更新日2010年4月28日

正常眼圧緑内障
緑内障クリニック
正常眼圧緑内障NTG
   
1.症状:原発開放隅角緑内障と類似している。視野欠損まで進行しないうちは、無症状、
自覚症状も眼精疲労や頭が重い、片頭痛などの不定愁訴があることもある。
初期には長い時間をかけてゆっくりと進行、進行するにつれて進行の度合いが強くなる。

正常眼圧緑内障と対比しているのが急性緑内障で、急激な眼痛・頭痛・吐き気などの症状です。
   
2.頻度:40才から増加し、加齢とともに多くなる。日本人は正常眼圧緑内障が多いことが特徴である。男女差はない。
   
3.発生機序:正常眼圧緑内障では、発生機序は不明。眼圧に対する相対的な蒒板の脆弱性に加えて血管障害があるとの考えが多いようである。
危険因子は加齢と近視である。高頻度乳頭出血も特徴的である。
   
4.診断基準:①正常眼圧、②正常開放隅角、③緑内障視神経乳頭変化、網膜神経線維層欠損があり視野欠損が対応している、視神経乳頭出血の出現。④眼圧上昇に関連する眼の疾患、視野異常と関連する疾患との鑑別診断が行なわれている。⑤眼底三次元画像解析が初期には助けになる。
   
5.治療:5年以上の無治療経過観察では進行している場合も多いので、気を抜くことなく30%あるいは、10~12mmHg,13mmHg以下ぐらいの目標眼圧を達成し続けると良い。
眼圧下降治療が有効であるので、正常眼圧の進行は眼圧依存性と考えられる。
点眼薬で目標眼圧が達成できる組み合わせで、根気良く緑内障管理を行なう。レーザー治療もSLTなど新しい治療を採用しており、薬物のみで不十分な場合使用する。視野障害進行が早いときは濾過手術も検討する。
   
 6.角膜厚により、眼圧測定値と真の眼圧との間に乖離を生ずる。角膜が正常より薄い場合には眼圧が低い成績でも緑内障進行が起こる。治療、正常眼圧緑内障経過観察においては、角膜厚測定を必ず行っておく。