食材の性質
これを読まれている皆さんは、どのような食べ物が好きでしょうか。ケーキなどの甘いものが好きな方、お酒が好きな方は塩辛いものが好きでしょうか。食事をするときに、これは何の素材だろうかなどと考えながら食事をする方は少ないと思います。
しかし、料理の食材には、それぞれに性質があります。体を温める性質の食材、体を冷やす性質の食材です。体を温める食材を例にあげると分かりやすいと思います。ラーメンを食べるときにコショウをかけると体が熱くなります。うどんを食べるときに七味唐辛子をかけるとやはり体が熱くなります。コショウや七味唐辛子はすぐにその作用が体に現れるので、その性質が分かり易いと思います。反対に体を冷やす食べ物もあります。「秋ナスは嫁には食べさせられぬ」といいます。ナスは体を冷やす作用があり、食べ過ぎると体が冷え、子宝に恵まれないからです。
普通、料理は何種類かの食材で調理します。そのときに、冷やす作用の物と温める作用の物が適度に混ざり、作用が片寄ることがなくなります。ここで、良く食べられる食材の性質を列挙したいと思います。ここでは、作用の強さをもう少し細かく分けております。熱>温>微温>平>微涼>涼>微寒>寒という順位になっております。
熱
ウガラシ・こしょう・さんしょう
温
もち米・クルミ・くり・ニラ・ニンニク・ラッキョウ・かぼちゃ・カブ・しそ・もも・さくらんぼ・ライチ(茘枝)・きんかん・銀杏・クルミ・羊肉・鹿肉・フグ・ナマコ・エビ・クラゲ・黒糖・飴・酒
微温
レモン・うるち米・ネギ・しょうが・タマネギ・ナツメ・鶏肉
平
トウモロコシ・黒豆・大豆・赤小豆・ごま・ジャスミン・モクセイの花(桂花)・油菜・大根(熟したもの)・ニンジン・キャベツ・シイタケ・ごぼう・じゃがいも・さつまいも・やまいも・ながいも・くず・ソラマメ・キクラゲ(偏涼)・白キクラゲ(銀耳)・ブドウ・リンゴ(偏涼)・ビワ・あんず・イチジク・ザクロ(偏温)・パイナップル・竜眼肉・クコ・イチジク・青梅(偏温)・ラッカセイ・ヒマワリの種・カボチャの種・豚肉・牛肉・牛乳・鯉・鰻・ふな・ドジョウ・スッポン・はまぐり・かき肉(偏涼)・アワビ(偏涼)・くらげ・いか・白糖・蜂蜜・酢・麦芽・粳(うるち)・ツバメの巣
微涼
鴨肉
涼
小麦・大麦・緑豆・緑茶・大根(熟せば平)・セリ・ホウレン草・レンコン・きゅうり・しいたけ・ナシ・バナナ・伊予柑・みかん・ビワ・はとむぎ・そば・セロリ
微寒
菊花・ハクサイ・ホウレン草・ユリ・なす・トマト・トウガン(冬瓜)・レモン・桑の実・粟
寒
さといも・ごぼう・ニガウリ(苦瓜)・じゅんさい・ドクダミ・ミョウガ・昆布・海藻・スイカ・マクワウリ・柿・パパイヤ・海のカニ・食塩・白糖・みそ・醤油・豆腐・納豆
上記のように、体を温める、冷やすという作用だけを見ても、細かく分類できます。食材には、帰経といってどの経(脾経、肝経など)に作用するかという性質もありますが、ここでは省略します。
食べ物というのは健康を保つうえで一番大切なものです。したがって、一番大切な食べ物のことを良く知ることも大切です。「医食同源」、「薬食同源」という言葉があるくらいです。現代は、温室栽培で季節に関係なく好きな食材を選ぶことができます。冬でもトマトやきゅうりを食べることができます。しかし、トマト、きゅうりは体を冷やす食べ物です。冬は寒いうえに、体を冷やす食べ物を食べていたら益々体が冷えてしまいます。ですから、体を温める食べ物を食べるべきです。トマトやきゅうりは暑い夏を生き抜く能力はあっても、寒い冬を生き抜く能力はありません。冬はトマトやきゅうりは温室の外では枯れてしまいます。人間も季節はずれの食材を食べていては、その季節を生き抜くことはできないと考えることの方が自然ではないでしょうか。旬の食材というものは、まさにその季節をたくましく生き抜いている生命力に満ちあふれたものです。よく食べ物というと栄養のことを言及しますが、季節を考慮した上で栄養を考えた方がいいでしょう。
これを読まれた方が食材の性質に少しでも興味をもたれ、健康への手助けになればと思います。
