二日酔いの白面男出現!
釣り前日に大酒を飲む懲りない男


 さあこれから釣りだぞ、という朝。その日の朝は、いつも率先してボートを運ぶリーダー「Tamura」が、なぜか全く働いていなかった。ボーッとつっ立って、なにやらヘラヘラ笑っている。その理由は間もなく理解できた。ボートを運んでいる私が前を通ると、突然「ハーー」と息を吹きかけてきて、その酒くさいことといったらすごかった。近寄るだけで酒のにおいがプンプンしている。どうやら、前日に飲めない日本酒を調子に乗って飲みすぎたらしい。二日酔いの経験者はわかると思うが、朝の早い時間はまだテンションが高く酔ってる続き状態だが、時間がたつにつれて二日酔いの症状が出てきて具合が悪くなるものだ。案の定、ボートを水に出したあたりから口数が減っていった。
 しばらくは二手に分かれて釣りをすることとなり、合流したのは昼近くだった。顔色はもうマッサオを通り越して白かった。船べりを両手でつかんだまま水面を見つめ、ピクリとも動かない。そのうち体をせり出し始めたかと思うと、「グェェェー」と吐きはじめた。その声が、ダム湖奥部の谷間に響き渡っている。近くで釣っていたヘラ師のおじさんも、何事かとこっちを見ている。これまでの様子を聞くと、朝のうちは何回かキャストしたが、すぐにこの状態になり、ずーっと吐き続けているらしい。ここまでひどいと、さすがにかわいそうになってくる。
 しかし根性の男「Tamura」、昼飯にイレブンで買ったキムチ鍋を食べると見事に復活。顔色はまだ悪いものの、小雪が降る極寒の2月に、しっかりトップで釣り上げた。

教訓
バス釣りでも海釣りでも、釣行前日の飲みすぎはやめましょう。




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