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★その他の読書★

宮部みゆき「R.P.G」/集英社文庫
あるサラリーマンが刺殺された。数日前に絞殺された女性と遺留品が共通しており、ある女性が容疑者として浮かぶがイマイチ決め手がない。刺殺されたサラリーマンは現実の家族とは別に、インターネット上で疑似家族を作り、そこでも「お父さん」を演じていた。。。家族の絆とは何なのか?
最初、登場人物同士の関係や、時間の経過が分かりづらく話に入るのがちょっと難しかったです。が、ストーリーが進むにつれ、集中して読めました。殆どが取りし調べ室での刑事と参考人のやりとりで展開されていて、その駆け引きのようなのが面白かったです。事件の真相には途中で「そうかなぁ」と思いましたが、どうも後味が悪い気が・・・(汗)

J.K.ローリング「ハリー・ポッターと秘密の部屋」/清山社
魔法学校ホグワーツも夏休みに入り、ハリーは意地悪な親戚・ダーズリー家に戻されていた。相変わらず酷い扱いを受けるが、餓死寸前のところを親友のロンに助けられ、夏休み後半はウイーズリー家で楽しい日々を過ごす。しかし、新学期が始まった途端、人間(マグル出身)の生徒が石にされるという恐ろしい事件が起こり始め、ハリーに疑いがかかる。自分への疑いを晴らすため、親友ロンとハーマイオニーの協力の下、犯人を捜すのだが・・・
今回は前回に比べて、少しダークな感じが強かったと思います。ダーズリー家の人々のハリーへの仕打ちも酷いし、生徒達を襲う怪物も気持ち悪いし。みんながハリーを疑い始め、イライラするハリーを見るのももどかしく、辛かったです。
でも最後、それまでの細かいエピソードが伏線だと分かり、どんどん事件の真相に近づいていくところは、やっぱりドギドキしました。「ハリー頑張れ〜」って応援したくなっちゃいます(笑)
うー3巻も早く読みたいですっっ

小野不由美「黒祠の島」/祥伝社
探偵、式部剛は、自分に自宅の鍵を預けたまま行方不明になってしまった友人の作家、葛木志保の行方を捜すため、彼女の出身地である「夜叉島」へ乗り込んだ。その島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった。そして島中の家に風車と風鈴が溢れ、島民はよそ者には誰も本当のことを話さない。島民の非協力と白い目の下、徐々に明らかになる連続殺人の真相とは・・・
文句なく、面白かったです。久しぶりに「やめられない止まらない」状態にさせてもらいました(笑)
すべては過去に終わってしまっている事件。しかし真実はすべて闇に葬られている。しかし、少しずつ、少しずつ真相が分かってくる様子はドキドキで、一気に読んでしまいました。最後の方は付いていくのに精一杯の部分もありましたが・・・(^_^;)。
読んでいて、その情景が映像的にしっかり浮かんできました。そのまま映画になったらいいだろうなぁという感じ。誰か映画化してくれないかなぁ。漫画でもいいかも♪

深沢美潮「菜子の冒険 猫は知っていたのかも。」/富士見ミステリー文庫
飯倉菜子は16歳。女流ミステリ作家の母を持ち、高級住宅街にのほほんと暮らすお嬢様だった。
ある日友達の飼い猫を追いかけて、ご近所中で偏屈ばあさんと評判(?)のキヌ婆さんの家に行った菜子は、キヌ婆さんの様子がいつもと違うことに気が付く。キヌ婆さんが入れ替わっているのでは?と考えた菜子は、母の担当編集者・仁と共に調査を始める。。。
普段はファンタジー中心の作者が初めて書いたミステリ。ということで、どんな感じになるのかなと思っていたら結構面白かったです。最後の真相部分は予想していたものと違ってましたが。相変わらず「害がない」ところが好きです。これからシリーズ化されるのかなと思うと楽しみです。

J.K.ローリング「ハリー・ポッターと賢者の石」/清山社
孤児のハリー・ポッターは意地悪な叔父さん、叔母さん、従兄にいじめられながら育った。
しかし11歳の誕生日を迎えようとしたある日、突然現れた大男ハグリッドが持ってきた手紙により、自分が魔法使いの血を引いていることを知る。ホグワーツ魔法魔術学校に入学することになったハリーは、9と3/4番線から紅色の汽車に乗り、未知の世界へと旅立つ。親友のロンやハーマイオニーと助け合いながら、数々の事件を乗り越え、そして両親を殺した邪悪な魔法使い、ヴォルデモートとの運命の初対決までのお話。
魔法の杖、使いのふくろう、透明マントなどなどワクワクするアイテムもいっぱい出てきて、読んでいてとても楽しかったです。特に最後の数十ページ、ヴォルデモートとの対決までのくだりはドキドキしました。読んでいても情景が自然と浮かんでくるので、実際に映像化されるのがとても楽しみです。
まだまだハリーの冒険は始まったばかり。続きを読むのがとても楽しみになりました。

霧舎巧「ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会 流氷館へ」/講談社
推理小説ファンの二本松翔がひょんなきっかけで入会することになったサークル「《あかずの扉》研究会」。自称「名探偵」や「インチキ(?)霊媒師」などなど個性的なメンバー6人は、高校教師、遠峰の依頼を受けて、いわく付きの館【流氷館】を訪れた。しかし彼らが到着した時には館には誰もおらず、そこに招待されていたらしい人々は、もう一つの【流氷館】に監禁されていた。そして次々と起こる悲劇・・・果たして《あかずの扉》研究会は彼らを救うことができるのか・・・第12回メフィスト賞受賞作。
メフィスト賞受賞作ということで、期待して読んだのですがとても面白かったです。結構分厚い本なのですが読みやすくて割と早く読めました。途中ちょっとややこしいところもあって、ついていくのが大変でしたが(^_^;) 久々に「本格」推理物を読んだという感じです。
「《あかずの扉》研究会」のお話はもう一冊出てたと思うので、今度また読んでみたいなと思いました。

姫野カオルコ「愛は勝つ、もんか」/角川文庫
『オリビアを聴きながら』『けんかをやめて』『カルメン'77』etc、ヒット歌謡曲の歌詞についての独特な解釈や恋愛論などなど痛快エッセイ。
文句なく面白かったです。「そこまで言う?」と言いたくなるような毒舌なのだけど、「わかる、わかるっっ」という話ばかりで、大笑いしながら一気に読んでしまいました。
この方の本を読んだのは初めてなのですが、小説なども読んでみたいなぁと思いました。

恩田陸「球形の季節」/新潮文庫
四つの高校の並ぶ、東北のある町で広がった奇妙な噂。その噂通りに姿を消した一人の女生徒。
町の中のあちこちに積まれる【石】。。
平凡に見える日常の中で、何かが起こり始めていた・・・
何ともいえない雰囲気の漂っている小説でした。特に「怖い」描写があるわけでもないのだけれど、後ろを見るのが怖くなるというか、落ち着かない気分になりました。
ラストは・・・ちょっと消化不良という感じもしましたけどね(^_^;)

貴志祐介「黒い家」/角川ホラー文庫
生命保険会社に勤める若槻慎二は、ある日顧客の家に呼び出され、そこで子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。その死が他殺ではないかと疑い、調査に乗り出した若槻だが、そこには信じられないような悪夢が待っていた・・・
大竹しのぶ、内野聖陽、西村正彦らの出演で映画にもなったホラー小説。
生命保険や精神病などの知識もいっぱい織り込まれていて、勉強にもなりました。しかし後半部分はめっちゃ怖かったです(>_<) 「心のない人間」って本当にいるのでしょうか・・・

大橋光代「だから、あなたも生きぬいて」/講談社
中学2年の時にいじめを苦に割腹自殺を図る。その後非行に走り16歳で極道の妻に。心も身体もぼろぼろになっていたが、22歳の時に心から心配してくれる人に出会い立ち直る。その後猛勉強をして、29歳で司法試験に一発合格。現在弁護士として活躍している著者の自伝作品。
世の中には、本当にすごい人がいるんだなぁと思いました。
人生、遅すぎるということはないんだと思えて、勇気が出てくる一冊です。

メアリ・H・クラーク「小さな星の奇跡」/新潮文庫
7年前のクリスマス、教会に置き去りにされた女の子は、偶然この教会に忍び込んだ泥棒に連れ出され育てられた。成功目前の新進ヴァイオリニストとなった母親は自責の念と娘に会いたい一心で、娘を置き去りにした教会へ戻ってくるが・・・
富くじで4万7千ドル当てた強運なアルヴァイラ夫妻が活躍する、ハートウォーミングなクリスマス・サスペンス小説。
教会での子供の置き去りにした母親とその子を連れ出した泥棒、詐欺師夫婦から住まいを騙し取られようとしている友人を助けようとしているアルヴァイラ夫妻。関連の全くなさそうな2つの事柄が、次第にリンクしていくところが、読んでいてドキドキしました。
最後は大感動で泣けますっっ

倉坂鬼一郎「赤い額縁」/幻冬舎
翻訳家が次々と失踪する。古本屋は売り渋る。一人として読み終えた者はいないという洋古書「THE RED FRAME」。この本の周辺で起こる連続少女誘拐殺人事件の犯人は誰なのか?
数々の絡まる謎に挑む二人の探偵・・・
読む内に、虚構と現実の境が分からなくなってきそうな不思議なホラーでミステリな小説。
現実では起こりそうにない話なのだけど、読んでいる時に、後ろを振り返るのが怖くなっちゃうような本でした。結構怖いです(>_<) でもあっと驚かされる展開もあってGOODっっ

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