縄文杉

縄文杉




苦労も多いが、それだけ出会った感動も大きいものでした。


縄文杉へは往復で約10時間ほどかかるということなので、前日にお弁当を二つ買って朝6時に宿を出ました。
7時前に登山口に到着。朝御飯の弁当をたいらげていざ出発。
歩き始めて1分ほどでいきなり最大の難関が僕の目の前に立ちはだかりました。それは吊り橋(?)なのですが、長さは20mくらいで、高さが15m位なんですが、写真でもわかるように手すりも何もなく、風がぴゅーぴゅーと吹いてきて死ぬほど恐いのです。

何とか渡りきりそれからは安全な道が続きます。
トロッコの道をはさむように雄大な自然が僕を迎えてくれます。

1時間ほど歩いたでしょうか、再び最大の敵2が現れます。それを何とか渡りきると、小杉谷小学校・中学校跡が現れます。
今はもうこの辺に人は住んでいませんが、昔は杉を伐採していた家族がここら辺に住んでいたらしく、それを思わせるように学校や家が建っていた跡があります。

それからはひたすらトロッコ道を歩きます。結構楽なように見えるのですが、これで結構歩きにくいんです。体力的には何ら問題はないのですが、足が疲れてきます。
しかし、まわりの美しい景観に疲れはわすれてしまいます。

ひたすらトロッコ道を2時間ほど歩くと、遂にトロッコ道が終わり、本格的な登山へと形を変えます。これがまた結構つらい・・・ある程度のつらさは予想していたが、まさかあれほどまでとは思わなかった。(大袈裟にいっていますが、あくまで僕の予想と違っていただけです。)
この登山道を1時間ほど歩くと、この登山の一つの目玉 「ウィルソン株」が現れます。中は10畳ほど程あるらしく、この中の水が最高においしいです。是非飲んでください。
またウィルソン株の裏の方は「もののけ姫」そのものの世界が広がっておりますので、行く人はチェックしてみてください。

ウィルソン株で一服したあと、再び縄文杉へ向けて歩き出します。ここまで来るとあと1時間ほどで到着なのですが、ここからがまた結構きつい。まだかまだかと気合いを入れて歩きます。
すれ違う人に「こんにちは〜、あとどれくらいですかね?」なんて事を聞き、自分にあともう少しだと気合いを入れたりします。
ここまで来ると休憩をとる間隔が徐々に早くなってきます。
そんなこんなでやっとの事でたどり着き、縄文杉は僕の目の前で大きく立ちはだかっていました。
根が弱ってきているらしく近づくことは出来ないのがちょっと残念でしたが、それでも7200年という歴史を感じずに入られないほど大きな杉でした。ちなみに写真に写っているのは林野庁の方で、なにやら写真を撮っていました。

縄文杉を見ながら昼食をとったのですが、少し動かないとめちゃくちゃ寒くなってきて、飯どころではなくなってしまいます。
本当はもう2,30分いたかったのですが、あまりの寒さに風邪をひきそうなので、40分ほど滞在したあとその場を立ち去りました。
帰り道は下りがほとんどなので行きよりもとても楽です。その分まわりの景色も余裕を持って味わうことが出来ました。
また、ヤクシカやヤクザルにも出会うことが出来、野生を味わうことが出来ました。

と、まぁ自然を満喫しながら悠々と下山していましたが、重要なことを忘れていました。そう・・・最大の難関です。帰りは徐々に風が強くなっている状態でした。このままでは渡ることが出来なくなってしまいます(精神的に)。自然と足取りも速くなります。
そしていよいよい最後の難関です。案の定風は強くなっていて、どうしようか思案していましたが渡らなければ帰ることは出来ません。答えはただ一つ「気合い!」あるのみです。こんな時にドラエもんのことが頭に浮かびます。たしか「思いこみキャップ」だったかな?その帽子をかぶって、思いこみをすればその通りに感じることが出来るのです。要するに現状でいえば「ここは普通の道路だ・・・」と思い込むことで、恐怖心をぬぐい去ることが出来るのです。「無理とは知れどドラエもんが欲しいな」と心の中で叫びながら、一歩ずつ歩を前へ進めます。風がぴゅ〜っと吹いてきて立ち止まると、今まで感じたことのない恐怖心が僕を襲いました。「落ちたら死ぬで・・・」誰かが耳元で囁きます。
僕は自分を奮い立たせるように早歩きで歩き出しました。あと10m、5m、3m、2m、1m!ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜ル!!!!!やっとの事で登山口へ戻ることが出来ました。
いや〜何はともあれ縄文杉はすごかった・・・







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