Haino Keiji
灰野敬二 「不失者」 1987年4月法政大学学館ホール Photo by Gin Satoh






























灰野敬二を観る撮る

灰野氏のステージを一度観たら、その強烈な演奏スタイルが焼きつき忘れられない記憶として残る。楽器からだけでなく全身から音が炸裂し共鳴し震えている。

ステージに繰り広げられるライブシーンを撮ることを、アクションポートレイトと名付け位置付け、ミュージシャンの魅力を如何に表現するか様々なシーンを体験してきた。2000年に入りカメラの著しい自動化の進歩と共にピント、露出の初歩的問題はある程度解決され失敗は限りなく少なくなったように思える。写っていて当たり前。
だけど所詮カメラのプログラムは前提条件に従う。上手くその前提に合えば確かに確実に写るが、例外の方が多いのが世の常。ライブシーンはその例外だらけの世界なのだ。ステージライトの逆光、斜光、暗闇、ミュージシャンの予想外の動きなどなど。撮影後の仕上がりを見て、写っている事実を確認してようやく一安心。写真選びや、出来具合を選ぶ事は全く後の仕事で、ある幸福感と快感がある。

今回ここにスライドショーとしてご紹介する写真は、法政大学館ホールで照明を担当した名前の知らない誰か、ステージ主役の灰野氏、ラッキーな撮影位置に立った私がいて創り出された大変満足している名場面なのです。
何度かの灰野氏のステージを体験してゆく中でこれほどまとまりのある連続写真を撮った事がありません。連続に意味があるのではなく、その一枚一枚がどれも灰野氏の姿を写しとめる写真としての役割を果たしていると自負しているからです。既に20年近くも経過したこの写真が、パソコンでの写真補正、スライド技術に拠って書き加えられたイメージも含め私なりの今に通用する「灰野敬二」を表現しようと試みた作品です。

現在ほぼ連日、灰野氏のライブ情報が海外での活動も含め多数見受けられます。氏の健康管理には独自の哲学があるようで、健康そのもの。長髪の髪にもだいぶ白い物が目立ち、その存在の大きさを感じさせています。近々現場を見たいと気になり情報チェックしています。   2006.8.27記す ジン