円形脱毛症

・毛の構造

円形脱毛症

上の図は頭皮断面の顕微鏡図です。


円形脱毛症1
上図は血管、神経の走行状態を示した図です。

円形脱毛症2

上図のように、毛は、目に見える部分と皮下に隠れて見えない部分があり、目に見える部分を毛幹、皮膚に隠れた部分を毛根といいます。毛幹の部分は死んでいますが、毛根の下部の毛球は生きています。皮脂腺は皮膚表面に皮脂という脂を出すための器官です。毛球は卵型に膨らんで底の部分から内部に窪んでおり、毛の成長に大切な毛乳頭が入り込み、毛球下部の毛母細胞と色素細胞と接しています。毛母細胞は毛乳頭にきている毛細血管から栄養を受け、分裂を繰り返して毛幹部をつくります。

・毛根の構造

円形脱毛症3

毛根下部の毛球の中の毛をつくる毛母細胞のところには、毛髪に色をつける色素細胞が共存しています。色素細胞ではチロシンというアミノ酸を酸化させて、メラニンという色素を造っています。メラニンはたんぱく質と合体してメラニンプロテインという物質になります。色素細胞でつくられたメラニンプロテインが毛母細胞の中に送り込まれ定着します。毛母細胞はメラニンプロテインを持って分裂・成長して表皮まで出てきます。

・毛周期(ヘアサイクル)

円形脱毛症4

毛乳頭というくぼみに毛細血管が入り込み、そこにある毛母細胞が血管から栄養分を取り込み細胞分裂を繰り返して成長しています。毛には寿命があり、一定期間成長すると、抜ける準備をする移行期というのが約2週間あって、栄養分の摂取を止めて、休止期(毛は死んだままで毛包の中に約3ヶ月とどまります)に入り、やがて抜けていきます。その時期にはほとんどの場合は新しい毛が発生します。
毛の成長の初期には毛包が浅く、成長するにつれて徐々に深部へと入り込み、毛包もしっかりとしてきます。
日本人の毛髪の数は、一人平均十万本といわれており、1日に総量で約25メートルも伸びているといわれています。
ヘアサイクルを終わり自然に抜けていく毛髪は、1日に50~80本と試算されています。


・円形脱毛症の症状

 突然、円形または楕円形脱毛がおこります。頭だけでなく、眉毛、あごひげ、陰毛、産毛に及ぶこともあります。はっきりとした境界線がわかる場合が多いです。単発、多発、全頭、汎発性(全頭、眉毛、まつげ、陰毛まで)のいろいろなタイプがあります。
一般に単発型は治癒しやすいですが、他のタイプは非常に長期の治療を必要とする場合が多いです。単発型でも後頭部のものは治癒しにくい場合があります。

・西洋医学的な原因

 以前は精神的ストレスが原因といわれてましたが、小児にもかなりの頻度で発症することから現在では自己免疫説、末梢神経異常説、大脳皮質の活動傷害との関連性、長期の精神疲労、ストレス、内分泌機能障害などがいわれてます。
自己免疫の場合は、体内で自分が持っている毛球の細胞が異物と誤認され、Tリンパ球が排除しようとして破壊してしまうため、成長期毛性の毛球が破壊されて脱毛になると考えられています。
末梢神経異常の場合は、円形脱毛症の毛根の周囲の末梢神経に異常があり感覚が鈍いことが知られてます。患部は白っぽくなっており、毛細血管が見えず、正常な皮膚の血液循環は望めず毛乳頭への栄養補給に大きな支障を起こし脱毛に繋がります。
円形脱毛症の原因は単独ではなく、いろいろな病因が組み合わさって起こると考えられます。

・東洋医学的な原因

 東洋医学では円形脱毛症は油風といわれ、俗に鬼剃頭といいます。
血熱:精神的刺激により心火が盛んになり、血熱により内風が生じて脱毛になる。
お血:精神的刺激により「気滞血お」が生じたり、他の原因により血が停滞して血行が悪くなり、毛髪がうまく栄養されなくなり脱毛になる。
気血両虚:慢性疾患や産後などに気血が虚し、毛髪がうまく栄養されなくなり脱毛になる。
肝腎陰虚:陰血が不足し、毛髪がうまく栄養されなくなり脱毛になる。また陰血が不足していると燥が生じやすく、血燥となることにより脱毛になる場合もある。

・円形脱毛症に対する鍼灸治療の効果

 鍼灸治療をすると全身の血流がよくなり、ストレスが解消され、免疫力があがる効果があります。脱毛部の血流も良くなり、毛根への栄養補給が盛んになり脱毛が治癒していきます。最近30年間の1000以上の症例の観察を通しての鍼灸治療の効果は85%以上の有効率といわれてます。

・当院の症例は円形脱毛症の症例をご覧下さい。











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