左「大麦」 右「小麦」 小麦・大麦の栽培の歴史は非常に古く、およそ1万年前に
西アジアで始まったと考えられている。 日本には中国を経て奈良時代以前に入ってきた。 〈小麦の仲間(コムギ属)〉コムギ属は小穂に小花が2個 以上付き、その内で何個実るかで普通系・二粒系・一粒系 に分けられる。 普通系は1個の小穂に3〜4個の果実が出来るもので、 その代表がパンコムギ。現在もっとも多く栽培され、 パンや菓子、うどんなどのめん類の原料になる。 二粒系にはデュラムコムギがあり、マカロニやスパゲティを 作る。一粒系のヒトツブコムギはもっとも古い栽培種で、 スペインなどで栽培されている。 〈大麦の仲間(オオムギ属)〉オオムギ属は花序の軸の 両側に小穂が3個づつつく。その全部が実るものを 六条オオムギ、3個の小穂のうち中央の1個しか実らない ものを二条オオムギ、または矢羽オオムギと言う。 六条系、二条系とも果実が穎と離れやすい裸ムギとがある。 日本で栽培されているのはほとんど六条オオムギで、 押ムギにして麦飯に入れるほか、麦茶や味噌、しょうゆ、 ウィスキーなどの原料にする。 ビールには二条オオムギが使われる。 〈ライムギ(ライムギ属)〉古くは麦畑の雑草だったが、 やせ地にも成育し、耐寒性もあることから、ヨーロッパで 栽培されるようになった。 ライムギから作ったパンが黒パンで、やや酸味がある。 ウィスキーやウォッカの原料、飼料にも使われる。 日本ではあまり栽培されていない。 |