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チェロ・メイキング 4. リブ・アッセンブリー HOME
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◇ リブの曲げ
ヴァイオリンやヴィオラ同様、ここでもC部のコーナー部から曲げて貼り、それからローア・バウツ、アッパー・バウツという手順で進めました。
クランプも、場所に合わせてどんどんと追加してつくり、巾6cmほどの、板状のものまで準備しました。

それは、やはり少しでも幅広く、安定した状態で締め付けたかったからです。
上に乗せたステン板は、アイロンで熱し、裏側から蒸すためのカバー。

これは、ホームセンターで市販されているステンの薄板(0.1mm)をカットし、片側だけに、引っ張るための取っ手をつけたもの。

こんなものでも、立派な治具。曲げは、そのため蒸した蒸気がほどよくリブ材の中に回り、楽に、きれいに曲がるようになりました。
リブ・クランプも、数多くつくると適材適所、都合がいい場所に、具合の良さそうなものが使えることになります。
とくに、板状のものは裏表で凹凸に削ってありますから、コーナー・ブロックのところは凸を内側にし、ゆるやかなカーブを描いた外形の場合には凹面を内側に、ボルトだけを反対にセットすることで、まさに、コンバーティブルになるのです。
そうして、なんとかリブ・アッセンブリーも完了しました。
◇ 内型の一枚を抜く・・・ライニング貼りの準備
この、ヘンリーさんの内型は、ご覧のように上下2カ所をダボピンでつなげて固定し、あとは数カ所を木ビスで止めるような仕掛けになっています。
このときに、いつも迷うのですが、内型とブロックのあいだにノミを入れて、コンコンとたたいて剥がすべきか。

あるいはノコ刃を差し入れて、ひいて切って取るべきか・・・。

今回は前者でやりましたが、とくに、コーナー・ブロックは薄いコンパネ三枚に仮付けされている状態、それをノミでコツンとやるわけですから、三枚の内型全部から仮付けのブロックが片側だけがとれてしまいました。
そこで、内型をカットした際の外側の端材(コンパネ)がありますから、これを利用して簡単な外枠をつくりました。

そのような、不安定な外形に対して安定させるためには、これは最適です。
◇ ネックの切り出し
併せて、ネックの切り出しも済ませました。と、書くことは簡単ですが、実際に原木から切り出すのは大変な肉体労働でした。

ライニングも、ぼちぼち貼らなくてはなりません。
これくらい厚さがある部材では、わたしの持っている小型のベルトソーで切り出すのは絶対に無理な作業、すべて手引きのノコで切りました。

それは、丁寧にカットすると、下の端材から、ヴィオラのネックが一本とることができるからです。
ヴァイオリンでも、ヴィオラでもネックの削りは大好きな作業。
でも、立体のスクロールができていくのが、ワクワクする思いです。
あとは、ペグ穴を彫るだけになりました。
チェロらしいスクロールが完成。
◇ チェロは未完成のままでしたが、卒業高校OB美術展に出品

今年も卒業高校OB美術展の時期になり、
未完成品でしたがそれもまた一興、
治具や道具などもふくめ展示しました。

第1回からの参加ですから、こんな未完成な形でも、参加することに意義があるのです。

『第6回 沼津商業高校OB美術展』
7月 8日 〜 14日 沼津市・ギャラリー「四季」にて

一人2点以内ですから、前に描いた風景画の小品(F8号)も出品。

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