抗 議 文
 2020年12月14日
 原子力規制員会
委員長 更田豊志 殿
核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団
代表 浅石 紘爾 

 
1.規制機関としての不適格性

貴委員会は、これまでの611か月以上の間、規制機関としての中立性、公正性の立場をかなぐり捨てて、再処理をはじめとする核燃料サイクル施設の運転継続を積極的に推し進めてきた。本件許可はその締めくくりで到底容認できるものではない。

2.MOX燃料加工の必要性はない

  再処理あってのMOX、プルサーマルあってのMOXである。

  もんじゅ廃炉を挙げるまでもなく再処理は破綻状態に陥っており、再処理工場の本格稼働は絶望視されている。

  仮に稼働できても、プルトニウムの余剰保有非難に対応して工場でのプルトニウム抽出は大幅に制限される。

  従って、本件施設に対するMOXの供給はストップもしくは限定される状況は容易に想定される。他方、16〜18基のプルサーマル計画が立てられたのは2000年長計であるが、それから22年経った今でもプルサーマル原発はわずか4基にすぎず、増加の見通しはない。12基構想など机上の夢物語である。

  以上、要するに、本件施設へのMOX供給は保証されず、他方MOX燃料の需要は見込めない。

  よって、本件施設は、建設、運転の必要性が全くない不要不急の工場であると言わざるをえない。

3.災害防止上の支障が存する

本件施設の立地条件は劣悪である。施設近傍の陸域・海域には大活断層が存在し巨大地震を引き起こしたり、十和田・八甲田カルデラ火山は大噴火を起こしたりなどして、本件施設損壊による大事故発生の危険性をはらんでいる。

目前の危険は、三沢基地所属の軍用機などの落下による施設破壊による大量の放射能放出事故である。

本件審査には、このような自然災害、人為的事故に起因する重大事故対策を欠く過誤・欠落がある。

4.技術的能力の欠如

日本原燃にMOX加工の技術的能力がない事実は、@工事の設計・施工上で共通性を有する隣接の再処理工場を建設・管理・運転するにあたり、これまで百数十件の事故・トラブルを繰返し、完工が予定より25年も遅れること、A加工技術を云々する前に建屋建設中建造物を支えるコンクリート基礎部分の鉄筋が地下23階の広範な個所で発錆している不手際を長年放置してきたこと、Bこのような手抜き欠陥工事は民間の一般的な建築工事でもありえない初歩的なミスであること等に照らすと、その無能振りは明らかである。

貴委員会の審査能力を疑う前に、審査意欲自体の無さがこのような非常識かつ不合理な審査結果を出すに至ったものであり、審査の過誤は明らかである。よって、今回の「審査書」をもって、日本原燃の技術的能力が担保されたと認めることは到底出来ない。

5.経理的基礎がない

通常の原発に使う燃料加工費に比べ、MOX燃料加工費は約30倍かかるとされており、しかもそれを1度だけ原発で燃焼した後は、乾式貯蔵するしかないというのは、経済的に無駄であるし、技術的にも無理な話である。なぜなら、通常の原発なら約4年の冷却で済むのに比べ、MOX燃料を冷却するのに100年程度かかるという知見もある。プルサーマルをした後の燃料を長期間プールで冷却する間に原発が廃炉となり、そのことが加工工場の審査に影響しないという考え方は間違っている。

6.無責任な余剰プルトニウム対策

同日の記者会見で更田委員長は、「再処理工場から取り出したMOX燃料を加工した上は、早期に原子炉で燃やす必要があるが、その後は再処理する計画がないので、当面は乾式貯蔵する必要がある」と述べている。だが、日本は既に約45トンのプルトニウムを保有しており、これを使い切るだけのプルサーマル計画を進めることが事実上困難な状況にある。そのような中で、果たして六ヶ所再処理工場を操業させてプルトニウムを抽出させることを、日本の核武装を懸念する世界が黙っているはずがないが、それは原子力委員会が判断すべき事項と逃げており、貴委員会の無責任体質が明らかになっている。

7.許可の撤回を求める

本件施設の総事業費は約23400億円であるが、再処理やプルサーマルが破綻状態にある現在、このような巨費をかけるのは国民の資産をドブに捨てるような無駄な試みである。

原告団は、このたびの不合理にして無責任極まりない本件施設の事業変更許可に強く抗議するとともに許可の撤回を要求する。
 



「MOX燃料加工事業許可処分」
に対する
異議申立に係る
口頭意見陳述会
 
 日時:平成22年12月15日(木)
         午後1〜4時
 場所:東京都 霞ヶ関 経済産業省


     傍聴希望者は12月3日までに原告団事務所
0178−47−2321 FAX へ
氏名・住所・連絡電話番号を記入して申込下さい
事前申し込みをしないと経産省には入れません

集合場所:日本弁護士連合会 弁護士会館 1Fロビー
       東京メトロ 丸ノ内線霞ヶ関駅 出口B1b
時間:12月15日 12:10  
時間が変更になりました
当日持参するもの:身分証明書(運転免許証、保険証)は別途


12:45出発で弁護士会館から経済産業省へ徒歩で移動します

当日直接来る方は
経済産業省本館17階  第3特別会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1−3−1)
持参するもの:身分証明書
        
 
日本原燃株式会社再処理事業所における

核燃料物質の加工事業許可処分に対する
異議申立書
2010年(平成22年)7月 9日

wordファイルはこちら
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口頭意見陳述会の当日、

当原告団長より
「六ヶ所再処理工場の現状とMOX燃料加工施設についての現状報告」

渡辺満久さん(東洋大学教授・変動地形学)の
「核燃サイクル施設周辺の変動地形について」
の講演があります。
 六ヶ所再処理工場・MOX工場の安全性に異議あり!

六ヶ所再処理工場は、高レベル放射性廃液でガラス固化体を製造する工程がうまくいかず、とうとう工場の稼働予定を2年間延期しました(新しい予定は2012年10月)。しかし2年間にやることは、ほとんどがガラス溶融炉の設計変更と改良工事、その確認試験。これできちんとガラス固化体が作れるのかというと、「???」の状態です。

 再処理工場本体が計画延期を続ける一方、再処理工場で生産されるプルトニウムを使ったMOX燃料工場が、再処理工場の敷地内で建設開始されました(10月28日)。こんな工場は本当に必要なのでしょうか?

 浅石紘爾(核燃サイクル一万人訴訟原告団長)から六ヶ所再処理工場の現状とMOX燃料加工施設について報告いたします。核燃料サイクル施設周辺の断層、変動地形について、さらに国の耐震バックチェックの問題点について、渡辺先生にお話ししていただきます。


日時:2010年12月15日(水)18:30〜20:30


会場:総評会館階501会議室

  アクセス方法  http://www.sohyokaikan.or.jp/access/


資料代:500円

*報告:

「六ヶ所再処理工場の現状とMOX燃料加工施設について」

浅石紘爾(核燃サイクル一万人訴訟原告団)


*講演:

「核燃料サイクル施設周辺の変動地形について」

渡辺満久さん(東洋大学教授・変動地形学)