへの突入が宣言されました。

  

 ストの要求項目は、@非正規労働法改悪阻止・権利保障立法獲得、A韓日FTA交渉阻止、Bイラク派兵延長同意案阻止、C国家保安法廃止です。ソウル地域本部のみなさんも、公務員スト防衛など臨戦態勢に入っています。このゼネストに連帯して、後日動労千葉からアピールを連名で送ろうという呼びかけがあり、婦民全国協としても賛同しました。

  
                                               街角で待機する機動隊(右)

 結成以降初! 3日間の公務員労組ゼネスト

 公務員労組は11月15日にストに突入、「ストライキ参加者の全員懲戒、公職排除、組合員や家族に対する位置追跡、ブラックリスト作成など」、政府の強硬対応と直面しながら、17日の夕方、「公務員労組弾圧する盧武鉉政府糾弾決意大会」で一時中断を宣言するまでゼネストをたたかいぬきました。
 26日には15万7千人が参加する6時間ゼネストが韓国全土でたたかわれました。最大の焦点である「非正規法改悪案」は、12月9日会期末の今会期での通過はなかったものの、法案審査小委への上程という道にのっています。
 非正規の労働者である現代自動車下請け支会の労働者など4名は、国会内でタワークレーン高空籠城闘争に26日から突入し「非正規法案撤廃」を訴えています。
 96年の整理解雇法案以来の大攻撃である非正規法改悪との激しいたたかいが今も続いています。
 今回の韓国訪問、11月7日の労働者集会が、会場を埋める3600人が集まる成功をおさめ、その上で、私が行くことができました。本当に急な話で何の準備もできなかったのですが、私の「あいさつ+ほんのちょっとの」韓国語でも喜んでくれる、あたたかい民主労総ソウル本部のみなさんに迎えられ貴重な体験ができました。ゼネストが迫り、大変お忙しい中を最初から最後まで案内してくださった民主労総ソウル本部のみなさんに感謝します。
 11月労働者集会でめざすものが、こんなに力強くあたたかいものなのか!というのが実感できたのが一番のおみやげだと思います。たたかう労働運動ってすごいんだよ!って、もっと言っていかなきゃならないし、たたかう労働運動を作っていかなくちゃと思いました。
 それから、日本における民営化・雇用柔軟化政策(もちろんそれは全アジアや世界に波及します)のさきかげである国鉄分割民営化と男女雇用機会均等法に、婦民全国協が反対の立場を貫き動労千葉と共闘してきた。これはすごく大事なことだったんだなあと改めて確信しました。私たちは「国際主義」をそういうふうに、やってきたのかなあと思っています。
 今回の身に余る歓迎に、やはり「団結」と「闘争」で返したい、そして少しは韓国語も話せるようになりたいと思いました。
                    (事務局 川添望)

大会後にいった居酒屋で、獄中三十数年を闘いぬいた非転向長期囚の方々とお会いする

 

11月6日、7日、日比谷野音
戦争と反動はばむ力が大結集!


 
デモの先頭を行く動労千葉の田中委員長  みんなでインターナショナルを歌う

 
明るい!婦民のデモ     韓国・民主労総の「♪鉄の労働者」伴奏に「律動」