断夫山古墳は、熱田台地南西の標高約10メートルの地に作られた大型の古墳です。 かつては海岸線が今の堀川近くまで伸びており、古墳は伊勢湾を広く望んだ立地でした。現在までに本格的な発掘調査はなされていません。
形は前方後円形で、墳丘は3段になり、前方部が発達した古墳時代後期の特徴をもっています。前方部右隅が削られているものの概ね良好に残っています。現在の古墳の長さは約150メートルで、愛知県では最大規模で、後期古墳としては全国でも屈指の規模です。古墳の周囲には周濠が掘られていましたが、現在ある濠は後世作られたもので、消失した本来の周濠はさらに広い範囲に掘られたものでした。
埋葬施設・副葬品は明らかではありません。当時尾張地方に大きな勢力を持った尾張氏の長の墓だとされます。