「気」について
「気」という言葉を使うと、どうもうさん臭いような感じがするものです。よくテレビで、気で人を跳ね飛ばすようなことをやっていますので、そのような印象が強いと思います。鍼灸治療で使う「気」という言葉は、「気」がスムースに流れていれば人は健康であるという健康な人の理想型の概念を作り、この「気」が変調をきたせば人は病気になる。したがって病気を治すには「気」の変調を正す必要が生ずる、変調を正す手段として鍼や灸を利用するのです。「気」が多ければ減らし、「気」が少なければ増やし、「気」が滞っていれば流れるように治療をするのです。この「気」の概念は、迷信、神話的なうさん臭いものではなく、古の治療家たちが多くの臨床を積み重ねることにより見出してきたものです。
気には、いくつか種類があります。体の表面を流れ、病邪(病気を誘発するもの)が体内に侵入するのを防いでいる気を「衛気(えき)」といいます。母の体内にいるときに授かった気を「元気」といいます。食べ物を食べて消化吸収して得る気を「営気」といいます。呼吸をすることにより大気中から得る気を「宗気」といいます。
人体には経脈というものがあり、気はその経脈を流れています。その経脈には流れる方向があります。十四経脈それぞれに流れる方向が異なっております。
この気の流れる方向が逆になった状態を「逆気」といい病的な状態と言えます。また、痛みというのは、気の量が少なくなって痛むもの、気の流れが滞り痛むものなどがあります。痛みでもどのような痛み方かで「気」の状態がどのようになっているのかを判断し、治療を行っていきます。
以上のように、鍼灸では、人体に「気」というものを想定することにより、病気とはどのような状態かを説明しております。
