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「ユニオン・パシフィック」の勝ち方

Ver 1.1

矢口 学


◆はじめに(最初の能書き)

 Amigo社の「ユニオン・パシフィック」( 作:Alan Moon )は、全員が順番に手番をこなしながらVPを稼ぐゲームで、あまり他のプレイヤーと交渉する要素はありません。そして、株カード、線路カードの引きと決算カードが引かれるタイミングはランダムなので、運の要素はかなり大きいゲームです。カードの引き、決算タイミングの流れが自分に向かない限り、なかなか勝てるものではないでしょう。

 しかし、運があっても、ゲームの勝ち方を知らないのではやはり勝てません。このゲームをプレイするにあたっては、以下のようなポイントを押さえておくべきでしょう。


◆VPの稼ぎ方

 「ユニオン・パシフィック」のVPは、すなわち鉄道会社から得られる収入です。 重要なのは、各会社について、決算が発生した時点で公開している株数の一番多い人(第一株主)と、それに次ぐ数を公開している人(第二株主)だけがVPを得るということです(ただし、ユニオン・パシフィック社の株を除く)。
 そして得られる収入はその時点での各会社の規模(鉄道敷設数)によって異なり、第一株主であれば「鉄道敷設数+1(本拠地の駅の分)」第二株主ならその半分(端数切り捨て)となります。また第一株主が複数いる場合は、本来第一株主と第二株主の得られる分を合わせて折半(端数切り捨て)、第二株主が複数いる場合は第二株主分を折半(端数切り捨て)となります。そして、第一株主がその会社の唯一の公開株主である場合には、本来第一株主と第二株主の得られる分を合わせて独占します(第一株主もいない場合は誰の得点にもなりません)。
 この収入計算は盤上の全ての鉄道会社について行われます。そのため、複数の鉄道会社について第二株主以上になっていれば、通常はそれぞれから収入を得ることができます。

 ユニオン・パシフィック社(以下、「UP」と記述する)は、特別な会社です。 盤上に鉄道が敷設されることはなく、収入は決算回次に応じた固定額です。第1回目の決算では、どんなに多くのUP株を公開していても収入は全く得られません。これに対し、第4回目の決算時に単独の第一株主となっていれば、20VPを手に入れる ことができます。また、UPからの収入は第5株主まで得ることができるので、少ない枚数でも得点を得ることが可能となります。なお、UPの株主順位がタイとなった場合は、その人数分の合計額を折半(例えば、第二株主が3人いる場合は第二〜第四 株主分を合わせて3等分)しますが、不在の順位分の収入を上位者が得る(例えば、 唯一の株主が第一〜第五株主分を総取りする)ようなことはありません。

 上記のことより、プレイヤーは

  1. なるべく複数の会社で、
  2. なるべく規模の大きい(すなわち、鉄道敷設数の多い)会社、あるいは、ゲーム後半のUPで、
  3. 第二株主タイよりは単独の第二株主、それよりは第一株主タイ、それよりは単独の第一株主、できれば唯一の株主
 になることを目指してプレイすることになります。


◆初期投資

 ゲームが始まって、まず行うのが初期投資です。プレイヤー全員が株1枚を公開 するのですが、手元の5枚からUP株1枚を除いた4枚の中からそれを選ばなければ なりません。UP株も公開できるのですが、第1回目の決算ではUPの収入は0です から、これ以外を選ぶのが当然です。ここでの指針は通常次の通りです。

  1. 株総数の少ない会社の株を公開する
  2. 拡張しやすい会社の株を公開する

 株の枚数は各会社ごとに決まっていて、その枚数にはかなり差があります。UP以外の会社の株総数98枚のうち、灰色(ワイオミング&ウエスタン社)は6枚しかありませんが、緑色(エルパソ&リオグランデ社)は18枚もあります。できれば、初期投資はこの株数の少ない会社を選んだ方が良いでしょう。
 初期投資では全プレイヤーが1枚ずつ公開しますが、このとき株数の多い大会社の株を公開すると、他のプレイヤーと重複してしまい、「第一株主タイ」となってしまう可能性が大きくなります(もちろん、全員がなるべく小さい会社を選ぼうとするなら重複するかも知れませんが、株数の少ない会社ならば最初の手札にもあまり含まれていないと考えられます)。また、大会社の株は山札にもたくさんありますから、すぐ他のプレイヤーに2枚目を出されたり、3プレイヤー以上の競合になってしまったりして、あまり美味しくありません。これに対して、小さな会社の株を公開すれば、誰かと重複する可能性が少なく、そのまま誰もその会社の株を公開しないまま決算となれば、第一株主・第二株主双方のVPを独占することができます。これはとても美味しいです。また、山札や他プレイヤーの手札にその会社の株があまり含まれていないため、株一枚の価値が大きく、少なくとも序盤のうちは「第一株主」または「第一株主タイ」、運が悪くても「第二株主」くらいをキープし、確実にVPを得ることができるでしょう。

 ただし、もう一つ注意すべきこととして「その会社が拡張しやすいかどうか」ということがあります。先に述べたとおり、UP以外の各会社の総収入はその会社の鉄道敷設数によって決まります。そのため高収入を得るには、鉄道会社の株を多く公開している だけではなく、その会社の鉄道路線を拡張して、総収入を高めなければなりません
 また、「ユニオン・パシフィック」では、新たな株を入手するためには鉄道路線を拡張せざるを得ません(それ以外の方法で株を入手することは不可能です)。鉄道路線の拡張は、自分が株を公開していない会社に対しても行えるのですが、ライバルプレイヤーの収入を増やしてやるのもつまらないですので、通常は自分が株を公開している(または近いうちに公開する予定である)会社の路線を拡張することになります。
 初期投資の直後は、自分が株を公開しているのは1社のみですから、通常はその会社の路線を拡張しつつ、新たな株を獲得していくことになります。つまり、初期投資の対象となる会社は「拡張しやすい」ことが望ましいのです。

 また、「拡張のしやすさ」は初期投資に限らず、「どの会社に賭けるか」を考えるうえで大変重要なことです。このゲームでは、「拡張しやすい会社」=「規模が大きくなる会社」なのです。では、「路線拡張のしやすさ」とは何でしょう。

 「ユニオン・パシフィック」で鉄道の敷設の条件となるのは以下の4つです。

  1. その会社の本拠地駅から連なる路線の、まだ鉄道敷設スペースの残されている路線であること
  2. その路線の線路種類に応じた線路カードが手札にあること
  3. その路線の線路種類が、その会社の利用できる線路種類であること
  4. まだ利用できる鉄道コマが残っていること
 この条件を満たしやすい会社が、「拡張しやすい会社」なのです。

 このうち、序盤で問題になるのは上記の2と3です。このゲームでは、鉄道会社ごとに上記条件3の「利用できる線路種類」が異なり、とくに初期投資に適するような小規模な(株総数の少ない)会社ほど、利用できる線路種類が限定されています。株総数が8枚以下の5社のなかでは、水色(マーケット・ロッキー・ロード社)以外の4社は全て、たった1つの線路種類しか利用することができません。そして、その線路種類の線路カードが手札に無ければ、その会社の路線を拡張することはできないのです。

 そのため初期投資の会社を選ぶには、配られた線路カードをよく見て、そのカードで拡張できそうな会社を選ぶのが良いでしょう。できれば、その会社に合った線路カードを少なくとも2枚持っていることが望ましいです。通常、第1回目の決算までには2手番以上は拡張の機会がまわってくることが多いのですが、初期投資会社の唯一の株主となり、2路線を拡張した状態で決算を迎えることができたなら、$6もの大きな収入を望めます(第一株主分・$4+第二株主分・$2)。

 ちなみに、線路カード40枚の線路種類ごとの内訳は次のようになっています。

 a  中央に白色のライン 6枚
 b  中央に黒色のライン 7枚
 c  中央に白黒交互のライン(いわゆる「JR」) 9枚
 d  中央にライン無し 14枚
 e  オールマイティ 4枚

 つまり、線路種類ごとの数は同じではないのです。手札にある、利用できる線路カードの数が同じで判断に迷うなら、有為な線路カードの総数で決めるのも一つの方法です。

 各会社の利用できる線路カードの数を以下の表に示します。

会社の色 株の総数 鉄道コマの数 最高収入※ 線路種類 利用できる線路カード数 総カード中の割合
灰色 ce 13/40 32.5%
水色 ace 19/40 47.5%
茶色 10 be 11/40 27.5%
橙色 10 11 ae 10/40 25.0%
白色 11 12 de 18/40 45.0%
紺色 13 14 bcde 34/40 85.0%
黒色 10 14 15 cde 27/40 67.5%
黄色 12 17 18 bde 25/40 62.5%
赤色 15 19 20 acde 33/40 82.5%
緑色 18 23 24 abcde 40/40 100.0%
 ※最高収入は、単独第一株主の場合を想定しています。

 この表では、紺色にとっての線路種類dなど、本拠地から接続していない線路も含めて数えていますので注意が必要ですが、水色・紺色は比較的有利、対して橙色・茶色は比較的不利だと言えます。
 小規模な4社について言えば、 水色>灰色>茶色>橙色 といったところでしょう。紺色、黒色、白色についても悪くはありませんが、黄色、赤色、緑色では、初期投資の会社で独占を図るのはちょっと難しいでしょう。

 なお、同じ会社の株が2枚手札にある、というケースがよくあります。それが初期投資のための条件に適った会社なら、2枚のうち1枚を出してもかまいません。また、他にも初期投資に適した株があるなら、その2枚は温存し、あとから出してライバルを驚かせてもいいでしょう。とくに、その会社の株を1枚だけ出した人が路線を延ばしてくれたらラッキーです。しかし、私は、この戦術については長短相半すると思っています(他人も同じことを考えているかも知れませんし)。
 ただ、同じ会社の株が3枚あるならば、残る1枚の通常株(UPじゃない方)を使うことをお奨めします。「ユニオン・パシフィック」では、通常一度に公開できる株は合計2枚までですが、同一会社の株を公開するときに限って、一度に3枚以上を公開できますから、3枚以上揃った株を2度に分けて公開するのは手番を損することになり、あまり得策ではありません(決算が迫っているときなら、どうしてもその会社の株ともう一社の株を至急公開したいというようなケースもあるかも知れませんけれど・・・)。
 なお、4枚揃ってしまったら・・・選択の自由はありません。このときは、UP株を公開してもいいのかも知れませんね。


◆拡張か公開か

 自分の手番が来て、線路カードを1枚補充(合計4枚になる)してから最初に悩むのがこの問題です。株を入手したいけれど、あるいは路線を延ばしたいけれど、そうすると手元の株を公開できない(しかも、ひょっとしたら、決算が起きるかも知れない)。また、株を公開すると、路線は延ばせないし、株も入手できない。どちらか一方しかできません。このジレンマが、このゲームの一番のテーマでしょう。
 これについては、残念ながら確定的な指針を示すことができませんが、敢えて目安を挙げれば次のようになるでしょうか。

 a.公開すべきケース
  a−1.決算が起こる可能性が高く、手札に有為な株カード(すでに自分が単独の第一株主と確定している会社や、
      出しても第二株主タイにすらなれないなど、無意味な株公開となるものを除く)が2枚以上ある場合
  a−2.決算が起こる可能性が高い場合で、手札に有為な株カードが1枚しかなくても、それを公開しておかないと
      決算時に著しく不利益を受ける場合
  a−3.場にとくに入手したい株カードが無い場合
  a−4.自分の収入を増す線路拡張のための線路カードが手札に無い場合
  a−5.自分のライバルのVPを減らす為に、第三者の株公開まで決算を遅らせたい場合

 b.拡張すべきケース
  b−1.自分がどうしても欲しい株が場に出ている場合。とくに、その株を他プレイヤーが入手することで、
      自分にとって重要な会社の独占株主、単独第一株主、第一株主タイ、または単独第二株主の座が脅かされる場合
  b−2.枚数の限られている(総数20枚の)UP株を入手したい場合。とくに、その数が残り少ない場合
  b−3.早めに決算を起こして、自分の勝利を確定させたい場合
  b−4.いずれの条件にも当てはまらない場合

 どちらかというと、条件bより条件a、すなわち拡張よりも公開を優先するように心がけた方が良いと思われます。自分の手番がまわる度に「あの株が欲しい」と拡張ばかりしていると、決算はすぐやってきてしまいます。そのときになって後悔しても遅いのです。「公開先に立たず」が、このゲームの本質だと思います。


◆最初の決算までの指針

 とくに最初の決算までは、なるべく株カードを公開するように心がけるべきです。 手元にUP以外の株が2枚あったら即公開、という考え方でも良いと思います。
 初期投資とは別に、自分が独占を狙える銘柄があるならばこれを公開しない手はありません。また、自分が公開しておかないと、ライバルの独占を許してしまうような場合があり、これは厳に戒めるべきです。序盤は、1枚だけを公開しても第一株主タイとなり、第2株主分を合わせて折半するようなケースも少なくありませんので、どんどん株カードを出していって良いと思います(ただし、3人以上で同じ会社を争うのはやめた方が良いです)。できたら、株を合計5枚以上公開した状態で最初の決算を迎えるようにしましょう。

 それと、もう一つ序盤気を付けておくべきは独占です。自分が1つあるいは2つ以上の会社を独占できればそれは素晴らしいことですが、逆に自分以外の誰かが独占している会社が無いか、気を付けてみて下さい。そして、そのような会社があるのなら、その会社の株を獲得し、公開して第一株主タイになりましょう。ただ、3人以上で競る場合(とくに小規模会社の場合)は、将来的に第二株主以上になれる自身がなければ、止めておいた方が良いこともあります。他の誰かがその会社の株を手に入れていないか、注意深く見ておきましょう。

 独占会社の株の推移に限らず、誰がどの会社の路線を拡張したのか、どの会社の株を獲得したのかは、注意深く見ておきましょう。これは、非常に重要なことです。ただ、「メモに書く」というのは止めておきましょう。ゲームの進行が遅くなりますし、マナー違反と言えるでしょう。


◆決算はいつ発生するか

 ゲーム中、決算は4回発生します。このうち、2〜4回目の決算カードについては株カードの山札の26枚目以降としか分かっていませんが、1回目の決算カードは7〜25枚目のいずれかと決まっています。すなわち、まだ決算が起こっていないのであれば、次に引かれるカードが何枚目かにより、決算の発生確率が求まります。

1〜6 枚目のとき 決算は起こらない 0.0%
7 枚目のとき 1/19 5.3%
8 枚目のとき 1/18 5.6%
9 枚目のとき 1/17 5.9%
10 枚目のとき 1/16 6.3%
11 枚目のとき 1/15 6.7%
12 枚目のとき 1/14 7.1%
13 枚目のとき 1/13 7.7%
14 枚目のとき 1/12 8.3%
15 枚目のとき 1/11 9.1%
16 枚目のとき 1/10 10.0%
17 枚目のとき 1/9 11.1%
18 枚目のとき 1/8 12.5%
19 枚目のとき 1/7 14.3%
20 枚目のとき 1/6 16.7%
21 枚目のとき 1/5 20.0%
22 枚目のとき 1/4 25.0%
23 枚目のとき 1/3 33.3%
24 枚目のとき 1/2 50.0%
25 枚目のとき 1/1 100.0%

 完全を期する方は、引かれた株カードの枚数をカウントしておくか、あるいは盤上の列車コマの総数から11個(最初から置かれている)を引いて求めると良いでしょう。
 なお、見てお分かりの通り、確率は急激に上昇していきますし、「5%程度」をなめていると痛い目に遭います。公開は早めを心がけるべきでしょう。

 また、26枚目で2回目の決算が起きる可能性は、3/(102−4×人数−4−25)で、6人プレイなら約6%です。この確率をどう捉えるかはプレイヤー次第ですが、私は1回目の決算が終わったらすぐにUP株の公開を検討すべきだと思っています。


◆どの株を公開するか

 通常は単純に、その後すぐに決算がくるものと仮定して、最も収入の上がる組み合わせを選べばよいでしょう。ただし、終盤になって対抗馬がはっきり見えている場合は、対抗馬の収入を削ることも必要になることがあります。例えば、第三者の収入を削って自分の収入を$6増やすより、ライバルから$4を奪った方がよい、というようなケースです。

 また、同一会社の株を3枚以上公開することは手番を得することになりますから、それを待って公開する方法も一つのやり方といえます(とくにUP株など)。ただ、あまりそれを待ちすぎて決算が発生してしまうと大打撃につながりますから、あまり欲張らない方が良いと思います。

 それから、自分がその会社を争うライバルに対して優勢な場合に、持ち株全てを公開するかという問題があります。当然、全部を公開しなくても単独の第一株主が確定する場合(過半数以上を有している場合など)は、余分な株を公開するよりも、可能ならばUP株との交換に使用した方が得策です。またそこまでいかなくても、ライバルに対して2枚くらいの優勢を保っているならば逆転はなかなか無いでしょうから、公開しないでUP株と交換したり、あるいは他の会社の株を公開した方が良いでしょう(ただし、ライバルがどの株を入手したかについては常に気を配るようにしておいて下さい)。

 なお、通常の場合、ライバルは「相手が自分より2枚以上多く持っている」と判断した時点で追うことを諦めます。それに対して、「差が1枚以内」と判断した場合は積極的にその会社の株を入手しようとします。その場合、自分も「防衛買い」をしなければならず、労力を強いられますので、できれば相手の手札にある分を含めた株数を2枚以上上回るように公開しておくのが望ましいと思います。

 なお一方で、第一株主タイの場合には激しい株カードの獲得競争が起こると同時に、相手がその路線を拡張してくれる可能性がかなり期待できることもあります。このような場合に、わざと第一株主タイとなるように一部の株だけを公開しておく方法も考えられます。これは経験上、けっこう有効な戦術とも思われるのですが、決算はいつ起こるか分かりませんので、「策士、策にはまる」可能性があることを警告しておきます。


◆どの会社の路線を拡張するか

 新たな株を獲得するためには、路線を拡張する必要があります。ルール的には、鉄道敷設の条件を満たしているならどの路線を拡張しても良いのですが、勝利するためには、自分にとって有利な路線を拡張するよう務めなければなりません。
 このときの指針は次の通りです。

  1. 将来、自分の収入が最も上がる会社の路線を拡張する
  2. その時点で自分の収入が上がる会社の路線を拡張する
  3. ライバルの収入が上がらない会社の路線を拡張する
  4. 自分が将来拡張すべき路線の拡張余地が広がるように拡張する

 自分の手札の線路カードが許す範囲で、上記の指針をなるべく満たすようにしなけ ればなりません。
 まず、条件1については、
  a.自分が唯一の株主(独占)の会社
  b.自分が単独の第一株主の会社
  c.自分が第一株主タイの会社
  d.自分が単独の第二株主の会社
  e.自分が第二株主タイの会社
 を比較するならば、一般に、 a>b>c>d>e の順に拡張に適しています。前者ほど、自分の収入が見込めるからです。同じ「第一株主タイ」でも、2人がタイの会社と3人がタイの会社では、収入的に前者が優ります。
 また、同じ「単独の第一株主」でも、過半数をすでに制した会社と、第一株主の座を係争中の会社では、前者の方が拡張に適しています。同じ「単独第二株主の会社」でも、「第二株主の確定した会社」よりは「将来第一株主を狙えそうな会社」を選択すべきです。つまり、決算は将来起こるものなのですから、その時点での状況だけでなく、将来の状況を予想して拡張を行うべきということです。
 これに関しては、後述する「どの会社に賭けるか」も参考にして下さい。

 次に条件2ですが、これは、その時点の拡張により即座に自分の収入が$1増えるかどうかを確認せよ、ということです。とくに決算が目前に迫っている場合や、終盤の鍔迫り合いでは$1にこだわることが重要です。
 例えば、自分が単独の第2株主の場合は、「鉄道敷設数+1(本拠地の駅)」が偶数になるように拡張しなければ、自分の収入は増えません。以下の例では、

 a.鉄道敷設数 7−>8 に拡張
   第2株主の収入 拡張前 (7+1)/2        =4
           拡張後 (8+1)/2(端数切り捨て)=4

 b.鉄道敷設数 8−>9 に拡張
   第2株主の収入 拡張前 (8+1)/2(端数切り捨て)=4
           拡張後 (9+1)/2        =5
 となり、aの場合は収入が増えないのです。

 自分が第一株主タイの場合でも、拡張しても収入が増えないことがありますので、注意が必要です。

 続いて条件3ですが、これは、拡張を行ったときに誰が利益を受けるかを確認するべきだということです。自分が第一株主になっている会社の路線を拡張した場合、自分の収入が$1増えると同時に、ライバルの収入も$1増えてしまうかも知れません。自分が唯一の株主になっていない限り、誰かが同時に得をする仕組みとなっていますから、この点も注意が必要です。できればそれ以外の、ライバルが利益を受けない路線を拡張するようにするのです。誰がライバルかを見極めるのは、最初は難しいかも知れませんが、決算が進めば見えてくることでしょう。

 条件4は、ゲームマップ上の路線のつながり方のことを言っています。このゲーム の鉄道敷設には、
 その会社の本拠地駅から連なる路線の、まだ鉄道敷設スペースの残されている路線であること
という条件があります。そのため、路線を拡張していくべき、そのようなスペースを他社に先に押さえられてしまうと、拡張が行き詰まってしまうことがあります。これはこのゲームでライバルを蹴落とすための有効な戦術の一つです。ですので、そのような自分にとって重要な路線をなるべく早く押さえ、また、ライバルにとっての重要路線も押さえて、ライバルを蹴落とすようにしましょう。どの路線が重要かはゲームに慣れてくれば自然と分かると思いますが、一般的にはスペースが1つしか無い路線や、たくさんの路線の分岐点に近く、そこに通じるだけで路線の選択肢が大きく広がるような路線です。


◆どの会社に賭けるか(どの会社の株を獲得するか)

 どの会社に将来を賭け、その会社の株を積極的に獲得するかは重要な問題です。UP以外の株は、最初から手札にあるか、手番が来たときにたまたま場にオープンされているものから選択するか、あるいは山札の一番上から念を送りつつ引くだけですから、かなりその選択が運に左右されることは事実です。ただ、適当に選べば良いというものでは決してありません。また、やみくもに多くの会社に手を出すと、どの会社でも第二株主になれず、ということになります。ある程度自分が賭ける会社を絞り込むべきです。目安としては、少なくとも3社、多くて6社くらいでしょうか。
 この選択の指針を以下に示します。

 1.自分が唯一の株主、第一株主、または第二株主になりやすい会社の株を取得するか、もしくは、
   自分が唯一の株主、第一株主、または第二株主の場合に、それを防衛するための株を取得する(防衛買い)。
 2.すでにかなり規模が大きいか、将来大きくなりそうな(拡張しやすい)会社の株を取得する

 この2者を合わせて考えて判断することになります。これはすなわち、この2つの 条件(株主順位と会社規模)によって自分の収益が決まるからです。

 まず条件1についてですが、
  a.自分が唯一の株主(独占)の会社
  b.自分が単独の第一株主の会社
  c.自分が第一株主タイの会社
  d.自分が単独の第二株主の会社
  e.自分が第二株主タイの会社
で a>b>c>d>e の優先順位となるのは路線拡張の場合と同じですが、小規模な会社の第一株主になることよりも、大きな会社の第二株主になることの方が収入的に大きいこともありますから、常に条件2と組み合わせて考える必要があります。

 また、路線拡張の箇所でも述べましたが、同じ「第一株主」、「第二株主」でも、状況により優劣があります。その評価をするのはなかなか難しいのですが、だいたい次のことが言えると思います。

 1−1.自分が単独の「第一株主」の場合は、「第二株主」との株数差が大きいほど有利
 1−2.自分が単独の「第二株主」の場合は、「第一株主」との株数差が小さいほど有利
 1−3.(この項ではVPを競う意味でなく、株主順位を競う意味での)ライバルが多いほど不利
 1−4.自分の手札にその会社の未公開株があるなら有利
 1−5.ライバルの手札にその会社の未公開株があるなら不利
 1−6.ライバルの手札に銘柄の分からない(最初の手札か、山札から引いた)株があるなら、それが多いほど不利
 1−7.とくに自分が「唯一の株主」や「単独の第一株主」の場合には、山札に残っているその会社の未公開株が
     少ないほど有利(もともと株総数が少ない場合も含む)
 1−8.ライバルが1人で、場にその会社の株が奇数枚出ている場合、自分が先にその1枚を取ることができるならば有利
 1−9.ライバルが自分の上家かそれに近ければ不利
 1−10.ライバルが自分の下家かそれに近ければ有利
 1−11.ライバルがすでに別の会社について他のプレイヤーと競合する状態にあれば有利
 1−12.ライバルがすでに他のプレイヤーと競合する状態に無ければ不利

 このような条件を、総合的に判断して、条件2と組み合わせます。上記のうち、1−9、1−10の、プレイ順の有利不利は、なかなか気がつかないことですが、とても重要だと思います。例えば5人プレイでA社の株を自分と上家だけが争奪した場合、上家以外の4人(自分も含む)が場に補充したA社株はほとんどの場合上家に奪われてしまうのに対して、自分が場から奪えるのは、上家が場に補充した場合だけなのです。

 一方、条件2の方は、その時点の盤上の鉄道会社の規模だけでなく、将来の拡張の余地があるかどうか(スペースがあるか、利用できる線路種類、鉄道コマの残り数、山札にある線路カードの種類)も考える必要があります。
 とくに、中盤以降では拡張が行き詰まってしまう路線が出てくるため、第一株主になれるからといって安易に株を取得しないように気を付けましょう。現時点で行き詰まっていなくても、例えば赤色の会社の路線が非常に早く伸張しているなら橙色の会社は避けるなど、将来を見越した判断も必要になります。

 また、線路種類については、異なる種類の線路を使用する会社を複数押さえておくと、線路カードの無駄ヅモを減らすことができ、効果的です。その意味では、「白色と黄色に賭ける」とか、「白色と黒色に賭ける」、「橙色と水色に賭ける」なんてのはサイテーです。気を付けましょう。


◆決算が起きたら

 決算は機械的に行われる作業ですが、誰がどの会社からどれくらいの収入を得ているか、そして誰が有利なのかを確認しておきましょう。そして、まだ次の決算が残っているなら、上位の人が収入を得ている会社を奪い取ることを考えましょう。


◆個別の会社について

 初期投資のところで、UP以外の各会社の比較をしましたが、株総数、鉄道コマ数、線路種類、および本拠地等の立地条件は一様ではありません。ここでは、個々の会社 について、私の乏しい経験に基づく主観的コメントを書かせていただきます。

灰色(ワイオミング&ウエスタン)
 株総数は6で、水色と並んで最少です。この会社はいわゆる「JR線路」しか使えませんが、山札に占めるこの線路の割合はあまり低くないので、初期投資にはお奨めの一つです。ただし、マップ中央北部のJR線路の一帯には、紺色、赤色、黒色が比較的早いうちから進出してくるので、中盤以降は行き詰まることが多いです。中盤以降はあまり期待しない方が良いでしょう。

水色(マーケット・ロッキー・ロード)
 株総数は6。恐らく、このゲームで最強の会社でしょう。初期投資には申し分ありません。株数が少なくて独占しやすいにもかかわらず、最初から2種類の線路を使用できるため、どんどん路線を拡大できます。この会社が鉄道コマを使いきるのは珍しいことではありません。ゲーム序盤なら、第一株主タイや第二株主も悪くはありません。積極的に株を拾って公開しましょう。かなり収益の得られる会社なのに、3株持てば第一株主は確定です。中盤以降まで登場が遅れるようなことがない限り、お奨めの鉄道会社と言えます。運悪く誰かにこの会社の独占を許してしまった場合は、周囲の鉄道会社をみんなで伸ばして袋叩きにしましょう。

茶色(カンザス・シティ・セントラル)
 株総数7。ちょっと地味な会社です。利用できる線路カードが少ないのと、周囲の路線にスペースが少ないので早期に立ち枯れてしまうことの多い会社なのですが、たまに紺色が伸びなかったりすると、大きくなることがあります。対応する線路カードが手元にあるならば、初期投資には向いた会社といえるでしょう。

橙色(エンパイア・ステート・ライン)
 株総数7。最も人気のない会社です。マップ北東部は路線スペースを奪い合うのが水色くらいなので、スペースが無くなってしまうことはあまり無いように思いますが、それ以上に線路カードが入手困難であることが致命的です。まぁ、対応する線路がまわってきたときには初期投資向き、それ以外は小遣い稼ぎ程度の会社と思った方がよいでしょう。

・白色(ユナイテッド・メキシカン・レイルウェイズ)
 株総数8。中央に線のない線路は14枚もあるので、悪くない会社です。ただ、周囲には勢力の強い大会社が存在するので、路線拡張に注意が必要です。中央南のサンアントニオ〜ダラス間を緑色・黄色に押さえられると、東へは伸びられません。また、ソルトレークシティより北は黒色と赤色に押さえられてしまうでしょう。そのため、緑色・黄色に先着できるかどうかが鍵となります。このぐらいの規模(株数)になると、だんだん株の争奪が激しくなってきます。

紺色(スー・フォールズ・ロイヤル・ブルー)
 株総数9。SIOUXとは、スー族のことです。それはともかく、この会社はかなり有力です。中堅の会社であるにも関わらず、3種類の線路を使用できます。序盤に出遅れることがなければ、中盤以降も確実に成長し、コマを使いきることも珍しくありません。そのため、株1枚あたりで得られる収入は、水色に次いで多いのではないかと思われます。この会社にとって重要課題は、できるだけ早く北上してウィニペグに接続するか、あるいは南進してダラスに接続することです。そうすれば、中央に線のない線路を使用できるようになります。南は、緑色、黄色、白色と争うことが予想されますので、できれば早くウィニペグに接続する戦略をお奨めします(赤色との競合を防ぐため、最初の進路はマーケット経由の方が良いと思います)。

・黒色(デンバー・ミッドランド)
 株総数10。中堅どころです。良くも悪くもないような気がします。このくらいになると、第一株主を取るには最終的には4株くらい必要でしょう。初期投資にも悪くはないですが、守りきるのは難しいかも。線路種類が少ない割にはそこそこ伸びますが、過大な期待は禁物です。ソルトレークシティは通常は越えられるでしょうが、白色・緑色に先着させないよう注意が必要です。また、JR線路が飽和するととたんに苦しくなるので、こちらで行き詰まらないよう注意することも必要です。

黄色(マイアミ・サウザン)
 株総数12。初期投資には向かないでしょう。終盤、この会社の争奪が勝敗を分ける展開が多いような気がします。東海岸からの北上は通常問題ないはず。むしろ、茶色と紺色、緑色が伸びないように中央を重視すべきでしょう。自分が紺か緑なら、北上に専念します。茶色とのコンボは避けましょう。

赤色(ビリングス・ノーザン・ライト)
 株総数15。勢力は堂々第2位の会社で、その株主の帰趨は当然勝敗を左右します。  油断しない限り、中盤でこの会社の線路が行き詰まることはほとんど無いでしょう。  ただ、株数が多すぎて、第一株主を確保するのは大変でしょう。

緑色(エルパソ&リオグランデ)
 鉄道会社自体は、ゲーム最強です。どの線路カードでも使えるので、なかなかその拡張は止められないでしょう(でも、赤色よりは止まりやすい気がします)。注意すべき箇所としては、サンアントニオ〜ダラス、ソルトレークシティー〜ビリングス、カンザスシティー〜メンフィスといったところでしょうか。この3ヶ所うち最低1ヶ所を突破しないと詰まってしまいます。初期投資には向きませんが、最初から2路線が置かれていますので、序盤から株を公開しておいても悪くない会社です。2人が第一株主タイでも、1路線拡張するだけで$3ずつ得られます。この会社は3人以上が競合することも珍しくありませんが、はっきり言って損です。運悪く第3株主となってしまったら、何も得るところがありません。ただ、たまたまそのようなカード巡りになってしまったら、これは仕方ないかも知れませんね。逆に、見切る人が多くて少ない労力で第2株主以上になれるのなら、とても美味しい会社です。大きく成長することは保証されている会社ですから。

 総合的には、水色と紺色が1株あたりの価値が高く、有力と思います。ただし、緑色や赤色は場に4枚揃って一挙に流れてしまうことがあり、その場合は1株あたりの価値がとても高くなります。また、小さい会社でも、序盤に線路カードがうまく流れ込んだ場合や、独占に成功した場合は非常な爆発力を発揮することがあります。


◆ユニオン・パシフィック社

 ゲーム中盤に発生する、UP株の争奪戦はこのゲームの大きな目玉です。UP社の最大収入は20で、通常会社の赤色と同等、緑色より劣るのですが、

  1. 路線を拡張しなくても規模が確実に大きくなる
  2. 第五株主まで収入が得られるので、争奪戦に勝てなかった場合でもそこそこの収入 が得られる
  3. 第二株主以下のもらえる収入は、通常会社の第二株主よりも割が良い
  4. 手持ちの不要な株をUP株と取り替えることができる
  5. 拡張と交換とで合わせて2枚を同時に入手できる

というような理由で、激しい争奪戦が起こるのが普通です。ただ、UP株は本当に必要なのでしょうか?

 UPの第一株主や第二株主になることが必要かと問われれば、答えはNoです。UPの第一株主になるよりも、その代わりに赤色や緑色の第一株主が奪えるのなら、通常はその効果の方が大きいです。UP株の第一株主や第二株主を奪っても、第三株主や第四株主に対して付けることができる差はそんなに大きくありません。順位が2つ違っても、トータルで付けられる収入差は$18です(3回の決算を合計しても)。それに対して、最大拡張になった緑色なら、2回の決算だけでも第二株主に対して$24、第三株主以下に対して$48の大差を付けることができるのです。その意味では、必ずしもUPの第一株主にこだわる必要は無いのです。

 ただし、一般的には、なかなかそういった大きな会社を奪い取るチャンスには恵まれないものですし、各会社の支配権がある程度固まってしまう中盤以降は、まだ支配権が定まっておらず、かつ少ない労力(無駄株の交換と、少ない株数)で中堅会社の第一株主にも匹敵する収入が得られるUPは魅力的な存在です。もし、他にどうしても奪取したい(防衛したい)通常会社が無いならば、積極的に狙ってみるのが良いでしょう。個人的には、UP株は黒色や黄色の会社の単独第一株主を擲って狙うほどのものでは無いと思っているのですが・・・。UP株は、第一株主を狙うかどうかは別として、たいていの場合はある程度獲得を考えるべきものです。UP株は全部で20枚しかない(最初に全プレイヤーに1枚ずつ配られる分を含む)ですし、誰がUP株を新たに獲得したかは必ずカウントするようにしましょう。

 なお、UP株への交換を利用した、自分の手持ち株の価値を高める常套手段があります。例えば、自分が黄色の会社の単独第一株主で、場に黄色の株が出ているなら、路線を拡張した際にそれを拾い、さらにこっそりUP株に換えるのです。浮いている黄色の株が減ることで自分の第一株主の座は安定感を増し、それと同時にUP株を手に入れることができます。また、黄色の株をUPに交換したことに第二株主が気づかなければ、第二株主は黄色の会社の第一株主の座を諦めてくれるかも知れません。このテクニックは、非常によく使われるものですので、是非ご記憶下さい。なお、あとでその会社の株数を逆転されて、「UPに換えなければ良かった」ということが起きても、私は一切責任をとりません。

 当然知っておかなければならないルールとして、UP株は1手番で2枚入手できるということがあります。路線拡張をした場合には、場の4枚のうち1枚を選ぶか、山札の一番上の1枚を取るか、あるいはUP株(まだ残っていれば)を入手できます。これに加えて、手元に持っている任意の株(UP株以外)をさらにUP株と交換できますから、一度に2枚入手できるということになるのです。

 また、UP株を取り、かつ手札の交換をしなかった場合は決して決算が発生しません。路線を拡張したいけれども決算を起こしたくないような場合は、このような方法も選べるわけです。


◆山札のカードを直接引くこと

 路線拡張した場合には、場にオープンされている札やUP株を選ばず、株カードの山札の一番上の1枚を取ることもできます。この札はどの会社の株だか分かりませんから、欲しい株が場にあるのであれば、そちらを選択すべきです。しかし、最も欲しい株カードが場にないなら、山札に賭けてみるのも一つの方法です。

 もしUP株がまだ残っているならば、引いたのがあまり自分にとって有益でない会社の株だったとしても、UP株に交換することができます。ですから、「駄目だったらUPでもいいや」という気持ちで挑んでみるのも良いでしょう。ただ、もしUP株が売り切れてしまったのなら、クズ札は交換できませんから、それを必ず確認しておきましょう。

 なお、山札から引いた株は、他のプレイヤーに内容を知られません。そのため、例えば、欲しい会社の株が場に2枚出ているためにそれを取れない(自分が取ると、ライバルにもう1枚を取られてしまう)というような場合に、山札の株が局面を打開してくれるかも知れません。残りの山札の株の内訳を推測しながら、場合によってはチャレンジして見ましょう。


◆全体を通して

 すでに述べてきたこのまとめとなりますが、このゲームで勝利するためには、できるだけ多くの会社から、できるだけ少ない株数で効率よく収入を上げることが勝利の鍵となります。そのためには、どの株を取得、あるいは公開したら収入が得られるのかをよく見極めることが必要です。特定の会社の第一株主を奪い合って株を何枚も取り合うようなプレイは非常に非効率で、厳に戒めるべきです。むしろ、第一株主を無理やり取りに行くよりも、1枚か2枚の株で第二株主になれるような会社をいくつも確保し、お小遣いをたくさん集めてまわるようなプレイの方が効率的な場合も多いです。

 ただ、株を獲得するために路線の拡張は必ず行いますから、確実に自分の収入を増やしながら株を獲得できるよう、単独第一株主をつとめる会社(できたら大会社)が最低1つは必要です(2つあれば理想的です)。ちなみに各プレイヤーは、ゲームを通して、15〜25回程度(プレイ人数や最後の決算が起こる時期によって変わります)路線拡張を行います。このため、その手番で最大限に拡張できる会社の数は1つまたは2つでしょう。(第二株主が協力してくれれば、もっと楽になりますが)。

 さらに多くの収入を獲得するために、あるいはライバルの収入を削り取るために、ライバルの会社を奪い取ることは重要です。ただ、それに代えて自分の収入源を奪い取られないようにしましょう。どちらかというと、攻撃より防御を重視するべきでしょう。ライバルが持っているより2枚以上多くの株を公開すれば、その攻撃を思いとどまらせることができるでしょうから、それも利用しましょう。

 また、各会社の成長速度にも注意が必要です。ゲーム中盤になると、拡張しにくい小規模会社は周りのスペースを塞がれて行き詰まってしまい、収入が伸びなくなります。たとえ、序盤に小規模会社で収入を上げたとしても、中盤以降は中堅以上の会社やUPで収益を得られるようにしないと、決算が後半に偏った場合は勝てません。経験的には、中堅以上の会社と小規模会社2つずつ(うち2社で第一株主)から収入を得て、さらにUPからも収入が得られる程度でないと、勝利は望めないのではないかと思っています。自分が小さな会社しか支配していないなら、中堅以上の会社にも手を出しましょう。

 勝利に必要な総得点は、決算が早いか遅いかによって変わりますし、また、プレイ人数によっても変わるのですが、一般的には140点以上取ればだいたい勝てるように思います。

 「ユニオン・パシフィック」は交渉要素のあまりないゲームですが、それでもマルチプレイヤーズ・ゲームです。プレイヤー間がバランスを取り合わないと、特定の人の独走を許し、興ざめな展開になってしまいます。それを防ぐためには、常に誰が有利かを考え、また、誰が何を狙ってプレイしているのかを、そのプレイヤーの行動から推測しつつプレイすることが必要です。

 


 だらだらと長い文章になってしまいましたが、この文章を読んで少しでも面白そうだと思った方は、是非一度チャレンジしてみて下さい。青柳保彦君が激賞するほど名作ゲームかと言われると少し疑問ですが、前作の「エアラインズ」よりはるかに洗練され、薬味も利いた、なかなか面白いゲームではあると思います。