予防治療
鍼灸治療の世界には『未病を治す』という言葉があります。このページの題目にもなっている『予防治療』に相当する言葉です。急性の疾患は別として病気は徐々に進行していくものです。人間の体表には『気』というものが流れていて体を守っています。この『気』の流れ方や量に異常が発生し、その状態を放置しておくと、やがて自覚症状が発生します。この『気』の変調の段階で、治療し発病しないようにすることを『未病を治す』といいます。すなわち『予防治療』です。では、この『気』の変調をどのように察知するのでしょうか。鍼灸治療では治療を始める前に脈診,舌診、腹診、切経を行います。これらの診察を行うことにより、『気』の変調を察知するのです。そして、『気』の流れや量を調整するのが鍼灸治療なのです。『気』の変調の段階で治療しておけば、病気にならず正常の状態に戻ったり、病気になってもあまりひどい状態にならず正常な状態に戻ります。
人間の体は、よく注意して,体に耳を傾けていると,体の状態を教えてくれます。「痛い」、「疲れた」、「だるい」などいろいろな症状で教えてくれるのです。体が教えてくれたことを無視せず,素直に、その教えに従って体を労わってあげれば体は病気にならず健康でいられるのです。しかし、身の回りには,ストレスが多く、時間的な余裕もなく,体の訴えに耳を傾けられず、無理をしてしまうことが多いと思います。そこで、体調が良いと思っても、月に何度かの『予防治療』をされることをお勧め致します。人間,体調の良いときは,その状態が永久に続くと思っているものです。しかし、病気になって初めてわかる健康の有難さです。
大阪の摂津市のデータでは、60歳以前から健康作りに励んだ人が一番長生きする結果が出ており、60歳を過ぎてからも、健康作りを行った人が二番目に長生きをしているそうです。
健康は、努力して得られるものであって、何もせずに健康でいられる方は,少数です。健康を保つ方法には、健康食品、運動その他いろいろな方法があると思います。その中に、鍼灸による『予防治療』も加えてみてください。
鍼灸治療というと肩こり,腰痛などを思い浮かべる方が多いと思います。ところが、鍼灸治療の適応症は、意外と多いのです。かぜ、鼻の疾患、アトピー,慢性疾患などいろいろあります。しかし、あまり知られていないようです。肩こりで治療に来られていた患者さんが、「今日は,ちょっとかぜ気味で」と言われれば、肩こりの治療とかぜの治療を兼ねることができるのです。これが、鍼灸治療のメリットだと思います。鍼灸治療は、患者さんの状態に合わせて治療を行っていくので、いろいろ質問をしながら治療します。つまり、患者さんと治療する側との連携プレーになるのです。こうすることにより、治療する側が患者さんの体質を理解すると同時に、患者さん自身も自分の体調の変化に敏感になっていくのです。
