続発開放隅角緑内障
1.ステロイド緑内障
2.ポスナーシュロスマン症候群
3.血管新生緑内障
 1.ステロイド緑内障
1.ステロイド緑内障とは
ステロイド点眼で高眼圧になるステロイドレスポンダーは人口の30%程度である。
強いステロイド薬の点眼や全身投与などの投与期間、投与量によってはすべての患者に眼圧上昇が起こる。
.ステロイド投与による、眼圧上昇は、投薬中止により眼圧は正常化することが多い。
 ステロイド中止後4週間で眼圧正常化しない場合、緑内障の併発があるか、ステロイド長期使用による房水流出路の障害が考えられます。
 2.症状
自覚症状は無い。長期間、高度の眼圧上昇があった場合、視力低下、視野障害が進行していることがある。
 3.治療
ステロイド中止、眼圧下降点眼薬や炭酸脱水酵素阻害薬内服などで眼圧正常化して、視神経の障害を防ぐ。
ぶどう膜炎などがステロイド使用の原病である場合は縮瞳薬は禁忌である。
4.手術
薬物療法で十分期間 経過観察し、患者が薬物に耐えられない場合に手術の選択肢がある。
眼圧コントロールの困難性により、トラベクロトミー、トラベクレクトミーのいずれかを選択することが多い。
5.注意
ステロイドの点眼、全身投与の場合、眼科で必ず眼圧チェック、視神経・視野検査などを受けることが、ステロイド緑内障を予防する。
 2.ポスナー・シュロスマン症候群
1.ポスナーシュロスマン症候群とは
青年期に発症することが多い。大多数は片眼に発作が来る。
虹彩毛様体炎にともない、40〜60mmHgまで一過性に眼圧が上がる。発作は自然におさまる。発作と次の発作の間には炎症はない。
原因は不明。
 2.症状
発作じに、視力低下、霧視、虹視などがあるが、眼痛は無い。
炎症産物が角膜裏面に沈着、前房に細胞やフレアが見られる。角膜の浮腫や瞳孔散大があることがある。
 3.治療
発作時、眼圧下降点眼薬、ステロイド点眼薬、炭酸脱水酵素阻害薬内服などで眼圧正常化と炎症の治療を行う。
縮瞳薬は禁忌。プロスタグランディン点眼薬は使用しないほうがよい。ステロイド緑内障を回避できるようなステロイド点眼薬の使用を行う。
 3.血管新生緑内障
1.血管新生緑内障とは
難治性緑内障。最初は開放隅角であるが末期には周辺虹彩癒着が起こり閉塞隅角になる。
原因となる病気は局所的には網膜虚血です。
、糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症が代表であるが、そのほか網膜虚血をきたす病気でも出現する。
血管新生緑内障無治療時経過:初期 開放隅角→中期 閉塞隅角→緑内障→末期 絶対緑内障→失明
 2.症状
初期は無症状。眼圧上昇が強くなると、霧視、虹視、眼痛などをみる。
急速に眼圧が上昇し、急性緑内障発作を起こした場合は、激しい眼痛、眉毛部痛、頭痛、吐き気の症状が出る。
高眼圧が続行すれば、視神経障害・視野障害が出現。閉塞隅角期から絶対緑内障期にすすみ、失明する。
 3.治療
@原因疾患の治療。眼原因疾患の網膜虚血に対する治療。
A眼圧コントロール。
 4.予後
予後は極めて不良。眼科以外の全身原因疾患 高血圧、動脈硬化、糖尿病などを有する患者は定期的に眼科チェックを受なければならない。
網膜虚血の検査・緑内障検査を受け、眼底網膜虚血や虹彩の血管新生早期治療を行う。