PCB汚染

政府は、PCB(ポリ塩化ビフェニール)汚染緊急報告を行った。 報告によるとアジアの米輸出大国であるX国からの輸入米がPCBに汚染されていたことが判明した。 汚染米の輸入は、判明しているだけでも3年前から続いていた模様で 事態の深刻さから今回の異例の緊急報告となった。 政府では、輸入米取扱商社にX国からの輸入米の販売停止処置をすると共に、 現在、市中に出回っているX国からの輸入米の回収を各自治体を通して早急に 実施する予定である。 また、ここ数年、PCBによるのではないかと思われる皮膚障害報告も増えていた為、 政府では、緊急に国民全員の健康調査を実施する方針である。

PCBは、1968年にカネミ油症事件が発生して、1972年に製造禁止されるまで、 日本国内で大量にトランスやコンデンサーなどの絶縁油や感圧式の複写紙として 主に工業用に使用されて来た。 しかし、化学的に安定で不燃性のPCBは、当時、完全な処分方法が確率できておらず、 政府は、2001年に第三セクタ方式で建設された脱塩素化分解や超臨界水酸化分解などの 高度なPCB処分施設ができるまでの間、 企業が使用して来たPCBを各企業に保管しておく義務を科した。 しかし、大手企業以外の多くの企業では、約30年間も保管し続けることができずに 無断で闇ルートで処分されてしまう場合が多かったようである。 今回、判明したPCB汚染米を輸出しているX国は、日本から闇ルートで運び込まれたPCBが 処分されて来た国の1つであることが闇ルートの追跡調査でわかっている。 X国の闇ルート組織では、森林の奥でPCBの闇処分を行っていた模様であるが、 高度な技術で処分せず単に焼却処分していた為、PCBによる土壌汚染はX国全土に 広がってしまった模様である。

今後の国による国民の健康保証問題もあるが、X国の産業の1つである農業に 与えた打撃は測り知れないものであり、二国間での保証問題に発展するのは間違いない。 その場合は、X国の土壌汚染の汚染除去費の相当分を負担する事になり、 莫大な費用が発生する事が推測される。

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