「ヘクソカズラ−屁糞葛、屁臭蔓」 


アカネ科・つる性多年草  分布:日本全土
別名(ヤイトバナ−灸花、サオトメカズラ−早乙女葛)
    気の毒な名前であるが、この臭気に気づけば、なるほどと思える。
    ただし、この臭気も花や葉、果実をそっと嗅いだだけでは匂わない。
    もんだり、つぶしたりして始めて匂う。
    「万葉集」でもクソカズラと詠まれている。別名のヤイトバナは花の
    中央がヤイト(お灸)のあとに似ているからだと言う。
    サオトメカズラは花の姿を早乙女のかぶる笠に見立てたもの。

    日当たりのよいやぶや草地、土手などにふつうに見られる。
    茎は左巻き。基部は木質化する。
    葉腋から短い集散花序をだし、灰白色の花をまばらにつける。
    花冠は長さ約1センチの鐘形で先は浅く5裂して平開する。
    のどと内側は紅紫色。果実は核果で直径約5ミリの球形。
    熟すと黄褐色になる。中には2個の核があり、それぞれに種子が
    1個づつ入っている。この果実はしもやけの薬として、古くから
    利用されてきた。 花期8〜9月。
(参照:野に咲く花)

↑ ヘクソカズラの実