ウンコと50upの関係


1 はじめに
 我々トップウォータープラッガーは、フィッシングプレッシャーの高いところではほとんど釣りにならないので、より釣り人の来ないフィールドを求めるようになる。当然そこは、トイレの設備などあるはずもないような場所となるのだ。トイレがないから一応は釣りをする前にすべてを済ましておこうとするのだが、日中になって釣りをしつつもウンコがしたくなることはよくあるものだ。ここで問題は、山間のリザーバーでは両岸断崖絶壁といった場所は普通であり、上陸できるポイントは非常に限られているということである。なんとか釣りをして気を紛らわしながら行くのだが、押し寄せる波は次第に周期が早まり、かなり危険な状態になる。しかし、上陸ポイントはまだ先だ。ついに追い詰められると、普段は上がらないような急斜面に上陸を決行する。しかもそんな場所を平気でガンガン上がっていくのだから人間とはすごいものだ。我慢に我慢を重ね、やっと自分を苦しめたモノを出せたとき、ふと見上げると、空はとても青く、周りの緑はとても深く、豊かな自然の中に自分はいるんだなと、しみじみと実感できるのである。
 そんなウンコが、不思議と大物に関係する現象が報告され、事実50upをとった時は必ずウンコがらみである。このウンコと50upの不思議な関係について、過去の50upを釣ったパターンを見てみよう。
2 不思議なつながり
事例1
 TamuraとIsao2人での釣行。Tamuraは生涯初の50upを釣り上げた。この喜びを、来れなかったOzoneに伝えようと電話をかける。そのころOzoneは前日の飲み会で飲み過ぎ、朝の便所で上、下ともに排出して苦しんでいた。母親が電話がかかってきたと携帯を持ってきたので出てみると、もうろうとした意識の中で「50up釣ったぞ〜」というTamuraの声を聞いた。

事例2
 IsaoとOzoneでボートに乗っていると、Ozoneが便意をもよおした。上陸ポイントが近くにないので、上から崩れてきた木が横たわっている場所に仕方なく上がった。足場にした木と木の間は水面という、天然の水洗便所である。ここで用を足したのを知らなければ、間違いなくルアーを放り込むであろうグッドポイントである。用を足し気分爽快で釣りを再開するも、別船で釣っているTamuraから50up釣ったとの連絡がきた。

事例3
 またもIsaoとOzoneでボートに乗っているとき、今度は2人ともに便意をもよおす。Isaoは用意がいいものでトイレットペーパー持参である。大減水していたため比較的上陸ポイントに恵まれていたのもよかった。あまり我慢をすることなく、順番に上陸し用を足すことができた。釣り再開後釣果も芳しくないので別船のTamuraに連絡し様子を聞くが、大きいのを釣ったのか釣らないのか、モジモジしてどうもはっきりしない。あとで同船のAndoに聞くと、どうやら卑怯な手で50upを釣ったらしい。卑怯な手とは「ラ○ージグ」などというもので釣っていたらしいのだ。その後みんなで合流した場所でのこと、Ozoneのルアー回収時にビッグバスがヒットした。50にはちょっと足りない48だった。よそ見をしていたし、ルアーは水中を泳いでいた、と散々クレームをつけられ公式認定には至っていない。

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3 考察
 事例から得られることは、ウンコはOzone、釣り人はTamuraという関係である。Tamuraの釣った50upは、全てOzoneがウンコをした直後に釣れており、このウンコには相当なウン(運)があると考えられる。この時期Tamuraは「幸ウンの男」と言われていた。
 事例1はともかくとして、2と3はフィールドで便意をもよおしていることから、釣りをしているときに何らかの環境の変化があり、それが便意につながったのではないかと考える。人的要因を考えた場合、食べ物をたくさん食べたとか、ボート運びなどの作業をしたことで体内活動が活発化したなどということがあげられるが、便意をもよおしたのはそのようなタイミングではなかったので、これが原因ではないだろう。となれば気象的な要因があてはまるのか?ということになるが、気温や気圧の変化が体に影響を及ぼし便意をもよおしたと考えるのが妥当であろうか。気圧の変化が体にどんな影響があるのかは体感的には良く分からないところであるが、体にかかる圧力が変化することにより人間の体の活動に少なからず影響を及ぼすと思われるし、同時にバスの活性も、特に気圧の低下により活性が上がると言われているので、ここに関係があると見てよいのではないか。また、気温の変化についても、腹が冷えればウンコをしたくなるのはあきらかであるし、バスにとっては温度の低下が必ずしも好条件になるとは言えないが、暑い時期ではもちろんのこと、何かそういう変化があったときに活性が上がるというように考えることができるのではないか。つまりは、釣り場でウンコをしたくなるような時は、温度や気圧など何か変化があったのだから、バスの活性が上がると見てよいだろう。

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4 終わりに
 終始、推測の範疇から脱出できず科学的解明はなされなかったが、ウンコをしたとき50upが釣れたのは確かな事実である。そして、Ozoneは周りの微妙な環境の変化を感じ取れる繊細で鋭い感覚と体質の持ち主であり、Tamuraは少ないチャンスにビッグバスをものにする卓越した技術と野性的カンの持ち主であることは間違いない。普段、魚探を見たりとか水温すらろくに計ったことのない我々トップウォータープラッガーにとって、最新のテクノロジーに頼るのではなく、自らの体を高性能センサーと化し、わずかな環境の変化を感じながら、バスの活性が上がるタイミングを察知することが必要なのではないだろうか。
ウンコがしたくなったら、ビッグバスを釣る最大のチャンス?


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