■ラインの話    

 トップウォーターにおける理想のラインとはどんなものだろうか。
 まず、ルアーをアクションさせる場面では、何を要求するのか。スイッシャーのただ引きではラインによるアクションの影響は皆無と言っていいが、ことペンシルベイトにおいては、首振りをさせるデリケートな操作に際しては、ラインの影響を大きく受ける。
 トップウォーターで使うラインに求められることは、
@浮くこと
A巻きグセがつきにくいこと
B見やすいこと
があげられる。
 浮くことについては、ラインが沈むと水の抵抗を大きく受けるためペンシルの動きが殺されてしまったり、沈むラインにテンションがかかり、せっかく横を向いたペンシルが真直ぐこちらを向いてしまうなどという場合があるからだ。また、フックに絡みやすいという点もあげられる。
 巻きグセについては、ルアーに向かって真直ぐラインが伸びているのが一番アクションがつけ易いのであって、グリグリにらせん状になったラインではアクションがつけにくいことこの上ない。
 次に見やすいことについて。見やすいラインは、これからアクションをつけようとする時に、ラインの状態がよくわかるので操作性が上がる。また、これからルアーがどういう道筋を通ってくるのか、あるいは障害物の通過状態なども知ることができる。

 アクション以外の点において必要なことは、十分な強度であることを挙げたい。トップウォーターのルアーは高価なものが多い。だから、枝や草などに引っ掛けてロストするなどはもちろん、バスとのファイトでラインブレイクするなどは、魚のダメージも絶大なものとなるので絶対に避けたい。オーバーパワーすぎる強度でよいと思う。ただ、太すぎるラインはクセがつきやすいので良くない。だいたい16Lbから20Lbくらいが、チーム内では多く使われている。


 メンバーに、日頃使っているラインについて聞いてみた。

バスザウルス”50” 16Lb
 ラインが中空になっているため浮力が強いというのが売りのライン。確かに中空形状になっていて、通常のナイロンラインよりポンド表示の割に太くなっている。浮力は確かにあるようだが、思っていたほどの浮力でもないと感じた。特筆すべきはそのしなやかさである。ナイロンラインはリールに巻いて期間が経つと結構巻きグセがついてしまうが、このラインはちょっと使っていれば巻いたばかりのように真直ぐになる。欠点はやや強度に欠けることで、結束強度が弱い気がする。ギュッと絞め込んだ時にプツンといったことが何度かあった。もっとも、結び方についての注意書きがあるので、そのとおりにちょっと気をつければいいことなのかもしれないが、なんとなく不安が残る。

ザウルス プラッギン 16Lb
 ソルトウォーターのルアーゲーム用ラインだが、巻き残りをバスに使ってみたら結構具合がいい。鮮やかなグリーンで視認性がよく、巻きグセもつきにくいのがいい。

道楽 No.1、No.3
 道楽がリリースするトップウォーター専用ライン。20LbのNo.1と16LbのNo.3が使われている。道楽に置いてあった説明書きには、No.1は山根モデルで、やや沈むラインで強風にも負けずビッグプラグを操ることが出来る。No.3は、松本モデルでオールラウンドに使い勝手のいいライン、と言うような文句が書かれていたと記憶する。No.1は、沈むとは言っても違いがはっきりわかるほどの差はなく、通常の使用では他のラインと変わらないと思う。やはりNo.3位の方が使いやすい。特に特徴のあるラインとは思わないが、カラーが非常に鮮やかなのがいい。

トライリーンxl
 値段が安くて、しなやかで、結構いいライン。通販で大量にしかも安価で買うことができる。ラインは劣化したりでわりと消耗が激しいので、安いというのは重要なことである。

ストレーン
 昔、流行ったラインで今はあまり見かけないが、「Ando」が好んで使っている。バスプロショップスで大量に買いこみ、10年分くらいのストックがある。同じ強度なら他のラインよりも太くなっているし、使い勝手もいいとは言えないが、ラインの色は鮮やかなゴールドで、非常に美しい。


 メンバーの全員がナイロンラインを使用しており、PEを使う者はいなかった。ナイロンは、安いし、ライントラブルは少ないし、強度的にも十分ということで使用しているのだが、PEについては使ったことがなくよくわからないので、今後実際に使ってみて比較検討したい。




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