人類史に疑惑?(10)
一連の噂のなかでも割と多かったのが、「白人(コーカソイド)」にとって衝撃的な発見だ、というものである。例えば、以下のようなレスがそうである。
446 名前: 投稿日:01/10/03
15:54 ID:tsUmHuvs
日本人、もしくはアジア人が見つけたのなら、速攻公開したんだろうけど
アメリカが見つけてしまったからさあ大変。まあヨーロッパよりはましだが・・
どうしても白人は単一起源説を信じたがるからな・・・
進化の最終形が自分達であると思いたいんだろうね
457 名前: 投稿日:01/10/03
22:46 ID:/2tBDabk
お、アラン・ソーン博士が盛り返すような勢いだな。
並列起源説が成り立てば、白人の思い上がりを
断ち切る事ができるかもしれんな。
そういう意味でも今回の発表は楽しみ
自分たちとそっくりの塩基配列を有したDNA
どういうこじつけをするのか・・?
546 名前: 投稿日:01/10/04
11:29 ID:auKpnqIs
実際問題、この発見はあまりに多くの問題を含んでいる。
特に白人にとってはショックだと思う。
557 名前:. 投稿日:01/10/04
13:00 ID:Ovfj7QYc
446と546が偶然かしらんが近いところを突いている。
いま人類学ではミトコンドリアDNAの研究からアフリカ起源説が主流っていうのは誰もが知っているよな。
それが、今回の発見により他地域平行進化説が証明されたんだよ。
つまり、コーカソイド、ネグロイド、モンゴロイドは、もともと別もんだったってことがわかったわけ。
で、こっからが問題なんだけど、それが証明されていく中で、
コーカソイドの進化過程(DNA)に重大な欠陥もみつかってしまったから、えらいことになってしまった。
(逆に言えばモンゴロイド、ネグロイドにも、ある事実が発見された)
それで、これらのことを隠蔽するために、真実をすりかえて全世界に発表するらしい。
1はどこまで知っているのかしらんが、合同声明するのはブッシュほか基本的に白人主導国家の首脳だけだ。
合同声明後のアジアはやばい状況になるよ。当然日本もね。
730 名前:446 投稿日:01/10/04
17:14 ID:29fIC/Pk
>>557
何が惜しいところ付いてるだ。別に隠蔽なんかしないよ
ありのままを1月に発表することになっている。
ともかくこれでソーン博士の説が強化される。
ネグロイド→モンゴロイド→コーカソイドなんて
単純すぎる説をまかり通してたんだからな、白人共は
どうも、多地域並行進化説が優勢になると「白人」にとって都合が悪く、「白人」は現在優勢なアフリカ単一起源説の方が都合がよいと考えている、との理解が根強くあるように思われる。だが、はたしてこれは妥当な理解なのだろうか。そもそも、アフリカ単一起源説が有力となったのは、分子遺伝学が人類学に重要な役割を果たすようになったここ十数年のことであるし、その内容も、「ネグロイド→モンゴロイド→コーカソイド」というような図式を提示するものではない。そもそも、単一起源説の立場を貫いてくと、ネグロイド・モンゴロイド・コーカソイドといった「人種」区分も自明なものではなく、あやふやなものとなるのである。
「白人」とはいっても、教養に大きな差があるから(それは他の「人種」も同様だが)、こうした学問的な話に対する温度差は激しいとは思うが、ある程度の教養のある「白人」層にとって、はたして単一起源説が広く浸透しているといえるのか、疑問もある。案外、今でも多地域進化説的な理解の方が根強いという可能性もあるのではなかろうか。もっとも、これは私の推測にすぎないから、実情はまったく違うのかもしれないが。
まあそれはともかく、根本的な疑問は、そもそも単一起源説は「白人」にとって都合がよいのか、というものである。「白人」にとって都合がよいというのも曖昧な表現だが、ここでは、「白人」のメンタリティに合うものだろうか、という意味合いである。別に私も、単一起源説が「白人」にとって都合が悪いとまで主張するつもりはないのだが、むしろ多地域進化説の方が「白人」には受け入れられやすいように思うのである。
単一起源説とは、要するに現生人類は10万年前頃まで皆「アフリカ人」だった、というものである。これに対して多地域進化説は、世界各地(アメリカ大陸などは、ほぼ現生人類に「進化」してから初めて進出したので、ここでは含まれないのだが)に200万年前?頃より存在した人類が、相互の遺伝的交流はあったにせよ、その地でホモ=サピエンスへと「進化」したというもので、学説史的には、人類単一種説を受け継ぐものと言える。発掘された化石が少なかった頃には、人類は誕生して以来ずっと単一種で、それぞれの地域で何度か「進化」して現在のホモ=サピエンスとなった、とする人類単一種説も有力な見解であった。
化石の発掘が進むと、人類単一種説の破綻は明らかとなったが、多地域進化説は依然として有力な学説であり続けた。ところが近年、単一起源説優位の状況のなか、多地域進化説の大御所であるミルフォード=ウォルポフ氏は、エレクトスなどといった区分は不要であり、100万年以上前よりホモ=サピエンスは存在していたのだ、と主張されるようになり、まるで先祖帰りしたかのようである。何だか話がそれてきたが、何を主張したいのかというと、多地域進化説は依然として人類単一種説と本質的な発想が似ている、ということなのである。
この人類単一種説に多分に依拠した本が、1962年に出版されたカールトン=クーン氏の『人種の起源』である。その主張はというと、多様な人種が、過去の様々な時点で「サピエンスの門」をくぐって現生人類になったが、アフリカ人が最後に門をくぐったと考えれば、彼等の文化が比較的未発達であることも説明がつく、というものである。もちろん、この本は人種差別だとして大いに非難されたが、少なからぬ「白人」のネガティヴなメンタリティには合いそうな説ではある。とはいっても、別に私は「白人」が差別主義的だとしてことさら非難するつもりはなく、「人種」に関係なく、どの人々にも、程度の差はあれ、こうしたネガティヴなメンタリティはあるものだと思う。
もちろん、ウォルポフ氏のような見識のある大家は、クーン氏の見解を否定されてはいるが、ウォルポフ氏などの提唱される多地域進化説と、クーン氏の説とには、かなりの類似性が認められるように思う(ウォルポフ氏は強く否定されるだろうが)。仮に、多地域進化説が優勢となるような発見があったのだとしたら、むしろその方が「白人」にとっては好都合なのではなかろうか。もっとも、あるいは私の想像がつかないような衝撃的な事実が判明したという可能性も全否定はできないが・・・。
日本については、
840 名前: 投稿日:01/10/05
03:26 ID:VDNrpIyA
>>834
それほど異質な発見ということ。詳しいことは俺も知らないからなんとも言えんけど
学会にだって提示責任というものがある。勝手にバシバシ情報は流せないよ。
そしてこの発見の提示責任者はなんのつもりかアメリカ政府。もちろんこんな事は初めてだ。
軍事じゃあるまいしね。
でも俺が知ってる限り、サワリならこんな感じでちょびちょび漏れてるよ。
それに多くの日本人はアメリカ同様、「単一起源説」の信者だ。
この辺は日本の歴史の学会に似てるかも。
一昔前は大東亜戦争にちょっとでも肯定意見なんて出そうものなら・・
漏れたとしても電波扱いっすわw(これもそうだけど)
というレスにもあるように、日本人の多くは単一起源説を支持している、との見解があるが、これも疑問である。あくまでネットでの評判や知人との会話からの推測にすぎないが、一般の日本人の間に単一起源説が浸透しているとは思われない。
また、研究者の間でも、必ずしも単一起源説が圧倒的に支持を得ているようには思われない。少なくとも、80年代前半まで、日本では人類単一種説が圧倒的に強かった。今でも、人類単一種説の系譜に連なる多地域進化説を心情的に支持している研究者は、案外多くいるのではなかろうか。なぜそう考えるのかというと、仮に単一起源説が日本の研究者の間で圧倒的に支持されていたとしたら、ゴッドハンド氏による旧石器捏造事件がもっと早期に発覚していた可能性が高い、と思うからである。
世界各地で「原人」が現生人類へと「進化」し、それは東アジアでも同様であった。その証拠に、東アジアにおける石器は、「原人」段階のものから「新人」段階のものまで、連続性が認められる。
このような多地域進化説が大きな影響力を持っていたからこそ、ゴッドハンド氏による旧石器捏造事件も、長年にわたって看過されてきたのではなかろうか。仮に、日本の学界では単一起源説の影響力が圧倒的だというのなら、「原人」段階の石器と「新人」段階の石器とのあまりにも見事な連続性に強く疑問を呈する研究者がもっと多くいたはずで、したがって、捏造の発覚がもっと早くなったのではなかろうか。
ゴッドハンド氏は、縄文時代の石器をも自ら埋めて、それを皆の前で旧石器時代の石器として発見したかのように振舞っていたわけである。日本の「原人」段階の多くの石器と「新人」段階の石器とに連続性があるのはとうぜんである。何しろ、縄文時代の石器が「原人」段階の石器として長年認められていたのだから。まったくもって、ゴッドハンド氏も、とんでもないことをしでかしてくれたものである。
このようなことを考えると、噂されているように多地域進化説を証明するような発見があったとしたら、日本の学界の大勢は、あまり迷うことなく多地域進化説支持となるだろう。一般の日本人も、多地域進化説をすんなりと受け入れるのではなかろうか。
途中ずいぶんとあいたが、10回にわたって「人類史に疑惑?」を掲載した。この間、南アフリカやインドで人類史に関係する大発見があったが、噂されていた発見とはどうも違うようにも思われる。新しい情報がなければ、徒に推測を重ねるだけなので、今回で連載は中断することにしたい。興味のある発見があったときには、また連載を再開したい。