容器包装リサイクル法がもたらしたモノ

容器包装リサイクル法が施行されて5年が経過した。 この間に分別の種類は、以下の14分類と増えていった。

  1. 空瓶
  2. 空缶
  3. プラスチック容器包装
  4. 紙製容器包装
  5. ペットボトル
  6. 紙パック
  7. 可燃ごみ
  8. 不燃ごみ
  9. スプレー缶
  10. 粗大ごみ
  11. 新聞
  12. 雑誌
  13. 段ボール
  14. 衣類

分類数が多く、市民は正しく分類することが困難であったためか、 しだいに市民の中には分類することを止めて不法投棄に走る者も出て来た。 自治体側は、不法投棄を防ぐ為に監視カメラを設置したり、 分類不徹底なごみ袋は回収しないなどの対抗処置を取ったが、 元もと不法投棄する人々は、ごみ問題に無関心であるため効果があがらず、 地域のボランティアが再分別する結果になっていた。 正直者がバカを見る状態が続いていた。 しかし、そんなボランティア体制も長くは続かなくなり、 不法投棄が絶えない地区から真面目に分類している人々が転居する事態に至った。 その結果、分別廃棄が徹底できている地区とそうではない地区と二極化する傾向が現われ、 分別廃棄が不徹底な地区では、街にごみが溢れたままとなり、さながらごみの街と化してしまっている。 しかし、もともとごみ問題に無関心な住民だけが、その地区に取り残されているため、 誰も対処することはない。

自治体は、ごみ分別できない住民が他地区に移動して新たなごみ問題を発生させないようにするために、 分別不徹底地区からの住民移動を制限する方針を打ち出した。 また、隣接する地区にごみを不法投棄をさせないために、 分別不徹底地区と指定した地区には金網を設置し、監視小屋から24時間体制で人の出入りを 監視している。

今後も自治体によるごみ分別できない住民隔離政策が続けられると思われる。

このページの内容は、フィクションであり、登場する人物、団体は、架空のものです。