ポケットモンスタールビーの紹介

 2002年11月21日に発売された,ゲームボーイアドバンス用ソフト,ポケットモンスタールビー,サファイア。前作金銀からちょうど3年を経て発売された,期待のポケモン新作ソフトです。
 さて,ほしのやは早速ルビーを手にとって,新たな旅を始めました。
 どんなソフトだったか,これからやってみようという方の参考に,ちょっとだけ経過報告を。


これまでのポケモンを経験している方へ。
実際にプレイしてみて,前作までと比べて気がついた点をご紹介します。

1,ストーリーを進めるためのゲームバランスは,だいぶきつくなったように感じます。
 赤緑や,金銀では,レベル上げということを殆ど意識しなくても,必要な移動をこなしているうちにおおむね余裕のあるレベルでイベントをクリアしていけたように記憶しているのですが,今回はちょっと様子が違います。先を急いでせっかちに町を通過したり,ボンヤリと進んでいってレベル上げをおろそかにしていたりすると,ジム戦などで結構苦労します。また,エースポケモン一体に頼りっぱなしにするのも避けたいところです。なるべく,いろいろなタイプを育てていくようにしないとつらくなります。

2,野生のポケモンを捕まえやすくなったようです。
 ボールを投げても逃げられてしまうということが,グッと減ったようです。前作までは,旅立ってまもなく,なけなしのお金で買ったモンスターボールを投げても,ポッポやコラッタ,或いはホーホーやオタチがすぐボールから出てしまって,なかなか思うように仲間が増やせないという苦労があったのですが,今度は楽になりました。ボールを買うお金をあまり気にせずに,序盤から,たくさんのポケモンを捕まえて楽しむことができます。
 もっとも,特別なポケモンについては逆に捕獲が厳しくなったかもしれません。特に,途中で出くわす,おそらく一体しか登場しないであろうさるポケモンについて,それを捕まえるか倒すかしなくてはストーリーが先に進まないにもかかわらず,ハイパーボール40個費やしても捕まえられませんでした。私の場合,まだ「みねうち」を覚えていなかったせいもあるのかもしれませんが(注),HPメーターの残りが殆ど見えなくなるまで体力を減らした相手を,しかも麻痺させていたのにそのありさまでした。そのままではストーリーが進まないので,結局諦めてマスターボールを使ってしまいました。
 捕まえやすいポケモン,捕まえにくいポケモン,格差が広がっているのかもしれません。
(注)ちなみに,ルビー・サファイヤにも「みねうち」があるのかどうか,まだ確かめていません。

3,最初に進めるときには「ムダ」な動きが多くなると思います。
 今回は,ストーリーと直接関係のないイベントなどが,一層盛りだくさんになっています。遊びの要素が増えた分,初めての町などに行きついて施設を回ったり話を聞いたりしているときに,そうしたイベントなどに出くわす機会が増えているようです。それを「楽しい」と感じるか,「邪魔だ」と感じるかは,受け止め方次第ということになるのではないでしょうか。「とにかく先に進みたい」という人にはわずらわしく感じられるかもしれません。マップの配置がやや複雑になったこともあり,少なくとも,ほぼ一本道のレールに乗せられて突っ走るだけ,という印象はだいぶ減りました。

4,お金はたまりやすくなったようです。
 トレーナーなどとのバトルに勝ったときの賞金が多くなったようです。道具を買ったりするときのお金には不自由を感じません。バトルに必要な道具以外の買い物をすることまで含めても,余裕があります。再戦を希望するトレーナーも「ポケナビ」で一覧できるので,お金が欲しいときには便利です。また,多くの人が序盤で仲間にするであろうジグザグマが時折勝手に拾ってきてくれている道具類(中には,高く売れるものもある)も,ばかにならない収入源でしたた。ジグザグマには,道具を持たせないようにしておきましょう。

5,「ワルモノ」の違和感は軽減されました。
 前作まで登場していた,「ポケモンを使って悪いことをする」というロケット団の設定が,いかにもとって付けたようで興ざめに思っていたのですが,今回登場する「ワルモノ」は,それに比べると少しもっともらしいものに変わったと感じました。
 でも,私の好みからすると,なにも無理してワルモノを登場させなくてもいいんじゃないのかな,と感じています。登場させるなら,テレビアニメのムサシ,コジロウのように,単なるシャレにしておいた方が好きだなあ。

 そしてもちろん,これまでになかったシステム,イベントがたくさんあり,私自身,ひとまずストーリーを追うのに一段落したところで,まだまだこれからそれを楽しんでいこうというところです。コンテスト,秘密基地,さらにはゲームキューブとの接続…。楽しみなことがいっぱいです。


 総じて,一段とよく行き届いた出来上がりになっていると感じました。
 でも,前作との通信ができないのは,新鮮ではあってもやっぱりちょっと寂しかった。





初めてポケモンをやってみようかと思っている方へ。

 今までのポケモンをやっていなくても,戸惑うようなことはまずないはずです。
 ポケモンはもともと,RPGとしては低めの年齢層をも強く意識して製作されたもののようで,ゲームシステムなどの説明が,逆にいささかくどいほどにストーリーの中に盛り込まれています。今回もその姿勢は踏襲され,初めてでも安心して付き合っていけると思います。意地悪な落とし穴にはまり込んで苦労するという心配もありません。
 キャラクターデザインのかわいらしさ,その個性の設定に対する配慮のこまやかさ,ゲーム世界の住人達の会話のやさしさ,ポケモンを仲間として捉える意識の強さ。中途半端な「世界観」で単なるこけおどしに陥っているタイトルが多い中,なかなかこれだけの水準にあるゲームにはお目にかかれないと思います。
 テレビゲームのRPGそのものが未経験という方にも,初めてのRPGとしてお勧めできます。ただ,第1作に比べるとマップも広く,イベントも多く,もちろんポケモンの種類も技の種類も多くなっているので,初めてのRPGとして見た場合にはかなりボリュームがあると思います。また,あちこちで待ち構えている迷路には,パズルを解かないと先に進めない仕掛けもたくさんあります。メモを取るなり,ガイドブックを参考にするなりしながら楽しんだ方が,スムーズだろうと思います。