いろいろ
サイコなホラーからせつなくて泣ける話まで、色々です。

※発行順は、下から上へ順に新しくなっています。

死にぞこないの青
幻冬舎文庫  

天帝妖弧
集英社文庫  

暗黒童話
集英社  

きみにしか聞こえない-CALLING YOU-

角川スニーカー文庫

私こと「リョウ」には友達がいない。人と話すのが苦手で、教室でもいつも孤立している。でもいつもとても寂しくて、頭の中で想像上の携帯電話を作り上げては空想を巡らせていた。そんなある日、鳴るはずのない空想の携帯電話が頭の中で鳴り出して・・・それは同じように寂しさを抱える少年からの電話だった。。。 表題作ほか2編。

めちゃめちゃ切ないお話です。小説を読んで久々に泣きました。一緒に収録されているほかのお話も、どれも優しくて切ないお話ばかりです。羽住都さんのイラストも作品の雰囲気にぴったりで素敵です。

失踪HOLIDAY

角川スニーカー文庫

14歳の冬休み、わたしはいなくなったー。
母親の再婚によって大金持ちの娘となったナオは、わがままいっぱいに過ごしていたが、母親は病気で他界し、父親の再婚相手とは喧嘩ばかり。本当はいつも不安を抱えていた。そんなある日、継母と大喧嘩の末、衝動的に家出をしてしまう。帰る帰れなくなってしまったナオが潜り込むことになったのは・・・最初はちょっとしたいたずら心だった家でも思わぬ展開に。 表題作他1編。

生意気に見えるナオも、ホントはただの14歳の女の子。だんだん可愛く見えてきます。最後、事件の真相には驚かされると共に、おもわずにんまり(^^)。
個人的には同時収録の「しあわせは子猫のかたち」の方が好きかも。またまたとても切ないお話です。

石ノ目
集英社

ある夏休み、私は友人の教師と一緒に、幼い頃母が行方不明になった山へ登ることにした。その山には「石ノ目」という妖怪がいて、その目を見るとたちまち石になってしまうという古い言い伝えがあった。私と友人はそんな言い伝えなど信じていなかったが、その山で遭難してしまい、たどり着いた民家の庭には無数の人間の石像が立っており、自分は石ノ目だと名のる老婆が住んでいた・・・
表題作他、全4作の短編集。

“ホラー”というよりはむしろ“ファンタジー”な感じ。読んでいる途中は、「いつ怖くなるんだろう」とドキドキしながら読んでいるのだけど、最後はちょっと泣けるような話ばかりでした。私のお気に入りは、魂を持ったぬいぐるみの話『BLUE』。

夏と花火と私の死体
集英社文庫

9歳の夏休み「わたし」こと五月は、親友の弥生ちゃんに木の上から突き落とされて殺された。弥生ちゃんとその兄、健くんは、「わたし」の死体を隠そうとするが・・・

“ホラー小説”となっていますが、最後のどんでん返しなど、かなり“ミステリ”な作品だと思いました。冒頭で“死体”となってしまった「私」の視点で物語が進んでいく点も、すごく面白いです。しかも全然おどろおどろしくなくて、淡々としているんですよね。結構異常な世界を描いているのに、そんな感じが無いところが逆に怖いかも・・・と思いました。
同時収録の『優子』も、切なくてちょっと怖くて、よかったです。

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