建設省との話し合い概要〜2000.9.27〜
→ 細流には一切手を加えない!!
1.日時 2000年9月27日(水曜日)19:35〜21:00
2.出席者:建設省関東地方建設局 相武国道工事事務所 調査第二課
日本道路公団東京建設局八王子工事事務所
調査コンサルタント
平井ホトケドジョウを守る会
3.目的:「平井ホトケドジョウを守る会」の圏央道工事に対する見解(詳細はホームページ
平井川流域のホトケドジョウが危ない参照)には誤解があると思われる。話し合いの場を
持つことで双方の誤解を無くし、理解を深めることを目的とする。
4.内容
4−1.建設省関東地方建設局の見解
建設省関東地方建設局の見解を以下に記す。
@圏央道工事に対する建設省関東地方建設局の見解
圏央道の工事では、事前に環境アセスメントにのっとった工事対象地区の調査を行ない、
十分に検討した後、工事を施行した。
鯉川に関しては流れを付け替える工事をする予定であったが、調査により判明した「豊
かな自然環境」を守るために、一時的に川底にパイプを通すことで生態系へのダメージを
回避した。また工事排水に関しては、浄化槽を設け、一旦水をきれいにしてから川に戻す
方法を用いた。
調査の結果に関しては、現在東京都に報告する資料を作成中であり、今年度中に提出予
定である。
A鯉川の流れ込み細流に関しての見解
鯉川の流れ込み細流に関しては(図1参照)柵を立てられた区域内が、工事対
象地区に該当している。但し、この付近の圏央道は地上建設ではなく地下トンネルである。
これについては、地上からトンネルの上限までの地表の厚さ(ドカグリと呼ばれる)が
10M以下であったため、他の一般的工事と同様に用地買収を行い、該当地区の建造物、
及び立ち木を撤去した。
現在はすでに工事は完了し、該当地区地下10Mのところにトンネルが完成している。
トンネルの周りには防水加工が施してあり、トンネル及びホトケドジョウ生息地への影響
は無い。
次に、該当地区の今後の工事予定については、15,000平方メートルという広大な
土地を、そのまま放置するわけにも行かないため、何らかの形で工事を施行することにな
る。しかし、調査の結果を鑑みても、自然環境が豊かであり、細流をできるだけそのまま
の形で残す方向で計画をすすめる予定。
現段階では全くの白紙であるが、住民の意見を取り込みながら、自然と人が触れ合える
ような公園のような場所を作れればいいと考えている。但し、ここから先の工事に関して
は圏央道に直接的に関係するものではなく、主体があきる野市に移ってくるため、当該事
務所の手を離れることになる。したがって、その工事に関してはあきる野市と直接交渉す
る必要があり、当該事務所には責任および交渉権は存在しない。また、計画に関しては、
工事の発注をするまでは公表できない。
「平井ホトケドジョウを守る会」HPの内容には誤解があると判断される。
このような内容は他団体を著しく刺激する恐れもあり、出来れば改定を願いたい。
4−2.「平井ホトケドジョウを守る会」の要望とそれに対する回答
「平井ホトケドジョウを守る会」の要望に対する回答を実際の会話から抜粋で以下に記
す。
@工事の日程や、計画を地元の住民に何ら知らせることなく、不安を与えたことは事実。
今後の工事については、決定前に何らかの方法で住民に知らせてほしい。
「それは出来ません。工事の発注をしてからどういう風になるのか、ご希望であればお知
らせすることは可能かと思われます。」(日本道路公団)
「今後は圏央道工事の終了に伴い、日本道路公団とあきる野市の管轄になります。
地元の人の意見を踏まえながら日本道路公団とあきる野市で話し合って、
地元の人に喜んでもらえるようなものを作りたいと考えています。」
A今後の工事についての現段階での、決定事項を知りたい。
「全く今は白紙の状態です。」(日本道路公団)
「かなり広大な土地なのでこのまま草をはやした状態にしておくわけにもいかないので、
これからの方向としては地元の人の意見を聞きながら、
地元の人に利用してもらえるようなモノを作っていきたいと考えています。」
「公園みたいなものを作りたいと考えています。
遊歩道みたいなものを作ったりとか、木を植えたりとか…。
橋をかけたりするようなことはあるかもしれませんが
細流には一切手を加えないつもりです。」(日本道路公団)
「今の段階でははっきりとは申し上げられません。
全くの白紙の状態です。」(日本道路公団)
B実際の調査方法について知りたい。
「鯉川細流についての調査は行いましたか?」(平井ホトケドジョウを守る会)
「鯉川については上流中流下流の3点で調査を行いました。鯉川本流上流域に関しては我々
もホトケドジョウを確認しました。」(建設省)
「ホトケドジョウの生息地として条件を満たしているのは鯉川本流ではなく、
むしろ細流の方だと思いますが・・・。」(平井ホトケドジョウを守る会)
「先日、細流に関して実際に我々も調査をしてみて、ここにホトケドジョウがいっぱい
いることを確認しました。」(建設省)
「この付近の平井川には多数のジュズカケハゼが生息していますが、圏央道工事に関する
調査では、このジュズカケハゼがもれています。少し調査が甘いのでは?」(平井ホトケド
ジョウを守る会)
「全てを調べ尽くすというよりも工事前、工事後で大きく変化していないかということの
調査であると理解して下さい。」(環境コンサルタント)
「平井川流域では全体的に渇水化が進んでいますが、圏央道の工事に関してその点は考慮
していますか?」(平井ホトケドジョウを守る会)
「地下水の影響も考えられますが、工事前、工事後の調査から、工事によって細流が枯れ
るということは無い事を確認しています。」(建設省)
「鯉川については工事が終わったところなので東京都に報告するために打ち合わせている
最中です。今年度中には報告できると思います。」(建設省)
C「ホトケドジョウ」をはじめとする、激減する平井川流域の生物生息域をこれ以上破壊
しないでほしい。
「細流に手を加えたりするようなことは、全く考えていません。
基本的にはそのまま残していく考えです。」(建設省)
「今後、工事(圏央道)のためにここをいじるってことはありません。」(建設省)
5.結論
・ 平井川、鯉川周辺の圏央道工事は完成している。
・ 鯉川細流の工事ついては今後は道路公団とあきる野市の管轄となり、現段階では白紙の
状態。但し、細流に関しては一切手を加えることは無い。
6.所感
・建設省、日本道路公団の双方からホトケドジョウ生息地(鯉川細流)には手を加えないという
意思を確認することが出来たことは大きな収穫であった。これからの動向に注目していきたい
と考えている。
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