2002年9月15日〜18日
久米島 マグロ遠征
お世話になった船:太一丸、道吉丸


 台風の久米島から早一年。今回の久米島遠征は、数々の家庭の事情に阻まれ参加できたのは私「Ozone」のみ。私を最初に久米島へ連れて行ってくれた釣り仲間たちと、合計8人での釣行となった。今度こそは台風の心配をせず釣りに専念できそうだ。
 到着してすぐに港へ直行する。船は太一丸と道吉丸の二手に分かれた。私は道吉丸の方で、メンバーは永塚剛也と、今回初顔合わせの高橋君と栗原君の計4人。早速パヤオへとむかう。釣り始めると、4〜5kgほどのメジが何本か釣れた。シイラは表層のいたるところに見られ、シイラの釣り堀状態だ。しかし小型ばかりで大物は見られなかった。トビペンをキャストしていた栗原君に、時折激しい水しぶきとともにマグロの反応がみられた。一発ヒットもしたが惜しくもバラシ。一方、太一丸の方は、江川君が35kg、野口君が26kgをキャッチした。ともにヒットジグは、ヒラジグラロング。二人ともオメデトウ。
 2日目は、永塚がカゼのため休むことになったので3人で出船する。朝一がチャンスだろうとがんばってジャークするが、ルアーへの反応はない。しばらくやってもぜんぜんダメ。そこで高橋君が餌釣りに挑戦する。すぐに反応があり、15kgクラスのビンチョウマグロを釣り上げた。ここで餌釣りは私に交代となる。ルアーで釣りたいのはヤマヤマだが、餌釣りを経験してみるのもいいだろうと思ったし、とりあえずお土産をキープできればあとが楽かな・・・というのが本音だったりして。SS90PE-10に餌の仕掛けをセットする。でかいマゴチ天秤みたいなのに、撒き餌を入れる袋がついて、ハリスの先には一本針がついている。餌はキビナゴだ。船長の指示ダナまで下ろし、まず2、3回大きくしゃくって撒き餌のキビナゴを撒く。で、待っているとドスンとくる筈なのだが、アタリがない。一流ししてダメ。二流ししてダメ。高橋君にはすぐにアタリがあったのに、なんで俺にはこないのか?ずーとロッドを持ってゆらゆらと誘っていると、なんかバラムツを釣ってるみたい。1時間くらいやってただろうか、魚探には140mあたりに反応があるようなので、じゃもうちょっと下だなと10mほど下げるとそこでやっとヒットした。ガツンとあたったらそのまま走られた。アワセを入れようかとも思ったが、すぐに走られたからできなかったし、なんとなくこれでも大丈夫な気がした。走りが止まってリフティングを開始する。リフトすることはできたのでそれほど大きくはないようだが、リフトアップできても楽に上がってくるわけではなく、走られていなくてもドラグが出るか出ないかくらいの重みがかかっている。さすがマグロといったところ。しばしマグロの手ごたえを味わい、上がってきたのはさっきの高橋君と同じサイズのビンチョウマグロ。自己記録ではあるが、餌で釣ったので写真はとってません。
 同船の栗原君は、「前回餌で釣ってもいるし今回はルアーのみでやります」、と餌釣りはしないで自分の信念を貫き通したが、残念ながら良型は見られず。
 私たちが釣りをしている間、船長が釣り機(コードリールみたいなので糸を巻き上げる漁の機械)で餌釣りを始めた。これがすごい爆釣して、キハダの45kgクラスが2本キャッチの1本船べりでラインブレイク。15kgクラスのビンチョウも2、3本釣って、船長けっこう夢中になって釣っていた。



 運命の3日目。永塚は根性でカゼを治し気合十分。4人で釣り始めしばらくたった頃、永塚のヒラジグラにヒット!どうやらかなりの大物らしい。船の反対側で釣っていた私は状況をつかむのが遅れ、ルアーの回収が遅くなり永塚のラインに絡んでしまった。かなりヤバイと焦ったが、幸いにしてフックがラインにかかったのみで、ぐるぐるに絡みついているわけではなかったので、すぐにとれた。永塚のファイトは実にパワフルで、膝の屈伸を使ったポンピングでどんどん魚を浮かせてくる。わずかの時間で見えるところまで上がってきたマグロは、ヒレが長く伸びており、かなりの大物だというのが判った。船長がモリを打ち込み無事ランディングに成功。船長の見立てでは45kgはあるというキハダマグロだ。しかし、実に短時間で勝負がついたわけで、昨日私が釣った15kgのビンチョウと同じくらいの時間しかかかっていないのではないだろうか。ジグが口に挟まっていたからマグロが口を閉じられなくて苦しがっていた、だから弱るのも早かったのだろう、とは永塚の談。掛かりどころは運にしても、見事釣り上げたのは彼自身の実力であり勝利である。オメデトウ。




 



 この一本で、当然のことながら自分も釣ろうとみんな気合が入る。しかしそうは簡単に釣れないもので、ヒットがないまま時間はもう夕方になっている。この時間には、黒金のジグで江川君が大物をかけたことがあったので、永塚から黒金を使ったらどうかとアドバイスがある。早速結ぼうと持っていた私の手から、ポロリと落ちた黒金のヒラジグラ。遥か1000m先の海底目指しヒラヒラとフォールしていく姿を、私は固まったまま見送っていた。そんなときに、ハオリジグを一日中ロングジャークしていた高橋君に大物がヒットした。信じてしゃくり続けた根性の一発だ。巻いては出され、巻いては出されの繰り返しで、かなりの長期戦になりそうだ。朝の永塚の一本があまりにあっさり上がってしまったために忘れていたが、そもそも40kgを超すマグロなんて、そんなに簡単に上がってくるもんじゃあなかったのだ。午後になってから海がだいぶ荒れてきているのもあって、かなりファイトが辛そうである。根性のリフティングで魚影が見えるところまで上がってきた。ヒレが長く伸びており、永塚が釣ったのより大きくも見える。しかしここまできていながら、釣っている本人にとっては絶望的とも思える無情のひとっ走りをくらい、また50mほどラインが出される。疲れを知らないマグロとの約1時間30分ほどのファイトの末、キャッチしたのは永塚が釣ったキハダとほぼ同サイズのキハダマグロだった。高橋君はすでにぶっ倒れて全く動けないでいる。今年の久米島の最後を飾る壮絶なファイトは、夜の暗闇とともに終焉を迎えた。 
 ルアーでは惨敗だった私は、みんなで飲んだあと、なんか釣ってやろうと永塚と二人して寝ずに出かけるが、久米島の星空はものすごい数の星が見えるとても美しい空で、見ているうちに寝てしまい港で夜を明かしてしまった。帰りたくない、また来たい、すぐ行きたい、来年もきっと行くぞ久米島へ!

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