曜日 日記
1999 11 13 日記も三週間目を迎えたが、日記を付けることが私の人格や能力の向上に役立っているわけではなく、役に立たないことを頑張るというのも実にダメ人間らしい。さて明日はエリザベス女王杯が行われるので、例によって予想してみようかと思う(外し続けているのにダメ人間らしく懲りないね)。菊花賞ほど人気は集中していないものの、エリザベス女王杯もメジロドーベル・エリモエクセル・ファレノプシス三強の争いとの下馬評だが、昨年のエアグルーヴと違って有力三頭がいずれもこのレースを目標としているだけに、秋華賞で強い競馬をした4歳のヒシピナクルと昨年2着のランフォザドリームも怖いが、私も三頭でほぼ決まりだと思う。三頭の中では、外枠に入らずにすんだメジロドーベルが、ひどく引っ掛かることもなく、私が三頭の中では最上位と考えている能力をきっちり発揮できるだろうから最有力だと思ったが、他の二頭もさほど差はないだろう。三頭のボックスとする。

◎メジロドーベル ○エリモエクセル ▲ファレノプシス

1999 11 14 例によって外してしまったエリザベス女王杯だが、前が塞がらなければファレノプシスが勝つか2着にはきていたはずで、的中だったのだが・・・。中舘騎手や横山典騎手が、前が開かずに脚を余して負けるという今回のような失敗をすると、気楽な立場で投稿できるネット上の掲示板だけでなく騎手とも接する機会の多い競馬マスコミでも散々に叩かれるのだが、武豊騎手が同じようなミスを犯しても、マスコミは言うまでもなく(本当は中舘騎手の時と同様に厳しく指摘すべきだが)、ネット上でも散々に叩かれるということはない。また、スローペースで中段から後方に待機した馬が2着となったような場合も、鞍上が中舘騎手であれば批判されるが武豊騎手のような「名手」と呼ばれる騎手だと大胆な騎乗だと賞賛される傾向があるように思う(具体例を挙げると、前者はヒシアマゾンが2着のジャパンカップ、後者はファイトガリバーが2着の優駿牝馬)。やはり、人間は権威に弱く物事を虚心坦懐に見るのは難しいということなのだろう。ダメ人間の私は特にこの罠に陥りやすそうなので自戒しなければならないと言えよう。

さてレース回顧だが、前半1000mが61秒とやや遅い流れでラスト600mが35秒2(勝ったメジロドーベルは34秒台半ばで上がったのだろう)という上がりの勝負となり、勝ち時計が2分13秒5だから、昨年よりはやや水準が劣るが牝馬限定のJRAG1としてはまずまずのレベルだろうが、やはり混合のJRAG1と比較するとかなり落ちると言わざるを得ない。メジロドーベルのレーティングも、減点なしで110点台前半というのが妥当な評価ではないかと思う。レーティングは以下の通りである。

第24回エリザベス女王杯(JRAG1、京都・芝2200m)   1:メジロドーベル109  2:フサイチエアデール104  3:エガオヲミセテ106  4:プロモーション104  5:ヴィクトリーバンク103  6:ファレノプシス103  7:ヒシピナクル99  8:マイネエルザ101

1999 11 15 以前日記でspeedと嵐が同時にCDシングルを発売したことに触れたが、今日オリコンの週刊チャートが一般に公開され、推定売上枚数は、speedが約36万枚、嵐が約55万枚であった。一方、Sound Scan Japan(SSJ)という組織の推定売上枚数は、speedが約23万枚、嵐が約45万枚であった。普段は、SSJの推定売上枚数はオリコンのそれの大体7〜8割だから(調査店と統計手法の違いにより差が生じるのは分かるが、それにしてもオリコンはかなり水増ししているのだろう)、まあ「妥当な誤差」と言えようか。それにしてもspeedは嵐に随分差をつけられたもので、嵐には結成バブル人気が起きたが、speedには解散バブル人気はまだ起きていないということなのだろうか。
1999 11 16 日曜日に書こうとして長くなりすぎるだろうからと思いやめておいたのだが、エリザベス女王杯連覇を達成したメジロドーベルの主戦の吉田豊騎手のことである。彼はエリザベス女王杯の勝利騎手インタビューでは「今年は色々あったから」とも言い涙を浮かべていたように見えた。その「色々」とは、競馬マスコミのみならず一般マスコミでも報道されたが、吉田騎手が今夏、日頃の先輩への礼儀態度の悪さを理由に後藤騎手から木刀で殴られたうえに蹴られて負傷を追った(吉田騎手は無抵抗だった)という事件とその後のマスコミ報道のことなのだろう。少なくともこの件に関しては後藤騎手が一方的な加害者で、吉田騎手(側)が告訴すれば刑事事件となり後藤騎手は逮捕されかねなかったにも関わらず、マスコミは後藤騎手に同情的で、吉田騎手は態度が悪くシメられても仕方なかった、というのが主流論調であった。その吉田騎手の「礼儀態度の悪さ」が何かというと、マスコミ報道によると、ファンとの集いでの不機嫌な態度を騎手会長の岡部騎手に窘められたところ逆に岡部騎手の日頃のマスコミへの対応の悪さを指摘したことや、レースで自分の騎乗馬が不利を受けた時は加害馬の騎手が先輩であっても容赦なく抗議することや、勝利数も増えG1勝ちも達成して態度が大きくなったことや、一匹狼的なところがあり他の騎手とは付き合いがよくない、といったことなどである。

確かに吉田騎手の態度に行き過ぎたところはあったのかもしれないが、本来実力主義の競争社会であるべき競馬界において、一匹狼的であることや非は非として先輩であっても抗議したり指摘したりするという行為は決して非難されるべきことではなく、寧ろ彼は、「ライン」なるものを組み私生活でも親しく付き合ってレースでも先輩に遠慮して控えたりコースを開けたりする騎手達よりも遥かに騎手として相応しいと思う。吉田騎手も、私生活で他の騎手と交際したり先輩には遠慮して言うべきことも抑えたりした方が日本の競馬界では好成績を残しやすいとは分かっているのだろうが、不器用で一本気な性分のため要領よく立ち回れないのだろう。同じく不器用で要領の悪い私は一連のマスコミ報道を読んて却って吉田騎手に好感を抱いたが、エリザベス女王杯勝利後にいつもの派手なガッツポーズをやらず、勝利騎手インタビューでも涙を浮かべながら神妙に答えていた彼を見て、彼も大人になった、という好印象を抱いた人も少なからずいた。吉田騎手がマスコミも含めて周囲の圧力に屈して自らの個性を圧殺することは私は望まないし、彼には先輩であろうとも非がある時には堂々と抗議するような一本気な騎手でいて欲しいので、彼の今回の神妙な行為も無意味な軋轢を避けるだけの賢明さを身に付けた証だと信じたいものである。

1999 11 17 昨晩日記を書いて送信した後に知ったのだが、アブクマポーロの引退が決定した。故障して休養に入ったた後、一部では東京大賞典を目標にしていると報道されたが、残念ながら復帰は叶わなかった。昨年前半の強さは圧巻で、ホクトベガやライブリマウントやトウケイニセイといった近年の名馬達と比較しても一枚上だろうし、日本の歴史的名馬だと思う。今年は2戦しただけだが、昨年前半ほどの迫力は感じられず、仮に無事だったとしても今年のメイセイオペラには適わなかったように思うが、昨年前半のアブクマポーロと今年のメイセイオペラではどちらが上なのかは意見の分かれるところであろう。メイセイオペラはドバイワールドカップに出走する可能性もあり、そこで好走すれば(ダメ人間らしく甘い想定かな)少なくともダート路線では日本競馬史上最強馬との評価が定まるだろうが、仮にそうなったとしても、私はメイセイオペラがアブクマポーロより上だとは断言できないのではないかと思う。まあ、メイセイオペラがドバイWCとBCクラシックの両方を勝てば(とんでもない妄想かな?)考えも変わるかもしれないが。
1999 11 18 特に変わったこともなく、今日が私の人生にとっての記念すべき日だったと後々まで記憶に残ることはないだろうが、人の一生において晩年まで記憶に残っているような記念すべき日というのはほとんどなく、大半は平凡な日ということになるのだろう。そして、そういう平凡な日に地道な努力をしているか否かが立派な人とダメ人間との違いなのかもしれない。
1999 11 19 今日も特に変わったこともなく、昨日書いたように人生のほとんどはこのような平凡な日で占められているのだろう。平凡な日とはいっても退屈だということはなく、個人にとってはほとんど無限大の奥深さがあり、それ故に次から次へと好奇心を掻き立ててくれる歴史が好きな私は、ほとんど退屈さを感じたことはない。競馬と共に、一生楽しめるという意味で本当に良い趣味を持ったものである。

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