不定期連続ドラマ
うっかり父さん
第一話 『さわるメイドの動く城』
子 「父さんお帰りなさい! 頼んでおいたニンテンドーDS、買ってきてくれた?」
父 「ああ、父さんきのうの夜から徹夜で並んだ甲斐あって、一番乗りでゲットしちゃったぞ!」
子 「うわあい!これで当分の間はクラスの人気者だよ!ありがとう父さん!」
父 「ほうら、さっそく開封して宇多田ヒカルばりのリアクションを父さんに見せつけるがいい!
・・・関係ないけど宇多田ヒカルと和多田マサルって似てるよね」
子 「ホントに関係ないよ! というか誰だよ和多田マサルって」
父 「えっ、知らないかな・・・・・むかし『ナイト・イン・ナイト』とかに出てたんだけど」
子 「知らないよ! まあいいや、とにかく早くタッチしたいから
さっそく開封するよっ!」
ビリビリ・・・・・
子 「と、父さん・・・・・これって・・・・・」
父 「ん?」
子 「なんかスペース・コブラって書いてあるーう! これ違う、明らかにニンテンドーDSじゃないよ!」
父 「へへっ、よお〜せやい」
子 「いや、そんなコブラの物真似でごまかされても!
しかも変に似てるし!」
父 「でもお前がこう、フタがパカッと開いてだな、画面がふたつある携帯ゲーム機だっていうから・・・」
パカッ
父 「ほら・・・・・な?」
子 「な? じゃないよ!なんだかこれ妙に持ちにくいよ!って、そういう問題でもないけど!」
父 「・・・・・つまりあれか、父さんうっかり間違っちゃったというわけか」
子 「間違えすぎだよ!むしろ今これ売ってるのを見つけるほうが難しいだろ!昭和何年製だよ!?」
父 「あっ、すごいな、昭和58年製って書いてある。でも説明書見てみろほら、これってアラーム機能付だぞ」
父 「これでうっかり者の父さんも出張先で寝過ごす心配は無くなったな。」
子 「出張先に持っていくつもりなの!?」
子 「もういいや、ニンテンドーDSはしばらく諦めるよ・・・・・。それより頼んでおいた『ハウルの動く城』の
前売り券、ちゃんと買っておいてくれてる?今度の日曜日に友達と見に行く事になったんだけど」
父 「ああ、ちゃんと買ってあるよ。そうら、ぞんぶんに動いてくるがいいさ!」
ビリビリ・・・・・
子 「と、父さん・・・・・・・こ、これは?」
父 「ん? 近鉄バファローズのパウエル投手のバブルヘッド人形だよ?ほうら、首がブルンブルン動くだろ?」
子 「・・・・・父さんこれハウルの動く城じゃなくてパウエルの動く首だよ!」
父 「オウ、アンビリーバボゥ!」
子 「いや、パウエルの物真似でごまかされても似てるのかどうか判断できないから!」
父 「うーん・・でもこの人形、パウエルっていうより元阪神の中込にちょっと似てるよね?だからまあ、良しとする」
子 「良しとしないよ!中込に似ててもこれで映画館には入れないから!」
父 「困ったなあ・・・・合併するって聞いたからこれとセットで買っちゃったのに」
子 「なにやってんだよ父さん!こんな所にまで合併話を持ち込まないでよ!しかも石毛監督とっくにいないし!」
父 「でもお前、オリックスの今年のドラフト1位は金子千尋投手だぞ? 千尋・・・千と千尋・・・・ハウルの動く城
・・・・・な?」
子 「な? じゃないよ!」